【マッチレビュー】Bリーグ 23-24 B1第2節 GAME2 群馬vs横浜BC
ロスター
群馬クレインサンダーズ
横浜ビー・コルセアーズ
スタメン
群馬クレインサンダーズ
横浜ビー・コルセアーズ
※ロスター欄を参照ください。
試合結果とボックススコア
1Q 群馬23-17横浜BC
2Q 群馬39-42横浜BC (群馬16-25横浜BC)
3Q 群馬64-58横浜BC (群馬25-16横浜BC)
4Q 群馬81-80横浜BC (群馬17-22横浜BC)
今日はここから
※現地観戦しました。
試合展開
GAME1で100-91というハイスコアゲームを展開した両者。GAME2は共にディフェンスを重視した入りを見せ、共にファールドローからのフリースローで最初の得点を決めるなど、激しいディフェンスから互いのポゼッションを足止めすることになる。
1Qの群馬は、GAME1で猛威を振るったペイントエリアでの勝負ではなく、並里と辻を軸に90°~45°をメインエリアとして、コーナーまでの深さをとらずにオフェンスを組み立てる。ペイントエリアでの徹底したヘルプディフェンスを見せる横浜BCに対し、外角のパスを中心にディフェンスを動かしながら、並里、辻の3ptとジャンプシュート、機を見たジョーンズのペネトレイトなどで横浜BCのディフェンスを揺さぶりながら得点を重ねていく。
横浜BCはというと、GAME1から引き続きトップオブザキーからの河村の1on1を起点にオフェンスを展開。ユトフやスコットのピック&ロールから河村がペイントエリアに進入し、群馬のディフェンスを引き付けてキックアウトする一連の動きの中から、こちらもユトフやキング開の外角でのシュートを中心に得点を重ねることになる。
セカンドユニットに切り替えてからの群馬は、アウトサイドに開いたベンティルと呼応するかのようにインサイドに入った野本がキーマンとなり、ハイポストからのシュートで横浜BCのディフェンスを収縮させれば、今度は外角へ開いた八村が3ptを決めるなど、ベンティルのオンザコート1システムの機動力を最大限に生かして試合をテンポアップ。ディフェンスにおいても機動力を生かした素早いローテーションを見せるなど、1Qで先手をとることに成功する。
2Qにおいては一転してオフェンスのセレクションをベンティルのポストアタック中心に切り替えた群馬だったが、ベンティルのバックダウンに対してはオリバー、ユトフが巧みに守った横浜BCが群馬の攻撃をペースダウンさせ、試合の主導権を握り返す。オフェンスにおいてはオリバーの3ptを皮切りに、中と外の両面において群馬のファールを誘うことで得たフリースローから、着実に点差を詰めていく。
群馬はGAME1に引き続き好調を維持する辻の3ptで反撃するが、河村を起点とした高速のファストブレークを繰り出した横浜BCが追いつくと、オフェンスリバウンドからの展開の中からオリバーの3ptで逆転。群馬もすぐさま並里のペネトレイトやパーカーのファストブレークでやり返すなど、ここから試合はシーソーゲームの様相を呈することに。横浜BCは河村が積極的な仕掛けからバスケットカウント、フリースロー、ジャンプシュートを決めていくと、群馬も負けじとパーカー、ジョーンズが決め返して応戦する。
2Qで河村のブザービーターが決まり、横浜BCの3点リードで折り返した後半。両チーム共にスタメンへ戻す中、辻のバスケットカウント、ターズースキーのボスハンドダンクで勢いに乗った再び群馬が、再び試合の主導権を握る。ジョーンズのペネトレイトで早々に逆転すると、パーカーのファストブレークも決まり、再びリードを取り戻すことに。
食らいつきたい横浜BCは河村が20得点目となるシュートを決めるも、畳みかける群馬はベンティルが連続で3ptを沈めれば、そのベンティルのポストプレーを起点にペイントへ飛び込んだパーカーが仕上げるなど、連動したオフェンスで横浜BCに再逆転を許さない。横浜BCはユトフ、河村のポイントで繋いでいくも、群馬は辻、ベンティル、ジョーンズの得点力を最大限に生かしてリードをキープし4Qへ。
河村を一度ベンチへ下げた横浜BCに対し、4Qも優位に試合を進めた群馬。この試合で群馬のスコアリーダーとなった辻が19得点目を決めれば、青山学院大学の後輩でもある野本が積極果敢なアタックからバスケットカウントを決めるなど、横浜BCに対して10点前後の差をキープする。
たまらず河村をコートに戻した横浜BCは、ファールドローからのフリースローで粘り強く得点し、群馬に対して食らいついていく。残り5分を切った時点では9点差という厳しい状況ではあったが、既に27得点を記録している河村がここから獅子奮迅の活躍を見せる。右ウイングの位置から自ら3ptを決めると、群馬はベンティルが3ptをすぐさまやり返すものの、直後の横浜BCのポゼッションではまたも河村がトップオブザキーから3ptを沈め、群馬を猛追していくことに。得点が停滞し苦しむ群馬に対し、ファールドローから河村がフリースローを決めて2点差とすると、残り1分で河村が今度はペネトレイトからレイアップを決め、横浜BCが77-77の同点に追いつくことに成功する。
ホームで何としても連勝したい群馬は、負傷で交代したジョーンズからエースとしての役割を託されたベンティルがローポストからのバックダウンで押し込み、残り42秒という所で群馬が2点のリードを奪い返す。
このままゲームクローズしたい群馬であったが、横浜BCのエースが立ちはだかる。横浜BCのポゼッションにおいてボールホルダーとなった河村が左45°の位置からクロスオーバーでベンティルを振り切ると、この試合40得点目となる見事な3ptを決め、ラスト33秒で横浜BCが逆転することになる。
この試合に勝ち、ホームで勝率5割に何としてでも戻したい群馬。ここ一番という場面でベンティルが値千金のファールドローで2ショットを得ると、この2本を確実に決め、群馬が再逆転に成功。残り15秒、横浜BCの猛攻をかわした群馬がGAME2を制しオープンハウスアリーナ太田で連勝することとなった。
雑感
雑感と言っても、ほぼ上記のポストの通りの感想が先に立つというのが本当の所。現地観戦をしていて終了のブザーが鳴った瞬間、目に映る限りの群馬ブースターはほぼ総立ちでガッツポーズをしており、オープンハウスアリーナ全体で喜びを共有。その光景が全てを物語る試合だったのではないだろうか。群馬にとってはそれだけ価値のある勝利だったと言える。
それでもあえてレビューをしていくとすると、まず横浜BCについてはGAME1からリバウンドを修正。トータルリバウンドで群馬35-39横浜BCと、GAME2では群馬から制空権を奪い返したことで、試合の展開をGAME1とは異なるものにした。
キャリアハイとなる40得点を叩き出した河村のモンスターばりの活躍は、もはや多くを語る必要すらない。終盤の勝負所では3ptをことごとく沈め、総得点80点の内40得点を1人で叩き出したハイパフォーマンスは、言うならば超Bリーグ級。今シーズンもMVP候補筆頭としてリーグを引っ張っていくことは間違いないだろう。
群馬としては、苦しみながらも昨シーズンCSベスト4の強豪相手に1点差の試合をモノにできたことは、何事にも代えがたい経験に。この試合で群馬のスコアリーダーとなった辻。勝負所で重要な得点を決め試合を決定付けたベンティルら、新加入選手を中心とした攻撃オプションが良く機能し、今後へ向けて収穫の大きいホーム開幕節となった。