「転換」
ゴールデンウィークに長野に行ってきた。
観光ではなく、前にお世話になったキャンプ場のお手伝いのため。
仕事がカレンダー通りでないので、本当は3日間の手伝いの予定だったが、なんだかんだでゴールデンウィーク丸々休みになった。
仕事終わりにそのまま夜行バスに乗り、松本へ向かう。
普段はサービスエリアを降りることはないのだが、トイレに行きたくなり、久しぶりにサービスエリアに降りた。
サービスエリアのコンビニは本当に充実してる。
棚にはぎっしり商品が敷き詰められていた。
松本に朝の4:30に着く。
始発まで時間があったので、少し松本周辺を歩いた。
松本城や駅から少し離れてると江戸のような景色が広がる。
映画の「流浪の月」の撮影地も松本だった。
近代と歴史が交差してる、そんな印象を受ける。
松本から電車で約2時間、最寄り駅の野辺山駅に向かう。
岡谷や塩尻、久しぶりに見る地名や景色はやはりいい。
まだ半年しか経ってないけど、だいぶ昔に感じるのは歳を重ねたせいだろうか。
野辺山駅はJRの最高地点の場所、標高1310mにある駅だ。
着いた日は快晴で八ヶ岳もハッキリと見えた。
キャンプ場まで駅から徒歩で30分、唯一の運動が仕事が休みの日に駅まで歩く往復1時間だった。
今はカメラがあるので、久しぶりの景色の写真を撮りながら歩いた。
五光牧場オートキャンプ場は東京ドーム8個分の広大なキャンプ場で、ほとんどフリーサイトで車の乗り入れも可能だ。
ゴールデンウィークや連休だとフリーサイトはほとんど埋め尽くされる。
到着するや否や、すぐに受付の開始だ。
今年のゴールデンウィークは快晴でスタート出来たので、3〜5日で約400台のお客様が来場された。
3日は受付で1日が終わってしまった。
ファミリーやグルキャンで来られる方が多く、今年はコロナによる制限がほとんどないので、久しぶりにみんなで集まったといったところか。
五光の夕焼けの景色や夜の星空は本当に格別で、僕もこの景色に何度も救われた。
五光に来て、一番印象的なのが
"人との出会い"
だ。
ここで知り合った人たちは僕が普通に生活してたら絶対に会えなくて、絶対に話せない人ばかり。
でも、そんな人たちが自分と対等に話してくれる。
ただただ一人の人間として見てくれる。
肩書き、利益、損得。
今までの大人たちの多くは何かしらの下心があり、僕に近づき、そして離れていった。
自分もいつしか同じような価値観になり、染まっていった。
今の僕には何もないし、それでも気にかけてくれて声を掛けてくれる。
そんな人達に五光で出会うことが出来た。
それが五光に来て一番得たものかもしれない。
今まで出来なかった"人に甘える"ということが自然と出来るようになった。
ここにいたことで無理をせずにダメな自分を受け入られるようになり、自分にも相手にも期待もせずに生きている。
今は陰のように表には出ないようにしている。
誰も僕のことなんて見てないし半分は存在していない、そんな感覚で生きている。
もう一人にはだいぶ慣れてしまった。
ここは僕の価値観を変えてくれた場所でもある。
以前の僕はとにかく愛想を良く、感謝を忘れない、無駄にこそ意味がある、そんな価値観だった。
父親に子供の時からしつけされたことだった。
でも、その価値観で生きた結果、"メンヘラな自分"が形成された。
2年前、仕事で精神的に壊れてしまい、東京を離れたいと思っていたタイミングでご縁がありこの場所に来た。
周りにはコンビニすらもなく、知り合いどころか人すらもいないところ、そこで無の時間と自分と向き合う時間が出来た。
メンヘラな自分が嫌で、メンヘラである人達にも嫌気が差していて、自分を変えるためにFacebookもやめて、人間関係を極限まで整理をした。
感謝にも執着していた。
10年前と今では感謝している人も感謝に対する深度も全く違う。
"助けてくれた"感謝は捨て、"救ってくれた"感謝だけを残すことにした。
この場所も極限まで落ちていた自分を救ってくれた。
無駄も極力生活から排除した。
スマホの通知、服や物、人とのやり取り。
その結果、塩対応で感謝にそこまで執着しない、ドライな自分に変わった(気がする)。
自分と相手にも何も期待しないようになった。
執着、欲望、希望などポジティブなものを諦めた。
今までの生き方の反対を実践して、自分なりに検証した。
塩対応でも生活に全く支障はないし、過度に人を大切にしなくても何も変わりはしなかった。
あっという間に6日間が過ぎた。
夜行バスで神戸に帰り、そのまま仕事に行った。
疲れも多少出たけど、自分の現在地と成長を感じることが出来た。
また行きます。
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