地方スタートアップこそ参加必須。今まで相手にされなかった投資家に出会えたというKOKYU 堀さんに迫りました。
株式会社KOKYUのこれまで
ーー堀さんがKOKYUを起業された経緯を教えてください。
KOKYUで起業は5回目になるんですが、これまではスタートアップというよりはスモールビジネスを何度か立ち上げてきました。
以前はベトナムで飲食やPRの事業を立ち上げていましたが、コロナ禍に入ってからは社会の役に立つ事業をやりたいと考えるようになり、そのころに今の妻と出会いKOKYUを立ち上げました。
ーー堀あかねさんはKOKYU社のCOOでもありますね。
はい、”夫婦スタートアップ”という感じでやっています。(笑)
仕事と家庭の垣根はなく、子供もいるので常に連携しながらです。
ーーあかねさんのお悩みがキッカケでKOKYUの事業が始まったと伺っております。改めて事業内容をお伺いしてもよろしいでしょうか。
女性の悩み、たとえばニキビひとつをとっても、食生活や睡眠、ストレス、化粧品が合ってなかったり、人によって様々な原因があることを知りました。さらにいえば、女性はひと月のうち3分の2が不調と言われていて、そうした環境下で日々戦っているということを知り、これの解決を一生涯のビジネスにしたいと思い起業しました。
そういった方に合わせるためには”究極のパーソナライズビジネス”を提供するしかないですし、最も近道で最も遠回りで果てしないというビジネスをやっています。
YES/NOの二択で導き出されるような簡単な商品提案ではなく、1000種類近い商品やサービスを先んじて開発し、全国に店舗を構えお客様の情報を収集し続け、ライフステージに沿った提案をし、その人の未来を予測できるようなライフデータを収集し続けるという事業をやっています。
ーー「言うは易く行うは難し」に真っ向から挑戦されていますね。
売れるか分からないものを先に投資し、オフラインのタッチポイントを作るというのはまさにチャレンジングです。
全商品がマーケット志向ではなくプロダクトアウト志向なので、作り続けていく大変さも日々感じています。
ーーコロナ禍での起業を経て、現在のKOKYUのご状況を教えてください。
起業してから3年が経ち、正社員が38名いて僕以外が全員女性です。
女性が正社員として、妊娠や出産のライフステージを歩めるように、育休や急に働けなくなるといった事態が起きることを見越してこのような雇用形態を採っています。
ーーForbes JAPANの「WOMEN AWARD」にノミネートされているのも拝見しました。
やっている取り組みが尖っているゆえかもしれません(笑)
「今まで相手にしてもらえなかった人がリアクションをくれた」
ーー昨年のFUNDealの時期は資金調達に向けて動かれていたのですか?
はい、参加した当時は、今年の3月ごろの着金を目指して動いていました。
ただ、結果から先に言うと、現在は自社の売上と融資を組み合わせながら事業を推進することにしています。
FUNDealで色んな方とお話しし、その後もやり取りをする中で見えてきた道筋なので、直接の資本連携以上に学びが非常に多いイベントだったと感じます。
ーー参加するにあたって不安だった点はありますか?
これまでもいわゆる”シードVC”に該当する企業にはほぼ全てコンタクトを取ってみたんですが、私たちの事業領域であるフェムテックやウェルビーイングに理解を示してくれる方との出会い自体がそもそもすくなかったです 。
ゆえに、参加したところで実際にマッチングできるのかという不安はありました。
ーー実際は十数社との面談を行っていずれも実りがあったと伺っています。事前の準備に秘訣はありましたか?
イベントへの期待度が高かったので、マッチングサイトがオープンした初日から動こうというのは決めていました。投資領域やVC・CVC・事業会社など…いろんなフィルターを試しながら探しました。
初日に動いた結果、すぐにレスポンスが返ってきたんですよね。
今まで相手にしてもらえなそうな人がマッチング候補としてリストに挙がっていて、自分たちの相手もしてくれないだろうと思ってた人がリアクションをくれました。たとえお断りの連絡でも理由が添えてあったり、何かしらリアクションが返ってきたことに驚き、一気にマッチングの申請を進めました。
ーーOK・NG が分かるだけでも嬉しいんですね。
意外とこういうのは無いですし、多くの方が聞く耳を持ってくれていること自体に驚きました。
お断りの理由も投資ステージや担当領域の違いなど…端的で納得感があるものでした。
ほかにも、先方ができるだけ早く判断ができるように、まず自社のステージや領域を明記したり、ピッチの資料をURLで添付したり、先方もクイックに対応してくれるように心がけていました。
少しでも気になるという方とは面談に進むことが出来ました。
この3年間の中でおそらく初めて、まとまっていろんな方と面談することができました。
「直接会って話すことで生まれる”良縁”」
ーーイベント当日の感想もぜひ教えてください。
大阪出身なんですが、関西のイベントでは出会えないような人たちにも一気に会えたのが嬉しかったです。
特にFUNDealで出会ったとあるキャピタリストさんが、資本提携こそしませんでしたがその後も事業を応援してくれて、相性の良さそうなCVC(事業会社)を何社も紹介してくださって大変助かっています。
ーーその場限りで終わらないのが良いですね。
直接会って話すと、情が湧くんですかね(笑)
これまでの投資面談はずっとWebMTGだったので面談が終わったらそれっきりということも多かったですが、FUNDealで出会った方はSNSでも繋がって今でも継続的にやり取りをしてくれていますね。
シンプルに、会うっていいって思いました(笑)
また、20分という面談時間で、こちらが喋り終えた段階でキャピタリストの中では継続して会話したいと思うか一旦見送るかというのは決まっていくようですね。10分喋っては10分で回答を貰うというような流れでした。
ーーほかにも印象的な出会いはありましたか?
とある金融系VCのキャピタリストの方が5分くらいで「わかった、わかった」という感じで(笑)。その方いわく、継続して話を進めたい気持ちにすぐなったようで、後日じっくりと会話する機会を頂きました。
ーーオフラインだと起業家さんの話し方や振る舞い、人間性が伝わるというのもあるかもしれませんね。
FUNDealで出会った人だと、「引き続きよろしくお願いいたします。」と終話してくれている方が殆どで。
愛のあるフィードバックをきちんともらえたり、ちゃんと聞いてくれているというのが嬉しいと思いました。
「FUNDealで事業の方向性が決まった」
結果的には、その企業からは投資を受けない形で事業を進めることにはなったのですが非常に有意義だったと感じています。投資を受ける・受けないが決まっていない状態でも、自分の事業について話す、フィードバックを貰うというのは非常に重要ですし、それをまとめて出来るというのがよかったです。
ーーあらためてFUNDealの魅力を教えてください。
自分たちが目指すビジョンがあり、そこに資金が当然必要となり、彼らがどうしてお金を出したいと思うのか、どうなったらお金を出したいと思ってくれるのかなど、客観的に見つめなおすことができました。
冒頭話したように、現時点ではエクイティファイナンスは行わない想定ですが、より事業にアクセルを踏みたいと思ったタイミングですぐに相談できる人がたくさんできたというのが何にも代えがたいです。
直接会って色々アドバイスをもらえるだけでも地方のスタートアップにとってはプラスでしかないのでぜひ積極的に参加すべきだと思います。また、「自分のビジネスモデルなんて…」「流行りの領域ではないが成し遂げたい」という方にこそ来てほしいです。
やり方の工夫は必要かと思いますが、確実に人に会えるイベントですしコスパが良いイベントだと思います。
どんどん参加者が増えていきますし、開催前日までマッチングサイトをくまなくチェックしてチャンスを拾いに行く姿勢が大事だと思います。
FUNDealがきっかけで、事業をグロースさせる方向性を見つけた堀さん。
また、東京開催ならでは出会える会社の人もいるということで、地方スタートアップ企業の皆さまも、ぜひFUNDealをご活用くださいませ。
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インタビュアー:Sansan株式会社 本藤美波、株式会社StartPass 小室直也
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