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自由になりたいと感じた時は…
僕は子供のころ
家に縛られていた。
そう。
物理的に。
昔の日本家屋には、柱という便利なものがあった。
二足歩行を覚えた時分から脱走癖のある僕は、祖母の腰紐で家の柱に繋がれていた。
現代であれば炎上しかねない案件だが、人類滅亡の危機から世界を守るために母のとった行動は、間違いではなかったと思う。
目に余る脱走行動ゆえに、思春期の頃には「外出禁止令」という、世界でも類を見ない残虐な刑罰に処されたこともある。外出したところで何があるわけでもないクソ田舎で外出禁止とか、もう八丈島に流されたも同然である。
自由という言葉は魅力的だ。僕のような浅はかな者が安易に使いただる便利な言葉だ。
自由がゆえに暴飲暴食をし、自由がゆえに夜更かしをしてテレビゲームに興じ、自由がゆえに金は使いたい放題。
そうやって、命と引き換えに自由を手に入れた結果
健康診断の結果とクレジットカードの明細に戦慄するのだ。
自由の代償は大きい。
自由と自律をセットで考えられなければ、いつまでたっても奴隷生活なんだろうな。
今は自由が欲しいと思わないくらいの自由な生活をしているが、
たぶん人はそれを自堕落と呼ぶ。
(315日)
#エッセイ #コント部 #ライフスタイル #僕なりの幸福論 #自由のコントロール #自律 #縛られない生き方 #毎日note
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