「いただきます」と「ごちそうさま」の間で
「感動葬儀。フューネ」です。
食事のあいさつと言えば、
「いただきます」と「ごちそうさま」でしょう。
どちらの言葉も意味を知って使えば大変素晴らしい言葉なのです。
まずは「いただきます」 から
「いただきます」とは、「私の命のために動植物の命を頂きます」の
意味からです。人が生きていく為には動物に限らず、草や木の
命さえも「いただくこと」が必定です。
私たちの生きていく代償としていのちを頂くことの意義を忘れない為の
「いただきます」なのです。
次に「ごちそうさま」ですが
「ご馳走様」は「馳走になりました」のことで「馳」、「走」という漢字は
ともに「はしる」の意味です。
昔はお客様を迎えるのに走り回って獲物をとってきてもてなしました。
このような行為に「心からありがとう」という感謝の気持ちを最大限
表した言葉です。
日本人は「食」に想いを込めることがとても上手な民族であり、
奈良時代に仏教が伝来した時から寺院では修行僧が食について勉強する
お堂が「食堂(じきどう)」であり、今日の食堂の語源でもあります。
お葬式においても食に様々な意味があり、そもそも食べることで
「供養」としました。
今でも故人と共にする最後の食事という意味の食事もありますし、
忌明けまでの生ものを食べてはいけないという殺生の心得などが
あるのです。
冠婚葬祭という非日常の時(ハレ)にしか食べられない寿司やお赤飯、
お餅といった食事も現代の日常の代表格であるコンビニに普通に
売っているのが当たり前という現状では食の教育というものは本当に
難しいものです。
加えて食材には本来「旬」と呼ばれる食べ頃があるのですが、これも
一年中食べられる現状の中で若い世代に「旬」ということさえ、教える
ことは難しいものです。
以前の記事「食べるという供養」
葬儀で供される一つ一つの食事には意味があり、それを頂く側の作法も
あり、食も儀式となっています。
しかしながら、最近では食事そのものが空腹を満たすだけの行為に
なってしまっているのも事実であり、食からの学びを若い世代に
伝えることができていないのが実情です。
そのような現状であるのならば、せめても「いただきます」と
「ごちそうさま」の意味を伝えることだけでも現代の葬儀社として
お客様に伝えることが精一杯の文化伝承の役目なのです。
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