それぞれの見方
あの城にあこがれた
だから、船をつくるのを辞めた
ねぇ あの空の近くにそびえたつ城 どうしたらあそこに行けるのかな
(おじさん)「あそこにゃ竜が降り立つよ おとなしく海にいればいい」
(おばあさん)「陸とか城に光はないさ あるのは血と生臭い吐息 おとなしく波にのっていな」
僕は空の近くで土を踏みたい
踏んでみたい
空の色より 海の色
血の味より塩の味
土の手触りより 水の触感
周りみんな それしか 言わない
ならどん底まで堕ちることになるのか
ボクは なってみろ ならば
息が切れる
当たり前か
いつも船しか漕いでいない
手しか つかわなければ
足は弱ってゆく