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キーデザインって実際どんな団体?宇都宮のミズタマリに行って聞いてきた
皆さんは「キーデザイン」という団体を、ご存知でしょうか?
宇都宮で引きこもりや不登校の状態にある子どもたちを対象に、フリースクールの運営や、家庭への訪問などを行っているNPOです。
どんな考えを持って、活動しているのか?
実際に宇都宮に行って、話を聞いてきました。
キーデザインとは?宇都宮で引きこもりや不登校の子どもを支援
まず最初にお話を伺ったのは、代表の土橋(どばし)さんです。
-今日はよろしくお願いします!キーデザインについては、『フリースクールをやっている団体』くらいの認識しか持っていないので、いろいろ教えてください!
「そうですね、キーデザインには"お母さんのほけんしつ"というLINE相談窓口、お子さんのご自宅にお伺いしてコミュニケーションをとるホームスクール、ひとつの居場所に集まって子どもたちと過ごすフリースクールのミズタマリがあります。
3つの事業が関わり合って、子どもたちに適切な支援を届けることを意識しています」
-なるほど!それぞれの子どもの状況を見ながら判断してるんですね。
「はい、想像していただけると分かりやすいかと思うのですが、小1と高3を同じ場所で支援するのは難しいです。
中1と中3でも、進路のことがあるかどうかで焦りの度合も異なりますし、子どもの年齢や状況によってアプローチの仕方を変えています。」
-実際、支援を待つ子どもたちは、どんな現状なんですか?
「たとえば、中2の男子で、引きこもりの子がいました。
彼の部屋は足の踏み場もなく、何日もお風呂に入っておらず、酸っぱい匂いがするんです。
本人と話をしようとしても、最初は目を合わせることも返事をすることもありませんでした。
そこで私が始めたのが、子どもとコミュニケーションを取ることよりも先に部屋の掃除でした。
本人からしてみると、全く知らない人が部屋で黙々と掃除をしてくれているんです。
特に学校の話をするでもなく。
掃除をする中で「これは捨てていい?」と聴くと頷いてくれたり、「え、このマンガってどんな話?」と聴くとボソッと答えてくれたり。
そんなやり取りを積み重ねていっていました。
何日か経った頃に部屋からGが出てきて(笑)
でも、その時に初めてその子が”感情”を見せてくれたんです。
そこから普通に会話もできるようになり、笑顔で会話することも増え、一人で始めた掃除が、途中から共同作業になりました」
キーデザインの意味は?子どもの心の「鍵」を一人ひとりデザイン
-それはGに感謝ですね(笑)
「本当にそうですね(笑)
キーデザインを教育という分野で捉えた時に、不登校に対する偏見を払拭したい、と強く思っています。
学校に行かない分、自由な時間があって、その時間をどう使うかが大事です。
その時間に何をするかで、子どもの可能性を開拓していくことだってできます。
不登校になってすぐにその状況を受け入れることはとても難しいことです。
だから、子どもと関わりながら、子どもの一番身近にいる親御さんが気軽に相談できる環境を整えて、一緒に子どもを支えられるようになっていきたいと思っています。
キーデザインがその最初のとっかかりになれたらなと。」
-確かに、今は子どもが学校以外で学べることを知っているお母さんも少なくないですもんね。
私も中3の時に不登校を経験していて、先生や周りのクラスメートから白い目で見られて傷ついたこと、よく覚えてます。
「以前SNS上でムーブメントになった『不登校は不幸じゃない』という言葉はまさにそうで、キーデザインが不登校支援を始めるきっかけにもなりました。
実はあのイベントにうちも参加していて、そのきっかけを作ってくれたのが、当時手伝ってくれていた大学生なんです。
その大学生も不登校経験者で。
そうやって、関わってくれる人がたくさんのきっかけを作ってくれているのは、本当に有難いです。」
フリースクール「ミズタマリ」には、どんな子どもが通ってる?
キーデザインの活動を直接この目で見てみたい……!と思った鈴木。
なんと、実際の支援の現場にお邪魔させていただけることに(ワイ歓喜)。
-ここがフリースクールのミズタマリですね!4人のお子さんがいらっしゃいます!
「今日は人数が少なく落ち着いている日です。
多い日は10名近いお子さんがミズタマリで過ごします。
子どもたちの事情もさまざまで、学校に馴染めなかった子や病気を持っている子もいます。」
-新型コロナ対策ということもあって、入り口では消毒液を徹底のうえ、皆さんマスクをされてますね!
スタッフさんはお子さんの表情が読み取りづらい、なんてことはないんですか?
「確かに、表情が見えないことで難しさを感じることもあります。
でも、子どもたちとやり取りする時には、表情だけでなく、使う言葉や声のトーン、目の動き、身振り手振りなど、様々な情報を入手した上で関わっているので、意外と大丈夫なんです。」
-(すげぇ・・、日頃の活動の賜物や・・)
-ボードゲームや自由帳など、みんな思い思いのことをしてますね!
ここでは勉強はしないんですか?
「現状、ミズタマリでは学習支援は行っていません。
いじめにあったり、しばらく不登校期間が続いていたりすると、人とのコミュニケーションに抵抗がある子が多いです。
勉強の前にコミュニケーションを取れることのほうが大事です。
心が傷ついている子も多いので、まず私たちは本人のありのままを受け入れる。
学校うんぬんではなく、本人の好きなこと嫌いなこと、得意なこと、やってみたいことを探して、一緒に過ごす時間をただただ楽しむ。
それが最初のステップです。
勉強がしたい、という子が出れば、ホームスクール(家庭訪問)のほうで対応させていただいています。」
どんな人がキーデザインに寄付してる?サポーターに聞いてみた
そんなわけでキーデザイン代表の土橋さん、支援の現場と、それぞれでお話を聞かせて頂きましたが、「キーデザイン」にはなくてはならない、大事な存在がいます!
この方にご登場いただきましょう、サポーターの山本さんです!
(左が山本さん・右が鈴木)
-今日はお忙しい中、お時間をつくってくださり、ありがとうございます!
今日お話を伺わせていただいたのも、キーデザインは多くの方のご寄付によって成り立っている団体なので、支援者さんの想いも重要だなと思いまして。
「いえいえ!私もそんなに支援経験が豊富なわけではなくて、キーデザインさんが初めての寄付先です。
栃木のユースサポーターズネットワークさん(若者の起業をお手伝いする団体)のFacebookページで活動を知ったのが、最初の接点です。」
-なるほど!もともと教育や不登校などのテーマに関心があったんですか?
「そうそう、大学で教職を取ったのもあって、キャリア支援に特に興味がありました。
今働いている市役所も当初は”教育行政がやりたい!”って思ったんです。」
-そうだったんですね!寄付をする、何かきっかけがあったんですか?
「実は、九州で災害があった時にふるさと納税をしたんです。
その時、寄付って思ったよりハードルが低いんだなぁって。
土橋さんから直接お話が伺えるイベントに参加したことも背中を押して、キーデザインのサポーターになりました。」
-ちょっと答えづらいかもしれないんですけど、寄付した後、お礼ってありました・・?
「もちろん!団体から届いた冊子に、土橋さんの直筆でお礼が添えてあって、ほっこり嬉しくなりました。
寄付するまでは「不登校」について、報道で知る部分が大きくて、生の情報を知ることはできませんでした。
でも、キーデザインや土橋さんの発信を通じて普通の子どもたちがそういう状況にあると知れましたし、寄付をすることで問題が身近に感じられるようになりました。
私が思ってたよりずっと、保護者もしんどいんだなと。」
-確かに…!今まではニュースの中の出来事だったことが、よりジブンゴトになった気がします…!
最後に:”キーサポーター”を大募集中です!
そんな訳でキーデザインでは、活動を寄付で応援する「キーサポーター」を大・大・大募集中です!
寄付を検討されている方に向けて、代表の土橋さんからメッセージが届いています。
寄付のお申し込みはこちらから↓
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お子さんの不登校のことで悩みを抱える保護者向けに、LINEで相談支援も行っています。
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![鈴木大悟](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/123560594/profile_5193c973d913de7a54e0f801412c5f25.png?width=600&crop=1:1,smart)