早期退職の50オヤジ、コンプレックスに悩む

こんにちは、赤鬼です。コロナ禍に50歳で早期退職しました。

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最初に言っておきます。
起業なんて簡単ではありません。

多分皆さんどうすれば簡単に儲かるか、って事に興味があるかと思いますが、世の中そんなに甘くないです。すぐに儲かる方法、僕も興味あります…(汗)

パン屋さんや、運送業、アパレル等、世の中にたくさんの成功事例があるなら、世の中にニーズは確実にあり、やり方次第でビジネスは成功します。やり方次第です。
魚は目の前にいて、釣り方も確率されてるからです。あとは釣るための技術や、場所選び、時間帯選び、餌の工夫といったところの勝負です。

ところが僕が選んだのは、まだ世の中で認知もされていない形態の観光サービス。それを観光業未経験の人間がやるというもの。しかも観光的にはほぼ無名に近い地域で…。
これは魚がいるかどうかもわからない場所で、見たこともない釣り方で、釣り未経験の人間が釣り上げること。
普通に考えてこれは無謀を通り越して、頭がおかしいヤツのやることだと思います。今改めて振り返り、自分のバカさに辟易しているところです。

仮に数々の新規事業を立ち上げて成功させているカリスマ経営者なら、そのような事業も成功へ導くかもしれませんが、僕は28年間同じ会社でサラリーマンしかやってこなかった超平凡な人間。
外海の荒波も知らずに、平和なかごの中で暮らしてきた人生経験すら少ない人間です。そんな経営センスなんて生憎持ち合わせていません。

余談ですが、知っている方で前職の社長経験者がいます。その方はいわゆるサラリーマン社長ではありますが、割とオーナー社長のような気概を持った方で、退職後にそれまでの人脈を活かしてコンサル業を始められました。ただそんなに上手くはいってないようです。前職の会社は売上50億あったので、その社長となれば皆それなりにチヤホヤしますが、個人事業主となれば、そんな過去の威光は通用しないのです。
よく定年後にそれまでの経験と人脈を元に起業される人を見かけますが、長年管理職をやってきて現場を知らなかったり、管理職的な話し方が消えず、どこか偉そうで面倒くさいオヤジだったり、デジタルに弱かったりするので、こういうタイプは難しいと思います。その意味でも起業するなら少しでも早めのほうがいいのかなと感じております。

話を戻して、起業した人の中によくいるのが日本一周世界一周経験者です。彼らは普通に就職することを選ばず、若いうちから様々な経験を積もうと過酷なチャレンジを通して世界と自分を知り、その時の経験を元に起業しています。

そんな彼らは、事業の話をする時にプロフィールの中に「世界一周経験者」ですと誇らしげに掲げるのです。
僕には世界一周どころか、日本ですら大して旅行にも行けてないくらい。
知人達のほうがよっぽど色んな事を知ってるし、経験もあります。もうコンプレックスしかない僕なのです。

そんな事を今更言っても仕方ありません。これが今まで生きてきた僕自身であり、羨ましく感じる波乱万丈な人生経験はこれから作ることになるのですから。

改めてこのノート書いていても、なんでこんなヤツが起業なんてしようと思ったのだろうか、と感じます。
なんにも自分なさすぎるのですから…。
何かあるとすれば、自分の人間性と事業への思いだけ。
「武器は自分の体と心だぁ」って言って剣も鎧も盾も持たずに戦場に向かうやつと言えばカッコいいように感じるかもしれませんが、ホントただの頭の悪いヤツですね。

ちなみに起業して3年経ちました。
会社潰れないでなんとか持ちこたえてます。決して儲かっている訳ではないですが、こんな不利な状態にも関わらず、魚を釣る経験はできました。魚の数はわかりませんが一定数はいる感じです。場所もブルーオーシャンの可能性が出てきました。この3年で自分のイメージしたサービスを実際に提供し対価を得る経験をたくさん積むことができました。
何も持たず、自分の体と思いだけでもそれに共感してくれる人、支えてくれる人が現れてくれたのです。

それなのにここに来て何故か気持ちが盛り上がってこない。考えるエネルギーが湧かない。事業の事を考えるのが辛い。上手く事業に向き合えない。ロクな案が出ない。余計なことをしてしまう。それで勝手に自己嫌悪になって落ち込む。さらに嫌になる。ネガティブオーラを出してしまう。そんな自分に腹が立ちまた自己嫌悪になるを繰り返してます。
何なんだろう…。
大変な事は特にないはずなのに…。
3年やっても自信が出ないのです。
そんなもん何年やっても出ねえよ!って言われそうですが。


大先輩から教えてもらった事業成功の秘訣。

「どれ程好きかと、どれ程諦めが悪いかだけ」

才能や経験も大事だけど、実は淡々と続けることが一番難しく、そして一番大切なんだと。
経験や技術よりも自分自身の心、思いのエネルギーをどれだけ燃やし続けられるかが大事と教えてもらったのに。

そんな心のエネルギーが切れかけたとき、注いでくれたのはやはり大切な仲間やお客様でした。

(つづく)


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