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昭和63年からのメッセージ

年末年始に夫の実家へ帰省した時のこと。
5年前に他界した義父の持ち物から1枚の手紙を義母が見つけました。

昭和63年10月31日。
大手商社をリストラされた義父に再就職先を見つけてくれた上司からの叱咤激励とも思える手紙。

その手紙の内容がとても刺さり、今を生きる私たちへのメッセージにも思えたのでnoteに残します。


1.已れの心情を白紙に戻し、新たに道を拓く第ー歩と心がけること。

出向、研修と再就職とでは相手の見る目は違い、厳しく容赦がない。 新しい環境に溶けこむのは難しい、先は自我をおさえ、相手より虚心に吸収することに努め、その初心はいつ迄も失わない。

2.己れの処遇についてまわりと比較してこだわりを持つのを捨てること。

年令、役職、給料などについて、まわりと比較して不満を持つようになると 自ら救い難い不平地獄に陥り、一生心の平和を保ち得ず、人から嫌厳され信頼を失い、居る場所を失う。特に年月を経ると初心を忘れその地獄に陥る傾向が強くなるから常に反省して防止する。人より損しているとばかり思わないで人より得をしている所があることを考えよ。

3. 已れについて他の誰よりも損を求め苦労をいとわぬこと。

日々の些事にいたる迄、例え損と思っても他の人々に率先して実行することが結局己の徳となり得なってかえってくる。
強い責任感をもって、朝は誰よりも早く人が見ていない所でも苦労するのが一日のスタートであり、長い年月継続すれば功徳となり人間性となり他人の信頼も増してくる。 

4. 己の価値を自分できめるな。評価は他人がするの。これが他人に通ずることの価値である。

己の能力、実績を自分で評価しても他人が通じなければ、他人からは 期待した価値をみとめられず、ひいては不平居士となり、社会的な人間性が崩れてきて不幸しか招かない。

5. 実力は己れの研鑽から培われるもの、口先で誇示しても化の皮ははがれる。

実力あれば事に当って発揮される。特に緊急又は危機のときこそ真価が出てくる。内部で恰好よく誇示する必要はない。実力、実績は第三者的に観る外部で早く評価されてくる。それに信頼がついてくる。

6.対社内外、対上下関係とも態度は謙虚、礼儀正しくあれ、具体的に 挙措動作、言葉づかいから実行すること。

これが人に警戒心、反発を抱かせず、たとえ中途入社者であっても 信頼を勝ちとる早道である。

7.上に対して意見は冷静に。たとえ不本意であっても返事は明確に。

部内女子社員に近寄りすぎるな、先づ上司、同僚によく接し、良好関係を持つことが第一。

8.上記すべて、忍耐第一である。

忍耐も能力、特性の大きな要素である。常に丁稚小僧のつもりであれば得るところも大きい。そして初心はいつ迄も忘れるな。
以上

実際の手紙です

このような上司に恵まれた義父のことを増々尊敬しました。そして家族になれたことは幸せなこと。

私が特に刺さったのは「己の評価を自分で決めるな、評価は他人がするもの」。
私がカウンセラーとして特に大事にしていることなので新年改めてこの言葉の意味を重く受け止めました。
そして「忍耐も能力」、そうなのかもしれません。

最後までお読み頂きありがとうございました!

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