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【移籍情報】23-24 ベン・ベンティル選手の群馬クレインサンダーズ入団について

※本記事は全て筆者の個人的感想のため注意⚠️
筆者が視聴したプレーは、プレー集ハイライトのみ。フルマッチ視聴されている方がもしもいらっしゃれば、そちらの方が参考になるかと思います。

あくまでチラシの裏側に書くかわりにnoteに書いている個人的雑感のまとめですので、あらかじめご承知おきください!

ベン・ベンティル選手のプロフィール

クラブ公式発表はこちら↓

氏名    :Ben Bentil(ベン・ベンティル)
国籍    :ガーナ
生年月日  :1995年03月29日
年齢    :28歳(記事投稿時点)
身長    :206cm
体重    :107kg
ポジション :PF

NCAAでプレー後、プロ入り。2016-17にはダラス・マーベリックスの選手としてNBAのコートに立っている。

以降はヨーロッパのチームを渡り歩き、直近2シーズンはイタリアのオリンピア・ミラノ、トルコのバフチェシヒル、セルビアのレッドスター・ベオグラードに所属。

206cmの体格を有するビッグマンながら、高精度の3ポイントシュートが打てる。ストレッチ4、ストレッチ5に対応可能なPF/C。というのが第一印象。

ちなみにNBA.comのドラフトプロフィール(下記リンク参照)には、ウィングスパンは7フィート1.5インチ(=217cm)との記載あり。

直近2年の基本スタッツ

スタッツの参考元はこちらです↓

21-22シーズン

レギュラーシーズン
※前半8試合はトルコのバフチェシヒルでプレー
所属   :オリンピア・ミラノ(イタリア,セリエA)
GP   :17試合
MINPG:18分48秒(小数点表記の換算値のため参考)
PPG  :10.2得点
FG%  :49.6%
      (3FG%:36.7%,FT%:70.7%)
RPG  :4.5リバウンド
      (OR:1.1,DR:3.5)
APG  :1.1アシスト
SPG  :0.6スティール
BPG  :0.1ブロック
TO   :0.8

ヨーロッパコンペティション
所属   :オリンピア・ミラノ(ユーロリーグ)
GP   :23試合
MINPG:15分42秒(小数点表記の換算値のため参考)
PPG  :5.6得点
FG%  :45.3%
      (3FG%:40.8%,FT%:61.9%)
RPG  :2.4リバウンド
      (OR:0.6,DR:2.6)
APG  :0.2アシスト
SPG  :0.7スティール
BPG  :0.1ブロック
TO   :0.8

22-23シーズン

レギュラーシーズン
所属   :レッドスター・ベオグラード(セルビア,ABAリーグ)
GP   :20試合
MINPG:16分42秒(小数点表記の換算値のため参考)
PPG  :9.4得点
FG%  :51.1%
      (3FG%:39.2%,FT%:93.8%)
RPG  :3.1リバウンド
      (OR:0.8,DR:2.4)
APG  :1.3アシスト
SPG  :0.6スティール
BPG  :0.2ブロック
TO   :1.3

ヨーロッパコンペティション
所属   :レッドスター・ベオグラード(ユーロリーグ)
GP   :30試合
MINPG:20分12秒(小数点表記の換算値のため参考)
PPG  :8.4得点
FG%  :44.8%
      (3FG%:37.5%,FT%:72.1%)
RPG  :3.8リバウンド
      (OR:1.2,DR:2.6)
APG  :1.1アシスト
SPG  :0.7スティール
BPG  :0.2ブロック
TO   :1.4

3ポイントシュートのスタッツについて

21-22
レギュラーシーズン...36.7%(18/49)
ユーロリーグ... 40.8%(20/49)

22-23
レギュラーシーズン...39.2%(20/51)
ユーロリーグ...37.5%(27/72)

3ポイントシュートのスタッツはどうだろう。PF/Cのビッグマンとしては多くのアテンプトがありながら、概ね36%〜41%と精度が非常に高いことが印象的。

3ポイントシュートのバリエーションも豊富。ボールホルダーのマークマンにスクリーンをかけに行き、PnP(ピック&ポップ)でポップアウトしてから打つパターンもあれば、コーナー待機でキャッチ&シュートするパターンもあり。場面によっては、ステップバックしてのシュートも打てる。

プレー集を見て受けた印象としても、ストレッチ4、ストレッチ5的な動きが出来る現代型PF/C(パワーフォワード/センター)の選手、という意味ではスタッツから読み取れる印象と一致している。

プレータイムとチームで任される役割の予測について

ベンティルのMINPG(1試合あたりの平均プレータイム)は、直近の22-23シーズンにおいてレギュラーシーズンではおよそ16分42秒、ユーロリーグではおよそ20分12秒くらい(小数点以下は換算値のため丸め誤差あり)。

参考までに、22-23シーズンのジャスティン・キーナン選手(昨季限りでの退団)のMINPGは20分39秒。

スタッツに基づいて考えれば、外国籍で同ポジション(PF/C)でもあるキーナンのプレータイムを、そのままベンティルへ移行することで、スムーズにフィットさせることは可能である。

群馬クレインサンダーズは22-23→23-24へ向けての外国籍および帰化枠について、ロスターの入れ替えはキーナン→ベンティルのみ。このことを考慮すると、ベンティルの起用法はキーナンの起用法をベースにするであろう、という予測が立つ。

ラストピースとなる新規外国籍選手をオンザコート編成の観点から考える

※この節は特に主観強めです。

↑は日本国籍(帰化枠のマイケル・パーカー選手含む)の継続契約、新規契約が出揃った時の筆者の感想。

↓はケーレブ・ターズースキーとトレイ・ジョーンズの継続契約が決まった後の感想。↑の感想を掘り下げてみている。

Bリーグにおいてはご存知のとおり、外国籍選手はオンザコート2名まで(帰化枠の選手は制限がない)というルールが定められている。

ともすればオンザコート編成の観点から考えた時、

・ターズースキーとタイムシェア(ポジション争い)が出来る程のインサイドの強さを有するセンター(=パーカー、ジョーンズと共存可能)

・クイックネスを有し、ターズースキーともオンザコートで共存出来るハイレベルなストレッチ4的パワーフォワード

ロスターのラストピースとなる新規外国籍選手に対しては、大きくこの2つを満たすような難しい要件が求められると推測されていた。

キーポイントはケーレブ・ターズースキー選手とのタイムシェアとインサイドのディフェンス

既に23-24シーズンの契約(継続)が決まっているケーレブ・ターズースキー選手とのタイムシェアと、インサイドのディフェンス面が、個人的に考えるキーポイント。

ターズースキーは212cm/111kgのセンター。プレースタイルはというと、ディフェンスにおいてはリムプロテクター。オフェンスにおいては強靭なフィジカルを生かしたペイントエリア内でのアタックが持ち味。

反面、アウトサイドシュート(特に3ポイントシュート)はアテンプトが無く、ノンシューターという位置付け。(23-24シーズンはわかりません、あくまでも22-23シーズンの話)

前述のプレータイムの項でも述べた通り、ベンティルは基本的にはこれまでキーナンが担っていた役割。すなわちセンターとしてターズースキーとの入れ替わりでプレータイムをシェアしつつ、ターズースキーとオンコートで共にプレーする際にはパワーフォワードを担う役割が期待される。

ターズースキーとオンコートで共にプレーする想定については、インサイドでゴリ押せるパワーが強みのターズースキーと、ユーロリーグというハイレベルなコンペティションにおいてもアウトサイドシュートの優秀な実績を残しているベンティルの共存は問題ない。そもそも2人は21-22のオリンピア・ミラノで共にプレーしており、インサイドでコンビを組む選手同士として、パートナーシップには期待できる。

一方で、ターズースキーと入れ替わってセンターとしてのプレーが出来るかどうか。こちらが最大のキーポイントになるのではないだろうか。

22-23の群馬クレインサンダーズのロスターにおいては、ターズースキーを除いたチームの最長身はキーナンと野本の201cm。ゆえにターズースキーがベンチへ下がった際のサイズ不足と、インサイドのディフェンス強度については、チームにとっての課題の一つとなっていた。

ベンティルの206cm/107kg、しかもウイングスパンおよそ217cmという体格は、ターズースキー不在の時間のサイズ不足の不安を解消出来る可能性を秘めている。プレー集を視聴した限りでの話しにはなるが、オフェンスでは3ポイントシュートのみならず、ローポストでのプレーも多彩かつ強力。ストレッチ5的な現代型センターとして大いに活躍が期待できるはずだ。

あえて懸念点を挙げるとすると、リムプロテクターとしてのインサイドのディフェンス強度だろうか。

ベンティルの平均シュートブロック数のスタッツを見てみると、直近の22-23のレギュラーシーズンとユーロリーグでは共に平均0.2ブロック。21-22はレギュラーシーズンとユーロリーグ共にこちらは平均0.1ブロックである。

ブロックのスタッツが全てでは無いが、ターズースキーがコートに不在の時間においては、ベンティルがセンターとしてインサイドのプロテクトを任されることを考慮すると、ブロックのスタッツについては更なる向上に期待したいところ。

また、スターティングメンバーに、水野ヘッドコーチがターズースキーとベンティルのどちらを選ぶかという点も注目したいポイントだ。

オンザコート編成の関係上、最大出力を考えた時、新シーズンも基本的にはスタメンにパーカー、ジョーンズを選ぶであろうことは想像に難くない。おそらくではあるが、スタメンに入るのはターズースキーかベンティルのいずれか一方になる可能性が高いのではないだろうか。

ターズースキーとベンティル。もちろん試合の中で共存する時間も多分にあるには違いないが、彼らのポジション争いとタイムシェアというベンチワークからも目が離せない。

総評、雑感

ユーロリーグという高いレベルのコンペティションにおいてコンスタントに実績を積んで来た28歳のPF/C(公式ではPF)。プロフィールのみ見ても、不安より期待の方が圧倒的に勝るというのが第一の感想である。

スタッツからもわかる通り、ストレッチ4としての3ポイントシュートには特に大きな期待がかかる。それだけではない。プレー集を視聴した限りで言えば、オフェンスにおいてはローポストからのバックダウン、スピンムーブ、ターンアラウンドジャンプショットはいずれも力強さ、高さ、上手さ、速さを存分に兼ね備えている。アウトサイドシュートのみならず、インサイドプレーヤー本来のペイントエリア内でのプレーについても、非常にハイレベルな印象を受けた。

率直な感想を言うと、ベンティルの獲得は"これ以上ない理想的な補強"。あえて挙げる懸念点はキーポイントの節に書いた通り、ターズースキーと入れ替わってプレーする際のインサイドのディフェンスとタイムシェアだろうか。

16-17にGリーグのフォートウェイン・マッドアンツで共にプレーしたジョーンズとの共演。さらには、依然としてインサイドで大きな支配力を持つパーカーの存在を考えれば、その懸念も杞憂となるかもしれない。

23-24のロスターにおいてラストピースとなったベン・ベンティル。継続路線をベースとするチームにおいて、大型の新規外国籍選手となった彼が、群馬クレインサンダーズのチームメイトと共にどのようなシナジーを生み出し、文化を作っていくのだろうか。新シーズンのチームに注目していきたい。

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