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世界には実は正解が必要ないことも多いのだと思う

「病気を理由に解雇したらダメなんです。違法なんですよ。」

少し前までは「働けないなら当然クビ。みんな頑張ってるんだから、そんなのは単なる甘ったれだ」と言い切る昭和の軍国主義オジサンたちを説得するのも大変だった。平成にもまだこういう人が残ってるんだなあと関心した。

不自由で理不尽な社会で鍛えられたと感じる部分もあるので、僕はなんでもかんでも根性論撤廃派では無いが、自分が出来てることは誰でもみんなできて当たり前と思ってしまうおじさんたちの想像力の無さには辟易する。いつかはみんな歳を取るし女性は出産だって経験する。ケガだって親の介護だっていつ向き合うかわからないのに。

休職者の復帰後の配置変えや時間短縮も重要で、上手くいったり上手くいかなかったりだ。周囲の気遣いが嬉しい人もいれば、そうでない人もいるから。
休んでるとみんなに忘れられちゃうんじゃないかとか、復帰しても迷惑かけてしまうからと、真面目な人ほど退職という選択をしてしまう。

「辞めなくてもいいんだよ。今決めなくていいんだから。」
彼女はとても優秀で仕事のできる子だった。真面目過ぎる性格が災いして診断名と通院を隠し続け、症状が悪化して現在は休職にいたる。

「昼間に身体がついていけなくて、すっかり昼夜も逆転してしまって。今日もやっとこの時間に電話をすることができました。昼間は眠っていて夜中に活動するんです。コンビニ行ったり自転車乗ったり。なんかすごくダメ人間で。

今回は引き止められそうにない気がしていた。

メンタルを病むと夜型になるのではなくて、夜型の人がメンタルを病みやすい傾向にあるのかもしれないし、昼が辛いなら夜活動していいと思っている。できない自分を追い込んでしまうよりずっといい。きっと眠れぬ夜はどこかで誰かも目覚めてる。僕は医者ではないのでなんともアドバイスは出来ないのだけれど…

何を隠そうこの集まりだって午前0時集合だ。
SEとデザイナーと編集者、こいつらが日中元気にスポーツしてるとことか想像できない。
「明るいうちに事務所に電話しても電話番の女の子しか対応してくれなくて『午前1時過ぎならどこそこのお店で集まって会議してますよ』みたいなさ。もう昼間は休む時間帯なんだよ俺ら種族は。」
「バーテンダーもタクシードライバーも働いている。人の活動に9時5時の完全な線引きなんてできないよな。」
みんなダメ人間で、みんなフツーなんだよ。」

店を出るころは東の空が薄明を出向かえる時間帯だった。夜の帯を押し上げるように紫から薄紅に、空気の粒が彩りを変えていく。

もしかしたら、こんなきれいな夜明け前が見たくて、みんな眠れずにいるのかもな。

そして僕はこんなきれいな徹夜明けには、週末二日間の休みを台無しにするお年頃なのだった。


#ゆるく生きよう #コント部 #エッセイ #メンタルヘルス #僕なりの幸福論 #毎日note  

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満月ぽん太_言祝ぐ大人でいたい
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