見出し画像

【マッチレビュー】Bリーグ 23-24 B1第1節 GAME2 宇都宮vs群馬

ロスター

宇都宮ブレックス

※ボックススコアを参照ください

群馬クレインサンダーズ

スタメン

宇都宮ブレックス

群馬クレインサンダーズ

試合結果とボックススコア

1Q 宇都宮 30-16 群馬

2Q 宇都宮 38-28 群馬 (宇都宮 8-12 群馬)

3Q 宇都宮 63-53 群馬 (宇都宮 25-25 群馬)

4Q 宇都宮 77-63 群馬 (宇都宮 14-10 群馬)

試合展開

GAME1に引き続き、両チーム共にマンツーマンを敷く。立ち上がりの早い時間での宇都宮は、得点後にオールコートのプレスをかけ群馬にオフェンスの時間を使わせることで、試合の主導権を掴みにいく。

一方の群馬はハーフコートディフェンスにおいては高い位置からダブルチームを仕掛けながら、スイッチは多用せずブリッツからのリカバーはチーム全体でのローテーションを選択。これに対する宇都宮はフォトゥのスクリーンからのピック&ロールを起点に、外角から群馬のローテーションよりも速くパスを回すことで攻略。群馬ディフェンスのリカバーが間に合わずに空いたスペースを突くことで、オフェンスを優位に展開していくことになる。

セカンドユニットにおいては、ハーフコートでの2-3のゾーンへ切り替えた宇都宮。GAME1で両チーム最多となる22得点を記録したベンティルに対してはペイント内で2人以上が対応することで、群馬のセカンドユニットの核を潰しにかかる。宇都宮のポゼッションの局面においては、こちらも2-3ゾーンを敷いた群馬のディフェンスに対し、1Qで3本の3ptを決めた渡邉を筆頭に3ptを次々と沈めて突き放すことに。

1Qではほぼダブルスコアと、完全に試合の主導権を宇都宮に握られた群馬。2Qではメンバーをスタメンへ戻すと、ペイント内でのディフェンスにまず注力する。宇都宮のウイング陣にペイント内へ進入させないことを第一として、アウトサイドシュートが落ちた際のディフェンスリバウンドを確実に押さえることで試合のペースをダウン。オフェンスにおいては並里の3ptを皮切りに7-0のランに成功するなど、徐々に流れを引き戻しにかかる。

2Qは群馬が試合のペースをスローダウンさせることにひとまず成功するものの、宇都宮はメンバーをスタメンへ戻すと、このユニットにおいてはゾーンではなくマンツーマンでのヘルプ&リカバーを徹底することで、両チーム共に得点が止まることになる。

10点差で折り返した後半は、開始から両チームともメンバーをスタメンへ戻す。2Qに引き続きディフェンス強度を高くする群馬ではあったが、エドワーズへのアンスポーツマンライクファールから宇都宮が7点のランに成功するなど、試合の主導権は再び宇都宮が握ることに。

一時は15点差と苦しい状況になった群馬ではあったが、タイトなディフェンスはそのままに、3Qの中盤からはオフェンスをアウトサイドから再セット。辻とベンティルが連続で3ptを決めると、今度はファストブレークからパーカーのフォローアップシュートも決まり、反撃体制を整えていく。

この間の宇都宮は、セットオフェンスにおいてはニュービルの1on1を軸に3ptで加点。渡邉もこの試合で5本目となる3ptを沈めるなど、アップテンポなペースからの群馬の追い上げに合わせるように自らの得点のペースを上げ、群馬に点差は縮めさせず。3Q終盤の群馬はベンティルのファールドローからのフリースローで着実に加点し、点差を縮めるまでには至らないものの、突き放しにかかる宇都宮には10点差で食らいつき4Qへ突入。

追い上げたい群馬はバックコートのディフェンスから宇都宮へプレッシャーをかけていく。フリッピンのスティールからのファストブレーク。さらには速いリトリートから宇都宮のカウンターを止めた菅原がそのまま3ptを決めるなど、激しいディフェンスから徐々に反撃していくことになる。

しかしながらこれまでの反撃の芽はことごとく詰んできた宇都宮は譲らない。残り6分でフリッピンのジャンプシュートが決まって66-60と群馬がフル2ポゼッションまで迫ってきた局面においても、冷静に落ち着いて試合を進める。遠藤のスクープショットからフォトゥがフォローアップシュートを決めると、次のポゼッションにおいてはジェレットのキックアウトから遠藤が3ptを沈めるなど、勝負所を見極めた宇都宮がすぐさま点差を二桁点差へ戻すことに。

残り時間との戦いにもなり追い込まれた群馬は、ここ一番でのハーフコートオフェンス精度が不足。逆に宇都宮は比江島がペネトレイトから追加点を決め、試合を確実にクローズ。白熱の北関東ダービーはホームの宇都宮が2試合連勝で23-24シーズンをスタート。アウェイの群馬はスタートで連敗を喫した。

雑感

GAME1に引き続きGAME2も1Qから主導権を握った宇都宮。オフェンス力に強みのある群馬の反撃の芽はことごとく摘み取り、試合巧者ぶりを見せつけることに。

まずはGAME1で差が付いたリバウンドスタッツの比較。

リバウンド
宇都宮 43(OR17,DR26)
 群馬 36(OR11,DR25)

ここぞというところでは、ディフェンスリバウンドにおける宇都宮のボックスアウトが光り、群馬のオフェンスリバウンドは外へ押し出されていたように見受けられたものの、14本の差がついたGAME1からは群馬がやや持ち直した印象だ。

一方GAME1では大きな差が開かなった3ptについては、

3pt
宇都宮 42.9%(15/35)
 群馬 29.4%(5/17)

と、渡邉83.3%(5/6)、ニュービル44.4%(4/9)を筆頭に、GAME1から確実にアテンプトと成功数を増やしてきた宇都宮が、群馬に対して大きく穴をあけることになった。宇都宮はセカンドユニットにおいては2-3ゾーンでベンティル対策を打ってきたことに加え、アウトサイドからのオフェンスセットにおいても再度パターンを修正。攻守両面において、GAME1からの修正をかけてきた印象を受けた。

群馬としてはGAME1からリバウンド面での改善は見られたものの、ハーフコートオフェンスにおけるアウトサイドからのデザインはまだ発展途上。辻、ジョーンズ、ベンティルといった外角からのシュート力のある選手たちを抱えつつ、オープンを作る動きには終始苦戦するなど、彼らの能力を最大限生かすチームオフェンスの練度は、まだまだこれからと言ったところだろうか。

連敗スタートを喫した群馬。次節はホームであるオープンハウスアリーナで仕切り直し。ホームファンの声援を後押しに"臆するな、強く突き進め"のチームスローガンの通り、力強いカムバックでB1初勝利を掴みたい。

いいなと思ったら応援しよう!