academist 2019年ファンディング開始プロジェクトの結果
学術系クラウドファンディングサイトとして有名なacademist。毎年、多数のプロジェクトがファンディングに挑戦していますが、実際のファンディングの結果はどうなっているのかが気になっていました。そこで、2019年にファンディングを開始したプロジェクトの結果を集計してみました(表1)。一番気になるファンディング成功率は、80.4%(41/51)となり、非常に高いことが分かりました。ファンディングに成功したプロジェクトごとの平均支援額は約83万円で、ある程度まとまった研究費を調達できる可能性が伺えます。
次にプロジェクト責任者について集計してみました(表2)。学生・大学院生・研究生によるプロジェクトが4分の1を占めていました。一方で、雇用期間が限られている特任教員やポスドクによるプロジェクトはわずか2件だけでした。特任教員やポスドクはある程度研究内容が決まっており、研究費が確保されていることから、新しくプロジェクトを立ち上げるのは難しいのかもしれません。その点、担当教員次第では、自由にプロジェクトを立ち上げられますが、資金が無い学生にとっては大きなチャンスであると考えられます。
分野別でみてみますと、いわゆる文系分野である人文学・教育学のプロジェクトが24%ありました。これらのプロジェクトの成功率は75%(9/12)あり、理系分野と遜色が無いことが分かります。
支援額別の支援者の分布について調べ図1に示しました。最も支援者の割合が多いのは5,000円未満でした。次いで、10,000円以上50,000円未満が多く、100,000円以上の支援者数が47人にのぼることから、経済的に余裕のある層に関心が高いことが読み取れます。
以上、簡単にですが、1年分のデータをまとめてみました。これからクラウドファンディングに挑戦したいという研究者の皆さんの参考になればと思います。
よろしくお願いします。