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今一度日本のおせんたく事情を考える

他人にものを伝える、もしくは教える際は、相手は赤んぼうだと考える。
教えられる者の立場に立って、高圧的にならず、情報は少な目で。専門用語など多用してはだめだ。言葉も丁寧に選択し、シンプルに伝える。顔が見えていない時には更にデリケートに、想像力を働かせて。

僕の実家の人たちは、テクノロジーというものを、人類を滅ぼす害毒のように扱ってきた。便利なものは人を堕落させるアクマだという認識だ。モバイルなんちゃらを活用する僕には十字架を向ける勢いだ。
そのくせひとたび壁にぶち当たると、あっさり身近な人間を頼ろうとする。本日は買ったばかりの新しいパソコンに、既存のプリンターを繋ぎ印刷物をプリントするという「だけ」の、鼻ぼじりながらでも可能な操作のお問い合わせだ。自動音声ガイダンス流したい。~オペレーターに御用の方は、そのまま電話をお切りください。カチャッ~

「パソコンとプリンターを線でつないで。」
「線、これね。この平たいやつがこっちね。」
―シンプルにいこうか。ネットワークとか論外だ。USBポートとか余計な単語は削る。

「とりあえず印刷ボタン押してみて。」
「うんともすんとも」
―うん。ドライバは間違いなく、インストールしてないだろうな。

「インターネット繋いで」
「なんかこのうずまきみたいなマークのやつでいいの?」
―この際ブラウザなんかなんだっていい。

「なんでもいいよ。」
「なんでも?」
「いや違う。それ。そのうずまきでいいよ。」
―ふう。

「検索窓にプリンターの型番を入力してみて。」
「あ、なんか小文字とか大文字とか切り替わらない。」
「いい。いい。大丈夫だからそのまま入力。」
「なんか出てきた。32ビット用と64ビット用?とかがあるけど。」
「64でいいと思うよ。それ押して」
「あ、インストールできたみたい。」
―インストールはわかるみたいだな。

「どう?印刷ボタン押してみて。」
「ん~うんともすんとも。」
「紙は?」
「入ってる。」
「電源は?」
「入って、あ、コンセント…」

 デジタル庁のみなさん、一部の日本人はこのていたらくっす。ご心中お察し申し上げます。まあ、コンセントは論外としても、日本の夜明けはまだまだ遠いぜよ。

さあて、クラウドをどうやって説明するかな。

(136日)
  #エッセイ #コント部 #僕なりの幸福論 #毎日note #デジタル改革 #家族


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