不機嫌なヒト
サル【目】ヒト【科】メンドクサイ【属】フキゲン【種】
それは社会の藪に潜み、よどんだ水を好み、不機嫌を糧として成長していく。やつらは誰かから餌をもらわなくても、何からでも不機嫌を作り出す能力に長けている。
威嚇してくる猛獣系はわかりやすい。
いよっ!ご隠居!今日もチョー不機嫌っすね!ってツッコみいれてウラァって頸動脈噛まれて一巻の終わり。ジワジワ絞め殺されるより死に際が美しい。
アタクシワァ、フキゲンダケドー、オトナダカラァー、カオニダシタリシテマセンコトヨー、ヒキダシバーンドアピシャーン!
という演技が下手で腐臭を漂わせている人がめんどうだ。
それが喜びと楽しみだったら、共に浮かれウィスキー飲んで歌い踊るけど。あからさまなゴキゲンナナメ表現って、社会人にしてはブシツケだよなあ。
時と場所を選んだ表現の自由であって欲しい。
もうね、そんな人の機嫌はとらなくていい。見物したらいい。そうそうお目にかかれない希少種だと思ってスケッチしたらいい。
しかし、舌打ちや長いため息がアカラサマに繰り返されて、色々支障をきたす場合には、さして興味もないのに聞いてみたりするのが世の習いである。
「あれぇ、どうしたんですかあ」
それをきっかけに、どうしてこんなに自分が不愉快な想いをしているか劇場が始まるのだが、そもそも台本がひどい。役者がひどい。演出も音楽も照明もひどい。死ぬほどつまらない。緞帳が降りるころには観客席ヘロヘロのシオシオである。
そういう相手に立ち向かうには「そいつから嫌われる」というコマンドもあるのだが、こちらはかなりの上級テクニックになるので、レベルを上げてから習得していただきたい。
人間て面白いなあとだけ思っていればいい。動物園の動物のように、オリなんかに入れて手なづけようとしなくていい。野生の不機嫌な人にあったら観察するだけでいい。
あなたをゴミ溜めみたいに扱う人とはかかわらなくていい。
(168日)
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