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【マッチレビュー】Bリーグ 23-24 B1第2節 GAME1 群馬vs横浜BC

ロスター

群馬クレインサンダーズ

横浜ビー・コルセアーズ

スタメン

群馬クレインサンダーズ

横浜ビーコルセアーズ
※上記のロスター欄参照

試合結果とボックススコア

1Q 群馬30-24横浜BC

2Q 群馬54-43横浜BC (群馬24-19横浜BC)

3Q 群馬80-72横浜BC (群馬26-29横浜BC)

4Q 群馬100-91横浜BC (群馬20-19横浜BC)

試合展開

ターズースキーのペイントアタックと辻の3ptで7-0のランに成功した群馬が、オープンハウスアリーナ太田でのホーム開幕戦でスタートダッシュに成功する。

両チーム共にハーフコートでのマンツーマンでスタートする中、横浜BCのオフェンスは河村とユトフのPnRを起点に展開。標榜するアップテンポなバスケというテーマ通り、立ち上がりから積極的にペイントアタックを仕掛けていく。

1Qから制空権を握ったのはホームの群馬。横浜BCのアウトサイドからのシュートに対して確実にディフェンスリバウンドを回収すれば、積極的なオフェンスリバウンドからセカンドチャンスを生み出すことで試合を優位に進めることに。

落ち着いたペースでゲームを組み立てるスタメンからメンバーチェンジし、一転アップテンポなセカンドユニットでペースの変化をつける群馬。対する横浜BCは、セカンドユニットにおいてもスタメンと同じくこちらもアップテンポなバスケを貫き、セカンドユニット同士の時間は試合がハイペースに進んでいく。群馬は菅原の3pt、八村のバスケットカウントが決まれば、横浜BCは森井、大庭が3ptを射抜くなど、激しいディフェンスの中でも試合は撃ち合いの様相を呈する。

1Qを6点リードした群馬は、2Qにスタメンからパーカー→野本にチェンジしたメンバーを送り出す。コーナーに待機する辻が横浜BCのディフェンスを引き付けつつ、インサイドのスペースに対してはターズースキーと野本のハイローで攻めるオフェンスが機能。群馬のディフェンスに対するクリティカルな崩しを模索する時間の横浜BCに対し、インサイドとアウトサイドがバッチリ噛み合った群馬が2Q残り4分で20点リードと突き放すことになる。

当然このままでは終わらない横浜BC。タイムアウト明けからオフェンスのセレクションをペイントエリアへのアタックへ切り替え、積極的にリムへ走ることで群馬のファールを誘いながら、フリースローで粘り強く加点。ディフェンスにおいてはベンティルが面を取るローポストを重点的にケアし、ディナイからのインターセプト→ファストブレークで得意のランニングゲームに持ち込むと、ハーフコートでは河村を中心に徹底的にリムアタックするテンポアップを見せ、追撃態勢を整えていく。

群馬リードの11点差で折り返した後半は、開始から両チーム共にスタメンへ戻す。スタメンにおいてはセットしたオフェンスからの丁寧な組み立てにフォーカスする群馬。アウトサイドから辻の3ptで仕上げれば、ツーメンゲームとエンドラインからのインバウンズでパーカーがペイント内から得点するなど、中と外からリズムよく得点を重ねる。対する横浜BCは、前半最後のリムアタックしていくオフェンスからはセレクションをチェンジ。ユトフの連続3pt、須藤、河村の連続3ptが決まり、アウトサイドからの得点を沈める事で、群馬に対して食らいついていくことに。

後半はオフェンスでジョーンズにボールを集めた群馬は、彼の1on1を起点として、マンツーマンを敷く横浜BCのディフェンスに対しマークのズレを作ることで、インサイドの空いたスペースへアタック。17点差と再びリードを広げることに成功する。

だが3Q終盤は横浜BCがやり返す。2-1-2のゾーンを敷きウイングとローポスト周辺のエンドライン沿いをケアすることで群馬のインサイドへのアタックを封じ得点をストップすると、オフェンスにおいては河村のファールドローからのフリースローとユトフ3ptで追撃。3Q終了時点では横浜BCが一桁の8点差まで追い上げることに。

4Qは開始からは、両チームともボールポゼッションから得点を応酬。群馬はインサイドからはベンティルのアタック、アウトサイドからは辻の3ptで得点を積み上げる。対する横浜BCは河村がベンチに下がりながらも、オリバーを起点にキング開、ユトフがゴール下シュートを決め、10点前後の点差の中で試合は進んでいく。

4Q序盤の大事な時間においては、辻をボールホルダーとしたオフェンスセレクションを徹底した群馬。自ら3ptシュート、ジャンプシュートを決めれば、ペイントまでボールを持ち込んでディフェンスを引き付けてからターズースキーの得点をお膳立てするなど、辻が中心となってオフェンスを動かすことで14点差まで点差を広げ、局面での主導権を手繰り寄せていくことになる。

横浜BCは残り6分で河村をコートに戻すと、タイムアウト明けにトップオブザキーから河村がディープスリーを決め、最後の追撃にかかる。ホームで負けられない群馬は、河村のペネトレイトに対し東海大学の先輩でもある八村が目の覚めるようなシュートブロックを見せるなど、ここ一番でハイインテンシティなディフェンスを敷くことでゲームをコントロールしていく。

国際試合での死闘も経験し、怯まない河村は果敢なペネトレイトからキックアウトで西野の3ptを演出し、躍進したAkatsukiJpanの司令塔としての矜持を見せる。オフィシャルタイムアウト明けには群馬も反撃。ジョーンズのペネトレイトから、オフェンスリバウンドに飛び込んだターズースキーがそのまま押し込み10点差とすると、エンドラインからのインバウンズからはジョーンズが追加点を決め、残り2分半で12点差のリードをキープする。

ユトフのアタックと河村、西野のフリースローが決まり、残り2分を切ったところで横浜BCが再度7点差まで追い上げるも、群馬はここ一番で並里がジャンプシュートを決めると、その後の横浜BCのポゼッションはシャットアウト。100-91で群馬がホーム開幕戦23-24シーズン初勝利を掴むことになった。

雑感

見事な100点ゲームで勝利を収めた群馬。アップテンポなバスケを標榜し攻撃力の高さを見せる横浜BCに対し、ペースを落として試合をコントロールするのではなく、真向勝負で打ち勝った形となった。

群馬の得点内訳はターズースキー20得点、辻17得点、パーカー13得点、並里12得点、八村11得点、ジョーンズ9得点、ベンティル7得点、野本6点、菅原5得点。エースで得点源でもあるジョーンズが9得点(一桁得点)という中で、チームの誰からでも、コートのどこからでも得点が出来たことは大きな収穫と言えるだろう。

横浜BCに対し群馬が真向勝負から勝ち切る事が出来たのは、オフェンスの精度もさる事ながら、制空権を握れたことが一番の要因ではないだろうか。トータルリバウンド数を比較すると、

 群馬 41(OR12,DR29)
横浜BC 28(OR6,DR22)

数字としても群馬が圧倒。得点力の高い横浜BCのセカンドチャンスを防ぎ、試合の主導権を握ることが出来た要因は、9リバウンドと気を吐いたターズースキーを筆頭に、チーム全体でリバウンドの意識を終始高く持てたことに他ならないのではないだろうか。

敗れた横浜BCはというと、制空権こそ群馬に譲ったものの、またも30得点を叩き出した河村、15得点を決めたユトフを初め、攻撃的なスタイルは最後まで貫くことに。3ptは36.8%(14/38)と、群馬の3pt:40%(10/25)に対しアテンプトと成功数では明確に上回ることとなり、セットオフェンスでの修正が加われば、GAME2では異なる試合展開となるかもしれない。

遂にその本領を発揮し始めた辻を中心としたセットオフェンスに加え、GAME1でのプレータイムを14分と力を温存したベンティルの1on1という切り札を残した群馬。逆襲に燃える横浜BCとのGAME2も、GAME1に負けず劣らず白熱した戦いとなるだろう。


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