塩田千春展で魂がふるえた。
塩田千春展に行ってきた。
全く予備知識がなく行ったが、
すごく楽しく、考えさせられる個展だったので、感想を書いていこうと思う。
「空間と自己、空間と物質、自然と自己、夢と現実、
あらゆる二元論で語られるものの境界を再定義する。」
それが塩田千春さんの作品の本質だと思った。
その間を埋めていくことによって、
「自分とは何か」という塩田千春さん自身の問いであり、人類全体のものでもある
この問いの答えを見つけようとしているのだと理解した。
この作品は自己と空間を糸に繋げようとしているんだろう。
それによって、自分とは何かを問いかけている。
イルカが、超音波を出してその跳ね返ってくる時間で相手との距離を測るように、
他者と自分の関係を問うているのだ。
この写真も上の写真とテーマは同じだと感じた。
この作品は、糸を介して自然と調和しようとしたのだろうと思う。
実際に体験したわけじゃないのに、写真を見るだけで
日々の人間生活の営みで、失った感覚を取り戻せるような気がする。
狩猟民族時代のホモ・サピエンスの状態とも言えるかもしれない。
以下が、この作品の紹介文だ。
この作品は、自然と物質の類似性を表現したもの。
僕は、かなり異なっているじゃん。と思ってしまった。
日常生活に、自然と物質に類似性を感じられるからこそ、
塩田千春さんの作品は出来上がるんだろう。
そして、僕が一番好きだった作品がこれ。
「生と死」がテーマの作品だ。
細胞が生きていて、糸で繋がっている黒い影が死んだ人を表現しているんだろう。
糸で繋ぐことによって、生と死の境目なんてないということを表現しているのかなと思った。
また細胞の周りをボカして描いているのも、
生と死の曖昧さを表現したかったからなのかもしれない。
また
生きているはずの細胞の中にも、
死んだような細胞がいくつかあると感じた。
そう考えると、この黒い影の方が生きている人なのかもしれないとも思い始める。
こんなシンプルな絵で
何重にも、死と生の境界の曖昧さを表現している
この絵が僕はすごく気に入った。
この絵は、
心と身体がバラバラになっていることを表現している作品。
見てるだけで、心が張り裂けそうになるこの作品は、本当に圧巻。
身体もバラバラになっているし、心も見事にバラバラになっている。
このバラバラになった心と身体は、もう一度一体化することはできるんだろうか。
他にも多くの作品があったが、
ここではとりわけ僕が気に入った作品を紹介した。
やっぱり
アーティストっていうのは、
表現せずにはいられない大きなわだかまりを心に抱えていて、
それを思う存分吐き出したものが作品になっていくんだと思った。
心の底から、
魂がふるえる個展だった。
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