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失敗の本質 -日本軍の組織論的研究-

だいぶ更新が滞ってしまいました。
このままだと、全く書かなくなってしまう。
と思ったので、
たった今読み終わった本のレビュー、感想を書いていきます。
失敗の本質 -日本軍の組織論的研究- https://amzn.to/2TX4B8j
という本です。
みなさん、知っての通り
我が日本国は、
第二次世界大戦で敗戦を喫しました。
アメリカとは、生産力や軍事力にれっきとした差があり、
そもそも負けが確定している戦争を
始めたのがいけなかった。
と語られることが多い第二次世界大戦なのですが、
この本は、そういった論調ではなく、
日本軍の作戦の失敗例
(ミッドウェー海戦やガダルカナル作戦など)
を取り上げて、
日本国の組織的特性の欠陥に焦点を当てた本になっています。
言ってしまえば、
「組織論」について書かれた本です。
文明社会がある限り、組織は存在するので、
今日においても、間違いなく有用な本です。

ここでは、
具体的に作戦の失敗例について書いていくことは本書に任せて、
作戦の失敗例を教訓として得られた知見と
強い組織をつくる上で必要なこと
について書いていこうと思います。
ここでは、
特に
3つの要点
に絞って書いていきます。
まず何より大事なのが、
1、目的を明確にすること。
これが本当に大事です。
まず日本軍は、
この大東亜戦争自体の目的すらも曖昧でした。
何を得たくて、この戦争をしたのか。
それに対して、明確な答えがなかったようです。


何キロ走ったらゴールなのかがわからないマラソンを
ずっと走っているような感じですよね。
また
大本営、陸軍、海軍の意思決定組織が、
それぞれ目的を共有できていない。
という致命的な問題を抱えていました。
この原因は、
陸海空を一元的に管理する機関を持たなかったからです。

ここから学べることは、
組織をつくるときには、
その組織が何を目標とするかを明確にすることが
強い組織をつくる上で重要になってくる。
ということで、
そのために必要なことは、
目的を共有できるような仕組みを作る。
ということだと思います。

そして2つ目は、

2、不均衡を創造していく
どういう意味?
って思いますよね。
説明していきます。

本書の中で
「適応は適応能力を締め出す。」
という言葉がありました。

具体的な例を挙げていきます。
恐竜が絶滅した原因の説明の1つに、
裸子植物を食べることに適応しすぎて、
気候変動による植物の変化などに再適応できなかったからだ
という説があります。

これは
機械学習で言うところの「過学習」の状態とも言えますね。

つまり、
1つの環境に適応しすぎると、
環境が変わったときに対応できなくなるという意味です。

こうならないために、
不均衡を創造していく必要があります。

今ほど変化の早い時代は未だかつてなかったので、
現代こそ、
「不均衡の創造」の重要性が高いのかな
と思います。

ここで、
大事なことは
「昨日の成功体験にとらわれない」
ということです。

日本軍は、
技術が発展し(空軍の発展)、
戦争の戦い方も変化した
1940年代になっても
1904年の日露戦争での成功体験にとらわれ続けていたことが
各作戦の失敗に繋がったのです。

世界のルールが変わったら、
昔上手くいったやり方が上手くいくとは限らないのです。
これは、
ビジネスの世界においても間違いなくそうですよね。

変わらないために
変わり続けないといけないんですよね。

そして最後

3、知識の淘汰と蓄積
をしていくことが重要ということです。

2つ目の話と重なる部分が多分にあるのですが、

時代が変化すると、
昨日正解だったことが、
今日不正解になっているということが
往々にしてあるということです。

日露戦争のときに正解だった戦い方は、
大東亜戦争では不正解だったのです。

このことから学べることは、
いつまでも過去の栄光にすがらない。今日は昨日とは違う
ということと
時代が変化し続けているならば、
組織も変化していかなければならないということです。
2つ目とすごく似てますよね。

いつの時代にも通じるような、
普遍的なことが書いてあって、本当に面白く、かつ為になる本でした。

気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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