懲役ダイアリー 2017年3月18日土曜日『一目だけでも・・・。』
誰もが一度は思ったことがある。一目だけでも何かを見たい、会いたい、でも見ることができない。そこには理由があって、経済的な理由なのか物理的な理由なのかは人それぞれだけれども、一目だけでも見られない悔しさと切なさは、心の中を思い切り抉ってくるような感覚を覚える。
今日は子供の幼稚園の卒園式。
物理的に参加することができない。
心の中でお祝いのメッセージを綴る。
卒園おめでとう。
三年間幼稚園頑張ったね。
いっぱいお友達できてよかったね。
たくさん遊べてよかったね。
パパと自転車たくさん練習して乗れるようになってよかったね。
卒園式には出られなくてごめんね。
遠くからだけど、パパはお前のことをちゃんと見守っているよ。
今度は小学生だね。
またパパは入学式にも行ってあげられないけれど、怒らないでね。
寂しいかもしれないけど、パパが帰ってきたらまた一緒にスーパー銭湯行こう。
お前が小学校4年生になったら帰ってくるからね。
一緒に勉強もしようね。
カツ丼も一緒に作ろう。
パパの作ったカツ丼大好きだったもんね。
離れていてもずっと一緒にいるよ。
大好きだよ。
パパより
一目だけでも卒園式を見たい。子供にとって一生に一度の卒園式。刑務所に入ったことで子供の思い出、記念日を棒に振る。私は自業自得だけれども、子供には何の罪もないのに寂しい思いをさせている。
心から終わっているな俺・・・と思う。
もっと近くに居てあげたかった。
色々な経験をさせてあげたかった。
後悔の念が襲ってくるけれど、それに負けていたら自分がダメになる。
決して負けてはならない。嘆いても仕方がない。前を向き今できることを全力でやるだけだ。足掻こうと何をしようと今は今できることしかできないのだから。
そうそう
2月の作業報奨金をいただいた。
1090円・・・。
月の給料が1090円・・・。
何も言えない・・・。
それから等工が、
10等工から9等工へ昇等していた。
等工というのは刑務所内での作業期間に応じて昇等していき、最終的には1等工まで昇等する。昇等すると作業報奨金も上がっていくのだが1等工になるまでは約3年くらいかかる長旅だ。
気にしないで毎日コツコツやっていこうと思う。
ここで刑務所川柳
ご先祖を 敬い心 洗われる
犯罪者 身内に出たら 排除する
人のため 見返り求めず 奉仕する
工夫して 今より早く 結果出す
流れゆく 時間を大事に 生きてゆく
刑務所あるある
整列の時他の受刑者に尻を触られる
ピンク犯罪は馬鹿にされる
匂いと音に敏感になる
受刑者同士顔で合図を送る
番号を間違える
明日引っ込みます→引っ込まない
ちょっと口論があるとユニット内が静かになる
土曜日って一日が終わるのがとても早いな・・・。
全ては順調に進んでいる。人生の成功に向けて。