2024年10月 月報
【報告・雑感】
天気が不安定で、調子も不安定。色々遊びに行って楽しい一方、うっすら調子が悪い日も多い。もうちょっとセルフケアをしなければいけないね。毎度毎度書いている気がするけど。
遊びに行った話。
人と遊びにいったのでいえば、もりたと世田谷文学館に行きました。名前は知っているけど行ったことなかったスポットのひとつ。寺山修司展で改めて寺山の短歌を読むと、割と自分が作っている短歌とベクトルとして通じるものを感じて、寺山の作品をもうちょっと読まねばいけないな、という気持ちになった。もりたも最近はちょっと気分が穏やかめな時間が増えているようで安心している。
山本さん主催で上野公園へピクニックにも行った。とらやの小さい羊羹「おもかげ」の名前を聞いた、ちいさな双子ちゃんたちが口々に「おもかげ~」と連呼し、「おもかげの概念に年齢が見合ってない」と大人にツッコまれていて面白かった。
映画もいくつか。『SUPER HAPPY FOREVER』は五十嵐耕平監督の待望の新作で楽しみにしていたけど、しみじみと良くて満足度高し。物語の軸になっているある事項について、後半で「あぁ、じゃあそれはそうなっていくのかしら」と予想がつくんですが、終盤それが提示される瞬間があまりにさりげなく、しかし、それがそこにちゃんとあったことへの嬉しさに感動してしまって目に涙が浮かんだ。
美しく微笑ましくも切ない『ぼくのお日さま』や、早稲田松竹で観た『ひなぎく』、目黒シネマで観た杉田協士監督作品も印象的。杉田監督は以前に読んだインタビュー記事がとても良くて気になっていたのだけど、何か過去に大きな喪失があったらしいことはわかるがそれについての説明をがっつり省き、今そこにある営を見つめることに集中させるような作りで面白かった。よくわからないけど、感動がじわっと胸の内に広がる瞬間があった。とはいえ悲しいだけでもなく、『春原さんのうた』で、葬儀の帰りに立ち寄ったカフェでたまたま書道パフォーマンスに立ち会うことになり、その時に書かれた巨大な「風林火山」の布をなんとなくもらってしまう、という一連のシークエンスはユーモラスでとても好きだった。
演芸もあれこれ行った。三遊亭花金さんの、マクラなし・ネタ出し2席の会に初参加。今回のネタは「付き馬」と「心眼」で、浅草の仲見世でクロスオーバーするかのような組み合わせがナイス。
渋谷らくごは玉川太福先生の「男はつらいよ 寅次郎純情詩集」が、もともと好きな映画だったので嬉しいめぐり合わせ。寅さんが亡くなってしまったマドンナについて、彼女がどんなお店をやったらいいかずっと考えていたと語るシーンは映画でも涙ぐんだが、浪曲でもちょっと泣いちゃった。やはり個人的に「男はつらいよ」シリーズは寅さんの語りと想像力にこそ魅力を感じる。一時期観ていたが最近ごぶさたなので、男はつらいよシリーズ中で未見の回も観たいな。
国立近代美術館の『ハニワと土偶の近代』や、いとうせいこうが登壇した山東京伝についてのトークイベントも面白かったし、神保町ブックフェスティバルでは本をたくさん買ったし、こうやって書きだすと、楽しいことがたくさんあったねぇ。
来月もすでに人と遊ぶ予定とか見に行くものとか、楽しい予定は多い。あとは、ここ最近の、仕事後のムダにしちゃうところとかをセルフケアや楽しみに回していけるかだな……。それは来月以降の俺に任せます。
【今月の読了本リスト】
青木淳悟『四十日と四十夜のメルヘン』(文庫版)
テイラー・ジェンキンス・リード(作)、喜須海理子(訳)『女優エヴリンの七人の夫』
堀江敏幸(訳)『土左日記』
町屋良平『ぼくはきっとやさしい』
町屋良平『私の小説』
津村記久子『サキの忘れ物』
佐々木敦『この映画を視ているのは誰か?』
和氣正幸(監修)『さあ、本屋をはじめよう 町の書店の新しい可能性』
岡真理、小山哲、藤原辰史『中学生から知りたいパレスチナのこと』
『別冊代わりに読む人 試行錯誤4』
【今月の一曲】
今年は池松壮亮の映像仕事が充実している印象。
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