静穏は自らの心に
今は道だって美味しい店だって観光名所だって、Google先生がある程度教えてくれるから手元でなんでも解決できるけど、昔は見知らぬ人から色々と尋ねられることも多かった。お互い時間に余裕のある時代だったからかもしれない。
孫との待ち合わせ場所が見当もつかないおじいさん。まあこんな複雑な商業施設の片隅で待ち合わせしようなんてひどい話だけど。
とびきりオシャレして恵比寿で迷っていたマダムは、同窓会かなんかだろうか。
初めて来た観光地などでも地元民と間違えられて、お城はどう行ったら近いですかとか、おいしいレストランありますか?なんて聞かれたりもした。堂々と歩きすぎるところが問題なんだろうか。
あとは、再就職先の面接会場に間に合うかどうかという人もいた。分かりづらい地形だったため、近くまで一緒に歩きながら案内したこともあった。そういえば結果はどうだったのかな。
そんな迷えるおじさんおばさんを手助けしてきた僕なのだが「すいません、ちょっとお尋ねしますが」以外にもよく掛けられる言葉がある。
「占っていいですか?」
ありがちなキャッチセールスとか、新人占い師の研修とかではない。ガチでプロの人から、こちらが頼んでもいないのに声を掛けられる。割と有名な宗教団体の偉いポジションの人だったり、上司に連れられていったスナックのママだったり、友だちの付き添いで行っただけのなんとかの母とか…。「ちょっと、おもしろい顔相なんですよね」というのが共通の印象のようだ。お金を要求される様子もなく、ただただ材料にしたいらしい。とはいえスピリチュアルには興味ないし
「人生迷ってるヒマないので」
そんな理由で、すべてお断りするようにしている。
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