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【マッチレビュー】パリ2024オリンピック グループフェーズ 2024 7/31 日本vsフランス


グループフェーズ第1戦ドイツ戦のマッチレビュー

スタメン

・日本
※ボックススコアを参照ください

・フランス
※ボックススコアを参照ください

ロスター

・日本
※ボックススコアを参照ください

・フランス
※ボックススコアを参照ください

試合結果とボックススコア

1Q 日本 25-32 フランス

2Q 日本 44-49 フランス(日本 19-17 フランス)

3Q 日本 64-69 フランス(日本 20-20 フランス)

4Q 日本 84-84 フランス(日本 20-15 フランス)

OT1 日本 90-94 フランス(日本 6-10 フランス)

試合展開

1Qから3ptの応酬となる。フランスの保持局面、ウェンバンヤマに対して八村がマークにつく日本は、序盤からハイペースに3ptを沈めるフランスに先行されながらも、自らの保持局面において一歩も引かない3ptの打ち合いを挑み、ハイペースな展開へ食らいつくことに。

2Qはスローペースとなりながら、2ndユニットが力を発揮し、フランスとの点差をじわじわとつめた日本。一時リードチェンジを果たすなど拮抗した展開に持ち込むと、2Q後半に盛り返したフランスに食らいつきながら、前半を5点ビハインドで折り返す。

後半は、開始からスタメンを比江島→吉井へ変更したラインナップで臨んだ日本。その吉井のジャンプシュートを皮切りに、続くホーキンソン、河村の連続3ptにより、日本が逆転に成功する。3Q後半には、ストラゼル、河村の3ptの応酬で始まった打ち合いから一歩抜け出したフランスが、再度5点のリードを奪い返して4Qへ。

4Qは、八村が連続で3ptを決めて日本が追い上げの体制に入るも、残り8分半の局面で2つ目となるアンスポーツマンライクファールをコールされ、八村が退場を喫してしまう。予期せぬキーマンの退場、背負ったビハインドにより暗雲が立ち込めた日本だったが、代わりに投入された渡邉飛勇がプットバックによりセカンドチャンスをモノにすると、ディフェンスにおいてはローテーションの強度とスピードを高めていく。

大エースを欠く中、オフェンスの1stオプションとしてハンドリングを任された河村が4点プレーを叩き込むと、次の保持局面では河村が自ら仕掛けたペネトレイトからレイアップに持ち込み、日本が逆転に成功する。

焦りの見られたフランスの保持局面においては、ホーキンソンがウェンバンヤマを、渡邉飛勇がゴベアをそれぞれブロックするなど、圧巻のリムプロテクトを見せた日本がリードを死守し、残り16秒で4点をリードするなど、前回大会銀メダルのフランスを崖っぷちまで追い込むことに。

追い込まれたフランスは、ストラゼルが起死回生の3ptを打つとこれがバスケットカウントとなり、土壇場で4点プレーに成功。同点へ追いつき4Qのタイムアップを迎え、試合はオーバータイムへ突入する。

オーバータイムにおいては、体力の限界に達しつつあった日本に対し、ウェンバンヤマのバスケットカウントで先制したフランスが、終始アドバンテージを取る。

日本も残り1分を切った局面で、河村、比江島が3ptを決めて最後の気力を振り絞るが、ファールゲームをクローズしたフランスが勝利。

フランスがグループフェーズ2勝目を掴み、死闘の末、日本は連敗を喫することになった。

2ndユニットの奮闘

2Q前半において日本は富樫、比江島、吉井、ジェイコブス、渡邉飛勇というセカンドユニットで臨み、ロースコアへ持ち込まれた展開の中、フランスとの差を詰めることに。

ドイツ戦でのベンチポイントは7得点。今回のフランス戦においては9得点。ベンチポイントの数字上では大きく変わらないものの、八村を欠き、絶対絶命の状況の中、起死回生の2ブロック&6リバウンドで存在感を示した渡邉飛勇を筆頭に、ベンチスタートながら29分近くのプレータイムとなった吉井ら、2ndユニットが奮闘。

大舞台で発揮されたベンチの力が、前回大会で銀メダルに輝いた強豪フランスとの力の差を埋める原動力となったことは、語るまでもないだろう。

絶対的エースを欠いた中で見せた底力

4Q開始早々の八村の退場により、この試合においても24得点を決め、オフェンスにおける最大の選択肢だった彼の1on1が無くなったことで、日本は苦しい戦いを強いられることに。

しかしながら、両チーム通して最多得点となる29得点を叩き出し、八村退場後の日本のオフェンスを牽引した河村を軸に、彼をボールハンドラーとしてセットしたオフェンスから流れを引き寄せた日本。

ディフェンスにおいても、圧巻のリムプロテクトを見せたホーキンソン、渡邉飛勇のツインタワーを中心として、ローテーションのスピード、強度は過去最高と言える程の機能を見せるなど、攻守両面においてチームとしての確かなステップアップを見せた試合であった。

総評

前回のレビューでも書いた通り、勝ち筋の見えなかったドイツ戦とは異なり、勝利の可能性が十二分に見えていた試合。それだけに、悔しいという感情が先に立つのが、この試合を見守った大多数の日本代表ブースターの、率直な心境なのではないだろうか。

前回大会においては銀メダルを獲得。224cmのNBA新人王ウェンバンヤマ、216cmのNBA最優秀守備選手ゴベアを擁し、今回のオリンピックにおいてはホスト国としてホームの大観衆の後押しを受けるフランス。

文字通り"世界の頂"を相手に、ノックアウト寸前まで追い込んだ日本代表の気迫、エナジーはワールドクラス。並外れて優れたものであったと、強く感じるところである。

レフェリーの判定など、試合後に様々な意見が取り交わされているが、この試合で語られるべきことはそんなことではない。

世界最高峰のチームであるフランス代表を相手に、1Qから真向勝負での打ち合いを挑み、絶対的エースを終盤の勝負所で欠く不測の事態に対しても一歩も臆することなく日本代表がワンチームとして一丸となり、完全アウェイの厳しい死闘を戦い抜いたこと。

これこそが、この試合で語られるべき全てであるように思う。

グループフェーズの試合は残すところ、ブラジル戦のみ。3戦全敗での敗退という結果は、並外れて優れたチームには、決して相応しいものではない。

悲願の一勝。そしてグループ突破へ向け、男子バスケ日本代表の歴史を賭けた挑戦の行方は、次戦へ託されることになる。

お読みいただきありがとうございました!
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