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とーさんと、亀さん。思い出記録note

とーさんの忘れ形見は、二匹のクサガメさんです

出会いは、とーさんのひとり時間。

ワンの散歩が終わった後、ひとりでご近所散歩を日課にしていたとーさん。
とーさんの携帯電話には、その時に撮っただろう紫陽花や、葵の花の写真が保存されています

携帯の歩数計を見せて、今日は一万歩以上歩いたよ!と誇らしげに家族に見せていました

ある時、電話で
「今うち、亀がいるんだ」
「!?」

実家に帰ると、五百円硬貨よりひとまわり小さいくらいの亀さんが、水槽の中にいました
近くのホームセンターから、専用のカメごはんも購入済みでした

聞けば、ひとり散歩中、周りに草茫々の湿地があれど、トラックも案外通る裏道で、石ころが動いていたそうです
よくよくみると、手足がある。

「亀だったんだよぉ!」

泥だらけで、交通量も割と多い道路でしたので、とりあえず家に連れて帰ることにしたそうです

とーさんは、ワンコに加えて、亀さんのことも大好きになりました
当初の呼び方は、「カメちゃん」でしたが。
とーさんの名付け?センスは、シンプルです

(余談で、私の名前もシンプルです)

「カメちゃん、おやすみ〜おやすみ〜」
「大好きだよぉー」
デレデレ声で語りかけていました

指につまんでゴハンをあげるので、勢いでガブッと噛まれて、
「いてえええ〜〜」
と、笑いながら叫んだり。

晴れた日、日向ぼっこで脚をびろーんと伸ばしているカメちゃんを見て、
「日干ししてるよぉ〜」
と、ニヤニヤしたり。

そんな穏やかなカメちゃんライフ、約一年後。
とーさんの病気が年明けに発覚し、入院を経て退院、通院。
体力をつけるために再び始めた散歩。

それはまたもや春の終わり頃。
とーさんは再び、生まれたばかりっぽい亀を拾ってきました

第二の亀さん登場。

「車に轢かれそうだったから」

同じ種類、クサガメで、今度は自然と名前がつきました
「次郎、だな」
必然的にいつの間にか、先代を
「太郎」と呼ぶようになりました

二匹の亀を、それぞれ可愛がっていました
太郎にゴハンをあげていると、次郎が水槽越しにガサガサ騒ぐので、
(一応水槽別に一匹ずつ分けています)
次郎にもゴハンをあげて、忙しくしてました
小さな棒状の亀ゴハンですが、大体亀の頭の大きさ分、数えていました
A4用紙に表を作り、日付と、それぞれに何粒あげたか記録していました
記録しないと、可愛くて何粒でもあげちゃうので。

太郎も次郎も、とーさんの姿を見ると目で追うようになりました
「太郎!太郎!」と、とーさんが呼ぶと、
亀太郎はぐううっと首を伸ばしてとーさんを見つめてました

「わかってるんだよなぁぁ(ご満悦)」(ゴハンを追加)


とーさんは、自然が好きだったのだなと、改めて感じます。

若い頃は、仕事に燃えていて、自然に触れる機会が少なかっただけで
思えば、田舎では川遊びとか、山登りとか。
動物も、ワンコもネコも、気づけば自分の側に抱っこしていたり

大好きだったんだね

とーさん、

カメちゃんずは、マイペースで、元気にしていますよ
ゴハン、ちゃんと食べてますよ
部屋んぽもしてますよ
ダシダシとよく歩くよ
畑で作ったスイカ、あげてみたら食べたよ

伝えたい、些細なことが、たくさんあります
些細なことだけど、
とーさんなら、カメちゃんずのこと、
「そぉかぁ!」って
ニカニカして、聞いてくれたことでしょう




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