懲役ダイアリー 2017年8月24日木曜日 『古都の氷華』
島根あさひ社会復帰促進センターに
打ち上がる
氷華
そう!!
本日は受刑者が待ちに待った・・・
アイスクリームの日。
この古都の氷華いちごフロート味が15時に支給されたのだ。
蒸し暑い体感温度37度くらいの訓練室の食堂で、受刑者53人が小さなカップアイスを美味しそうに、大切に食べる。
私も含めて・・・俯瞰すると滑稽に見えるんだろうな・・・。
でも・・・
うまい!!
最高!!
食べている最中は一切他の受刑者と話をすることがゆるされない。
なので私はこの古都の氷華と話そうと、アイスクリームを頭の中で擬人化した。
私「今日が最後だね。また会うのは来年か・・・。」
氷華「冷たくしてごめんね・・・。私のこと忘れないでね。」
私「氷華の心は暖かいから。忘れなるわけないさ」
氷華「嘘。スーパーカップとかチューペットと戯れるの知ってるんだから・・・。」
私「氷華・・・愛してる・・・。」
何この・・・
茶番・・・。
こんなことやりながらアイスを食べるのは初めてだし、刑務所だからこういうことをやってしまうのだと思う。
終業後の余暇時間、他の受刑者にこれを言ったら・・・
「ふないむさん!LSDでもやってんすか!」
と言われたが・・・
シャブで捕まったお前には言われたくない。
そう思いながら、夏のアイスに感謝の気持ちを込めた。
受刑者にとって夏のアイスは究極のご褒美。心から感謝。
全ては順調に進んでいる。人生の成功に向けて。
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