産霊
「感動葬儀。フューネ」です。
葬儀社という立場からお葬式を見ていると、本当に一人の人間の命は
尊く、また近親有縁の皆さまにとって代替品が全く存在しない唯一無二の
ものであることに毎回気づかされます。
お亡くなりの方を中心に家族の絆や職場・友人との固い絆がそこに
あることを実感せずにはいられないのです。
同時にお葬式が大切な命を次の世代の方に受け継いでいく儀式でも
あることに気づきます。
喪主を務める息子さんや娘さんは言ってみれば、故人が間違いなく
生きていた証としてこの世に残した作品であり、故人のDNAを
受け継いで子から孫・・・そして、末代まで続いていくのです。
命を伝えていくことを「結び」といいます。
結びとは文章の終わりの言葉とか締めという意味でも使いますが、
神道の考え方では産霊と書いて「むすび」と読みます。
神さまの名前の中に「ムスヒ(ムスビ)」が含まれている神様は
万物を作り出す神様なのです。
例えば宮中を守る八神殿(はっしんでん)には
「ムスヒ(ムスビ)」と名前のつく神様が8人中5人もいるのです。
神産日神(カミムスビ)と高御産日神(タカミムスビ)、
玉積産日神(タマツメムスビ)、生産日神(イクムスビ)、
足産日神(タルムスビ)。
天皇を守護することで、ひいては国家も守護するとされる八神は
日本という国を創り出た神様たちなのです。
自分の命を産霊(むすび)で出来た男の子のことを「ムスコ」といい、
女の子のことを「ムスメ」と言います。
命をつないでいく(結んでいく)ことは次の世代に自分の生きた証を
残していくことなのです。
人生の「結び」がお葬式であるということは、
お葬式は終わりであると同時に始まりなのです。
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