【マッチレビュー】Bリーグ 24-25 B1第3節 GAME2 群馬vs長崎
GAME1のマッチレビュー
ロスター
群馬クレインサンダーズ
長崎ヴェルカ
※ボックススコアを参照ください
スタメン
群馬クレインサンダーズ
長崎ヴェルカ
※ボックススコアを参照ください
試合結果とボックススコア
1Q 群馬 25-13 長崎
2Q 群馬 44-36 長崎(群馬 19-23 長崎)
3Q 群馬 59-55 長崎(群馬 15-19 長崎)
4Q 群馬 82-72 長崎(群馬 23-17 長崎)
試合展開
スタメンは両チーム共にGAME1と同じメンバー。長崎は、オフェンスリバウンドからのセカンドチャンスをブラントリーが決めて先制すると、エドゥがペイントタッチで加点。群馬は八村がこちらもウイングの位置からペイントタッチを仕掛け、立ち上がりはお互いに2ptずつ得点する。
長崎の保持局面。前日に43得点を叩き出したスミスに対しては、ペイントエリアを第一に守る群馬のディフェンスが功を奏し、思うようにオフェンスの起点が作れない長崎。対する群馬の保持局面は、ペイントタッチを起点としながら、藤井の3ptなどアウトサイドシュートを効率よく決めると、その後はファールドローによって主導権を握った群馬は、長崎のファールを次々と誘発させ、フリースローからも加点。長崎のオフェンスに対し、セカンドユニットでは2列目を3人置く2-3のマッチアップゾーンを敷き、スミスのペイントタッチを封殺することで、1Qでは群馬が12点をリードする。
2Qはティーマンの3ptで群馬が先制。引き続き2-3ゾーンを敷く群馬に対する長崎のオフェンスは、こちらも引き続きブラントリー、スミスのペイントタッチから展開。2-3ゾーンに対し、90°よりもやや左45°寄りの位置からドライブをスタートすることで、群馬のディフェンスの微妙なズレを作りながら、長崎がクリエイトを試みる。ややディフェンス面では後手を踏む時間が続いた群馬であったが、保持局面では細川が3ptを2本決めて、外角へ長崎のディフェンスを引き付けると、ジョーンズを中心にペリメーターから勝負し、1Qに引き続きファールドローから得点を重ねていく。
群馬はターズースキー、ティーマンのビックラインナップへ戻した後も、2-3ゾーンは継続。長崎のエンドインバウンズに対してはマンツーマンで守るシステムの柔軟性を見せ、長崎のオフェンスを停滞させることに。長崎は山口の連続コーナースリーで得点を繋ぎながら、PnRからフロイドのインサイドアタックで追い上げるが、ディフェンスにおいては群馬オフェンスに対してファールがかさみ、追いつくには至らず。前半は群馬が8点リードして試合を折り返す。
両チーム共にスタメンに戻して後半へ。長崎は馬場の2ptで先制。群馬は辻をハンドラーとするセットから、ターズースキーのファールドローでフリースローを決めるが、その後はハーフコートオフェンスの歯車がかみ合わず、オフェンスが停滞。長崎はオフェンスリバウンドを回収した川真田がセカンドチャンスで得点すると、スミスのハンドリングを起点として、馬場の3ptをお膳立てすると、スミスが自ら3ptを決めるなどエースのパフォーマンスが主導権を引き寄せ、長崎がリードチェンジに成功する。
GAME1同様、3Qで逆転を喫した群馬は、セカンドユニットからターズースキー、ジョーンズのオンザコート2に細川、藤井、フリッピンを加えるラインナップを送り出し、外角への引力によるオフェンスの再構築を試みるも、馬場のスティールから長崎のファストブレークを許すなど、後手を踏む。個人4ファールを喫したエドゥをコートに戻せない長崎に対し、群馬はパーカーを投入しオンザコート3でアドバンテージを奪いに行くが、長崎もフロイド、スミスに馬場、山口、高比良を加え、高さと機動力を兼ね備えたラインナップで迎え撃ち、試合は拮抗した展開に。
3Qの主導権を先に握った長崎だが、スミスが3ファールを喫するなど、キープレーヤーのファールトラブルにより、オフェンスのリズムは徐々に崩れることになる。逆に群馬は、ファールドローからターズースキーのフリースローで再度のリードチェンジに成功すると、辻がプルアップジャンパー、終了間際のフリッピンの得点により、群馬が4点のリードを奪い返して4Qへ。
4Qはターズースキー、ティーマン、細川、辻、フリッピンのラインナップを送り出した群馬に対し、長崎はスミス、馬場、山口、ブラントリー、エドゥの最大火力のロスターで打ち合いを挑みに行く。群馬は辻の3ptで口火を切ると、ペイントエリアではティーマン、左コーナーから細川が3ptを沈める外-中-外の理想的なリズムでオフェンスを構築し、リードを10点まで広げて先行していく。長崎は川真田を投入してポストディフェンスを固めるが、群馬は藤井の3ptにより外角から長崎のディフェンスを打ち抜く保持局面の妙から、主導権を掌握していく。
藤井、細川、ジョーンズ、パーカー、ティーマンのユニットで2-3ゾーンを敷き、集中力の高いディフェンスを見せる群馬に対し、長崎は4ファールのエドゥを戻して、5outのオフェンスから追い上げを図る。長崎は山口の連続3ptにより、アウトサイドから得点を繋ぎながら追撃の流れを作りに行くが、群馬は細川のコーナースリーで追い上げの流れを切ると、残り1分からはファールゲームに。
個人4ファールが続出した長崎に対し、ファールゲームを落ち着いて進めた群馬がゲームクローズ。
第3節のGAME2は群馬が勝利し、群馬vs長崎は1勝1敗となった。
雑感
スタメンは両チーム共に継続した中で、GAME1で4得点しか積み上げられなかった3Qのゲームコントロールを群馬が修正し、見事にバウンスバックを果たすこととなった。
長崎がファールトラブルに陥る展開もGAME1とおおよそ同じであったが、3Q後半の群馬は手を緩めず徹底したインサイドアタックからファールドローを積み上げることに成功。同様のチャンスがありながら、前日に中途半端になっていた点を修正し、フリースロースタッツは群馬:82.4%(28/34)、長崎77.3%(17/22)と、試投数、成功数の両面で群馬が長崎を圧倒。ファールドローからのフリースローが勝敗を分ける決定打になった。
この試合においては、ファールドローの妙が勝敗を分け、勝利を収めた群馬であるが、フリースローの得点割合が多いこと自体は、笛の傾向に依存する面もあり、直近の結果を出すための妥協案的ゲームプランの側面も少なくない。
であるが、この試合においてペイントエリアでの得点は群馬:24、長崎:26とほぼ互角。3ptについても群馬:34.8%(8/23)、長崎:36.0%(9/25)と、リーグ屈指のオフェンス力を有する長崎と比較してもほぼ互角の数字を残している。
シーズンプレビュー(↓参照)で筆者が書いたように、ペイントエリアでの得点と3ptでの得点を増やすことは、ミリングHCが作る新生群馬にとってオフェンス面での大きな課題として挙げているが、徐々にではあるがそのスタイルの転換を進めながら、課題に対処し始めていることが見て取れる。
コアとなるメンバーを継続しながら、HCのスタイルにアジャストする作業は一朝一夕で進める事は出来ない。チームビルドにおいて、求められることは一定の時間、我慢、忍耐であることも、併せてシーズンプレビューでは述べさせていただいた。
目の前の結果に対し、現実的な妥協案を織り交ぜながら、内容を充実させていく。困難な挑戦ではあるが、まずは勝ち取った大きな勝利を自信に昇華させ、ステップアップを果たして欲しいと思う。
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