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【マッチレビュー】Bリーグ 23-24 B1第5節 GAME2 群馬vs茨城

ロスター

群馬クレインサンダーズ

茨城ロボッツ

スタメン

群馬クレインサンダーズ

茨城ロボッツ

試合結果とボックススコア

1Q 群馬19-18茨城

2Q 群馬29-34茨城 (群馬10-16茨城)

3Q 群馬52-49茨城 (群馬23-15茨城)

4Q 群馬67-66茨城 (群馬15-17茨城)

オプアリ着雷&今日はここから

※現地観戦しました

試合展開

8連敗と苦しい中で何としてもリーグ戦初勝利が欲しい茨城と、ホームで是が非でも連勝したい群馬。ハーフコートマンツーマンを敷いた両チームのディフェンスの強度は、開始直後から非常に高く入った立ち上がりとなる。

1Qでの茨城のオフェンスは、前日にはやや攻略に手を焼いたペイントエリアでのアタックがメイン。スタメンのユニットにおいてはブラント、タプスコットが、セカンドユニットにおいてはケネディが代わる代わるローポストへと進入し、2ptずつ得点を重ねていく。

対する群馬はハーフコートにおいて辻を中心としたセットをファーストオプションとしながらも、局面によって柔軟なオフェンスを展開。辻が3ptを沈めれば、ファストブレークで速い展開からは並里→パーカー。さらにはローポストの連携でターズースキー→パーカーでファールドローからのフリースローを得るなど多彩な攻撃オプションを見せ、序盤にリードする展開に。

群馬のオフェンスに対して茨城はハーフコートで2-1-2のゾーンを敷き、ウイングとローポストの両方をケアしつつ、ボックス内ではダブルチームに行くことで群馬に対するプレッシャーを強めていく。セカンドユニットの群馬は茨城のゾーンには手を焼き得点が停滞する一方で、茨城はタプスコット、鶴巻のアタックやケネディの3ptで加点し、群馬との差を縮める事になる。

2Qにおいては一転、オフェンスの歯車が今一つ噛み合わなくなった群馬がペースダウン。大庭、鶴巻、ブラントらの連携を中心にパス&ランが機能すると共に、タプスコットのアタックも光った茨城が群馬に追いつき、逆転に成功する。

群馬は辻の3pt、茨城は中村、山口のファールドローからのフリースローなどでリードチェンジを繰り返しつつ、セカンドユニットのオフェンス精度に分がある茨城が主導権を握る事に。両チーム共にディフェンスの強度は高く保ったまま、オフェンス精度の差を見せた茨城が5点をリードして前半を折り返す。

後半は両チーム共にスタメンに戻すと、こちらのユニットにおいては攻守共にハーフコートでの強度に一日の長がある群馬が盛り返していく。オフェンスにおいては好調の八村が3ptとプルアップジャンパーで連続得点すれば、ディフェンスでは2-1-2ゾーンを敷き茨城のオフェンスをシャットアウトしていく。

3Q前半を勝負所と捉えた群馬は、残り5分を切ってもセカンドユニットへの切り替えをせず、辻→フリッピンの入れ替えのみでスタメンのユニットで強度を維持する。並里のお膳立てからのターズースキーのダンク、オープンでの八村の3ptでリードを広げ、茨城にリードチェンジを許さない。残り3分の場面で群馬は菅原とマーフィを投入しつつ、八村とターズースキーをコートに残すなど、スタメンとセカンドユニットを融合させたタイムシェアを見せる。

茨城はすかさず、セカンドユニットにおける群馬に対する編成上のアドバンテージを最大限生かしに行く。ケネディ、タプスコット、ヒサタケのオンザコート3で勝負をかけると、タプスコットの1on1、さらには大庭のフリースローなどで逆転。再びリードチェンジで試合を揺さぶりにかかる。

3Q終盤においては群馬のセカンドユニットも意地を見せる。ファストブレークからフリッピンがダブルクラッチで仕上げると、茨城のポゼッションにおいては24秒ショットクロック切れに追い込むことに。終了間際には野本のアタックをリバウンドでフォローしたマーフィが追加点を決め、52-49の群馬3点リードで4Qへ。

両チームともに固いマンツーマンディフェンスを敷いた4Q。2分が経過した場面で並里のジャンプシュートが決まり、群馬が先に均衡を破ることになる。ここから試合のテンポがアップし、中村のアシストから鶴巻のバックドアカットで茨城が返すと、群馬は並里が連続でジャンプシュートを決めるなど打ち合いの展開へ。群馬は並里、フリッピン、茨城はタプスコット、ブラントが決め、4点差でオフィシャルタイムアウトを迎えることに。

オフィシャルタイムアウト明けに攻勢に出た茨城は、タプスコットのフリースローで2点差とすると、ディフェンスにおいては2-3ゾーンでペイントエリアを死守。さらには直後の山口の3ptで逆転に成功したかに思われたが、群馬の水野ヘッドコーチによるチャレンジによって2ptの判定となり、残り3分を切った場面で61-61の同点に。

パーカー、八村、ターズースキーの3人が4ファールとなり後がなくなった群馬であったが、残り時間を鑑みてメンバーは替えず、勝負をかけにいく。並里→ターズースキーでゴール下からのシュートが決まり2点差に。対する茨城は、2-3ゾーンを敷く群馬の並里のエリアでタプスコットが勝負し、ミスマッチを突きにいく。残り39秒の場面でタプスコットがバスケットカウント&ワンスローを沈め、茨城が63-64と逆転に成功。

群馬も残り23秒の場面で並里のシュート性のパスからターズースキーがアリウープを押し込み、65-64とすぐさま再逆転する。事実上ラストのポゼッションとなった茨城もここ一番での集中を見せ、ブラントがアタックからファールドローによりフリースローを得ると、この2本を確実に決め残り12秒の場面で茨城がまたも逆転に成功する。

オープンハウスアリーナで負けられない群馬は、ラストプレーに全てを掛ける。並里のジャンプシュートがリングに弾かれた所をデュオの相方ターズースキーが左手で押し込み、最後の最後で逆転。1点差でリードチェンジを繰り返す死闘を制し、大きな価値のある連勝を掴み取ることになった。

雑感

終盤に1点差でのクロスゲームという死闘。制した群馬にとっては値千金となる1勝。敗れた茨城にとっては連敗脱出のチャンスを逃す悔しい1敗となった。

リバウンドにおいては、群馬35-47茨城とGAME1以上に差が開くことに。前半はセカンドユニットにおけるリバウンドの優位性を多いに生かした茨城であったが、3Q終盤にはフリッピンのダブルクラッチ、野本のアタックをフォローアップしたマーフィのシュートなどで群馬のリードチェンジを許すなど、後半の群馬のセカンドユニットの粘りが茨城の思惑を外すことに寄与した点が、この試合における群馬の勝因の1つと言っていいのではないだろうか。

26得点を叩き出し茨城のオフェンスを牽引したタプスコットを筆頭に、最終盤まで群馬を追い込んだ茨城の執念は凄まじく、はるばるアウェイに乗り込んできたこれまた凄まじい熱量のブースターと共に、開幕から続く連敗を是が非でも止めたいという必死のエナジーをヒシヒシと感じることに。リバウンドやルーズボールに果敢に飛び込んでいくその姿勢は、間違いなくチームの現在地がこのクラブに似つかわしくないものであることを証明するものであったはずである。

迎え撃った群馬としても直近の状況は非常に苦しく、それだけに両チームの執念がぶつかる特別な北関東ダービーとなった。群馬ファンとしてチームと一体となり、この特別な試合を一緒に戦えたことに感謝したいと思う。両チーム共に本当にお疲れさまでした。

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