やりきれない殺人事件のお葬式
「感動葬儀。フューネ」です。
殺人事件の被害者のお葬式はなんともやりきれません。葬儀場に張りつめたなんとも言えない緊張感がさらに心を重くします。
当然、ご遺族の悲しみは尋常ではなく、半狂乱の状態の両親や子供さんをこれまで、数多く見てきました。
「人が殺意もって人を殺す」
というおろかな行為は高度な知能を神さまから頂いた人間として本来は絶対にやってはいけないことだというのは誰もが解っているはずですが、決して減ることがない殺人事件は人間の弱い部分の怒りの感情なのではないでしょうか。
殺人事件の犯人がまだ逮捕されていない時は被害者のお葬式を担当する葬儀社に警察から捜査協力をお願いされることもあります。どのような捜査依頼があるのかということは差し控えさせて頂きますが、私たちも一刻でも早く犯人が捕まってほしいという思いから出来る限りの協力はさせて頂いています。
さて、殺人事件のお葬式の中でも最もやりきれないのは身内が身内を殺した場合のケースです。
つまり被害者の身内であり、加害者の身内ということになってしまい、大切な方を奪われた怒りをぶつける相手がいないのです。特に親や子供を、子が親を、孫が祖父をなんてケースはお葬式もできるだけ内密に行いたいというご遺族さまの意向も強く、なんともいえない空気が漂っているのです。
身内が身内を殺すという悲劇は倫理的にも決して許されるものではなく日本の刑法でも通常の殺人よりも量刑が重くなるのです。
自分の命の源である両親や祖父・祖母を殺すということは考えられないことですし、命のバトンを引き継いだ、子や孫を殺すこともとても信じられないことです。
フューネの社員が以前に、一週間で3件の殺人事件のお葬式の担当をした経験があります。
それもすべて身内同士の殺人事件でした。
葬式の担当者として精神的に耐えられなかったと話していました。
「人間とは何か?」
自分自身がなぜそのお葬式の現場にいるのか、自分の立ち位置がまったくわからなくなってしまった・・・と心の痛みは今でも記憶に残っているそうです。
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