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4段階右折 迷うもの 白うさぎを追え
僕は先頭を歩く者ではない。攻撃力はないのでモンスターも倒せないし、回復の呪文も知らない。フィニッシュブロウは休憩することだ。
仲間の為に農作物を盗んでくることくらいは可能だ。そんな軽微な仕事なら8割くらいしか失敗しない。あとは下手な落語を一席打つくらいなら9割くらいの失敗で済む。
僕はナビゲーターとして目も当てられないくらいひどい有様なので誰も助手席に乗せてくれない。
車の運転は好きだ。一本道に限る。「次の交差点、いやその次の交差点か。信号があるかもしれないしないかもしれないし、左だと思うけど右と言う選択肢もなくもなくはない。」いかなる時にも禅問答を怠らない。
物理的に距離が計れないこともある。2cmを越えると目測があやしくなる。1mが10mどころの騒ぎではない。
なので、いまだに「あそこに自分が寝転がった場合に自分何人分」という古代エジプト人にリスペクトした算出方法を用いる。
こんなんなんで大概迷う。ナビがあっても迷う。迷うくせに最近は相棒であるカーナビの案内と僕の耳と脳みそとの間に生じるわずかなタイムラグにすらストレスを感じる。残念ながら僕のカーナビは脳みそにダイレクトに語りかけてくれる仕様ではないのだ。
指示通りにできなかった際の無言攻撃の「おまえはバカなのか」と嘲笑されている感が堪えがたく、いまだ紙の地図に頼る場合も多い。
いいじゃないか迷ったって。
迷い続けた結果、県境を越えてしまっただけだ。
15分で済むところが2時間かかっただけだ。
フェリーに乗らなかったのは正しい判断だった。
目的地にたどり着けなかっただけで戻ってこれたのは儲けものだ。
道は迷うために枝分かれしている。正解なんかはないのだ。
(209日)
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