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”お母さんのほけんしつ”とは?不登校の子どもを持つ親のリアルな声
「不登校の子どもを持つ親が抱えている悩みとは?」
「キーデザインの”お母さんのほけんしつ”って、どんな取り組みなの?」
こんにちは、鈴木大悟です。
NPO法人キーデザインは宇都宮市で、不登校の状態にある小学生〜高校生を対象に、フリースクールや家庭訪問といった居場所支援を行っている団体です。
その事業のひとつに”お母さんのほけんしつ”があります。
子ども支援団体のキーデザインが、なぜお母さんを支援するのか?
そして、”お母さんのほけんしつ”を通じて、実現したい社会とは?
今回は、こんな疑問をお持ちの方へ向けて、不登校の子どもを持つご家庭の声も交えながら、お話しします。
そもそもキーデザインとは?子どもの居場所を支援するNPO
まだNPO法人キーデザインをよく知らない方のために、簡単に団体の概要をご紹介します。
キーデザインは『ひとりにならない社会』の実現を目指して、学校以外にも子どもの居場所をつくるべく、以下のような活動をしています。
・お母さんのほけんしつ:お子さんの不登校のことで悩みを抱える保護者向けLINE相談支援
・ミズタマリ:不登校の小・中学生向けのフリースクール
・ホームスクール:不登校の小・中・高校生向けの家庭教師
「居場所がほしい」という子どもにはミズタマリを、「勉強したい」という子どもにはホームスクールを、案内しているそうです。
お母さんのほけんしつは、キーデザイン全体でも、窓口の機能があります。
「お母さんのほけんしつ」「ミズタマリ」「ホームスクール」はそれぞれ独立しているわけではなく、相互に補完し合うことで、子どものニーズに合った支援をしているのです。
キーデザインには『子どもの心の鍵を一人ひとりデザインしたい』という意味が込められています。
このようにキーデザインは、2016年の法人設立から、のべ300世帯を越えるご家庭を支援してきました。
フリースクールのミズタマリを実際に訪問して、インタビューさせていただいた記事もありますので、よかったらお読みください。
不登校に悩む親をLINEで支援する”お母さんのほけんしつ”
「なぜウチの子が不登校に・・」
そんな風に悩むお母さんは少なくありません。
しかし「不登校の状態になる」というのはあくまで結果で、実際は不登校の状態に至るまでに、様々な理由から子どもが精神的に追い詰められている、と土橋さんは話します。
キーデザイン 代表理事
土橋 優平(どばし ゆうへい)
” 不登校の支援は、子どもだけでなく、親御さんも一緒にサポートしていく必要があります。
しかし、今の社会には、まだまだ「学校絶対」という雰囲気があります。
国や行政のサポートも充実しているとは言えず、子どもの行き先について親御さんが一人で頭を抱えることになることが多いのです。
キーデザインは、子どもたちに適切な支援を届けるために、ご家庭全体への包括的な支援が必要と考え、LINEで無料相談できる『お母さんのほけんしつ』をオープンしました。
2020年5月の開設以来、親御さんからの相談は絶えることなく、現在は500名以上の利用者がいます。
実際に『お母さんのほけんしつ』を利用した保護者の声をお読みください。
お母さんのほけんしつでは、LINEメッセージでご相談をいただいてから、原則24時間以内に返信することをお約束しています。
” お母さんのほけんしつを運営する上で、すぐに連絡を返すことは、親御さんとキーデザインが信頼関係を築くために非常に重要です。
オープンした当初は、一日15人以上と同時並行でメッセージのやり取りをしていた時期もありました。
現在は、スタッフ3人体制で相談を受けています。
相談窓口となっている「お母さんのほけんしつ」を有料のサービスにすることは支援の観点からも難しいです。
私たちの寄付は「お母さんのほけんしつ」の相談員の人件費など、子どもたちを継続的にサポートするために必要な費用として使われます。
扉越しでの会話--ある女子中学生を持つご家庭のリアルな声
当時、中学1年生の香奈ちゃん(仮名)も、お母さんのほけんしつの支援を受けた一人です。
” お母さんから相談があったが、最初は何が原因で香奈ちゃんが不登校になったのかは分かりませんでした。
LINE相談でのやり取りから始まり、その後2,3度直接会ってお母さんからお話を伺いました。
香奈ちゃんは体調も崩しやすく、友人関係なども皆無で、最近は親子での会話もあまりできないでいるとのことでした。
ひとまず学校に行くことではなく、家族以外の人とのつながりをつくることを1つの目標にすることに決まりました。
実際にご自宅を訪問してみて、香奈ちゃんはどんな状態だったのですか?
香奈ちゃんはトイレの中にこもり、お母さんも不安と申し訳なさを抱えた表情をしていました。
「ちょっと香奈の部屋でお待ちください」と声をかけられ、香奈ちゃんの部屋へ。
入ると鬼滅の刃やハイキューなどのマンガが、ずらりと並んだ本棚がありました。
お母さんに「トイレ越しに声をかけてもいいですか?」と聞き、承諾を得ました。
まず第一声は自己紹介。
「お母さんから話は聞いてたかな?土橋と言います。」
返事はありません。
「そういえばお部屋ちらっと見せてもらったんだけど、鬼滅の刃が好きなの?」
これまた返事はありません。
「もし良かったら、無理に声を出す必要はないから、『はい』だったらノック2回、『いいえ』だったらノック1回でお返事もらえたりする?」と声をかけました。
(…コンコン)
ここからノックでの会話がスタートしました。
アニメを中心に話は進み、15分ほどノックのみでの会話。
ある程度反応も良くなったタイミングでオープンクエスチョン。
「ヒロアカで好きなキャラクターってなにがいる?」
「…とどろきくんです」
返事が来ました。
ここから言葉でのコミュニケーションがスタート、まだ扉越しです。
それも10分ほどやり取りした頃に様子を見て「もし良かったら外に出てきて話しない?学校のことを話すつもりはないから、アニメの話、もっとしよう」と声をかけました。
数秒して扉が開き「初めまして!出て来てくれてありがとう^^」と顔を合わせた会話が始まりました。
最後に:子どもが”死にたい”と思うことのない社会を創りたい
現在、キーデザインでは「お母さんのほけんしつ」を継続的に運営するために、毎月の寄付で活動を支援するキーサポーターを募集しています。
代表の土橋さんから、この記事を読まれている方へメッセージが届いています。
私たちは一生懸命に子どもに寄り添おうとするお母さんお父さんの味方でいます。
あなたにも味方になっていただき、一緒に子ども一人ひとりが安心して成長していくその様子を見守り、支えていっていただきたいです。
「死にたい」と思わずに、安心して子どもたちが生活していける社会にするために、是非あなたのご支援をお願いいたします。
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