見出し画像

メンタルヘルスの知識ゼロだった私が作った、ゆめみ保健室。

中小企業ではまだまだ少ないメンタルヘルス対策。
コロナ禍、弊社メンバーのメンタル不調者が増えはじめ、キャリア相談窓口を開設しようと思っていた私がメンタルヘルスも担当することになったのは自然な流れでした。

「でも、何からやればいいの?」

そんな知識ゼロで始めた私が3年経った今、「相談室を作りたい」という企業を支援をするまでに。
立ち上げから今日までやってきたことを振り返りと共に熱く書きます!


先ずは目標を明確にした

「何のためにやるか」は一番最初に明確にしたいところ。立ち上げ前は「休職者を減らすこと」とざっくりとしていましたが、その後「休職率1%、復職率100%、再発率0%」とはっきりしていきます。
そして「ゆめみ保健室」は単なる相談室ではなく、1つのプロジェクトとして扱うことにしました。

独りになることを選択した

中立的な立場でいることと、多重関係が生まれないようにするためメンバーと面談以外の時間を共にしない、それこそ一緒に食事会に行かないと決め、後には懇親会にも出ないことを決めました。
特定の人と仲良くすることで相談しづらい状況を作ってしまうのではないかという思いがあり、距離感を保つことに決めました。

とにかく必要な知識を得るため学びまくり、取れる資格は片っ端から取った

学んだこと

  • キャリアコンサルタント

  • EAPメンタルヘルスカウンセラー

  • 両立支援コーディネーター

  • TA(交流分析)基礎

  • クライシスカウンセリング

  • システムズアプローチ

  • SFA(解決志向アプローチ)

  • SST(ソーシャルスキルトレーニング)

  • 社会人の発達障害

  • セルフ・キャリアドック

  • TOMH(東京大学 職場のメンタルヘルス専門家養成プログラム)基礎コースS

TOMH13期の会長になりました!(東京大学にて)

取得した資格

  • 国家資格キャリアコンサルタント

  • EAPメンタルヘルスカウンセラー

  • メンタルヘルスマネジメント検定Ⅰ種

  • 健康経営エキスパートアドバイザー

  • 第一種衛生管理者

定期面談を見直した

フルリモートのゆめみにとって定期面談は重要だと考え、諸々見直しました。面談時間を15分から30分にして1人1人と向き合う時間を増やしました。
顔を知ってもらうことで何か困った時に思い出してもらえるような存在になれるよう関係構築に努め、入社時、3ヶ月、半年、1年…と入れています。
特にキャリア採用者にとって3ヶ月~半年が大事な時期であることもわかりました。

生活リズムを見直した

相談者の話しをしっかり聴くために私自身が心身共に健康でいる必要があります。生活リズムを見直し健康管理を徹底。
基本的なことを実践しただけですが、ゆめみ保健室開設以来体調不良で休んだことはなく風邪も引いていません。

  • 早寝早起き

  • 睡眠時間は7時間半~8時間

  • 就寝30分前のスマホ禁止

  • 3食しっかり同じ時間に食べる

  • コーヒーは1日3杯まで、就寝5時間前まで

  • 水分は毎日2リットル

  • 週3-5回の運動

  • 好きなお酒との付き合い方を変更

必要なものを入れ、不要なものをやめた

メンタルヘルスマネジメント検定の勉強をしながら必要なことを導入していきました。そして同時に不要なこともやめました。

  • 復職支援プログラム

  • ハラスメント体制フロー

  • 緊急時の体制フロー

  • セルフケアやキャリア研修の導入

  • 両立支援(仕事と介護/治療)の支援フロー

  • 外部キャリアコンサルタントとの契約

  • 産業ケアマネージャーとの契約

  • 健康管理システムCarelyによる可視化の徹底と一部サービスの見直し

トップや組織へ物申せる人になった

保健室を開設する前に代表にお願いしたことは、私が課題だと感じたことを率直に言える相手であって欲しいということでした。面談をすればするほど課題は出てくるので、遠慮なくハッキリ言える関係性でありたいとお願いしました。
個人に優しく、組織に強く。

それぞれの役割を認識した体制作りをした

社内外で関わる各所との連携において理解し、社内では特に産業医の役割とその業務内容の理解に努めました。そして産業医に必要な業務をお願いできる関係性も必要だということ。産業医の意見書をうまく活用することで就業規定の見直しにも役に立ちます。
また、外部資源としてキャリアコンサルタントと産業ケアマネジャーと契約。自分のできる範囲と役割を理解し専門家と協力しながら、且つ、それらを外に出したままではなく、ゆめみ保健室内で解決できる相談体制づくりにしました。

社内でゆめみ保健室の存在価値を上げる努力をした

面談だけをやればいいというわけではなく、様々な問題に対してどう動けるかコンサルタント的な役割も必要だと感じました。企業内にいるからこそ解決できる問題もあってそこを担える立場になると、
「とりあえず保健室へ相談したら何か得られそう」
そんな立ち位置を目指し、保健室の価値を上げるために業務範囲を広げました。現在、私の業務は大きく分けて以下7つ。

1.カウンセリング

  • キャリアカウンセリング

  • メンタルヘルスカウンセリング

  • 定期面談

  • 休職者面談

  • 恋愛、婚活相談、家族など対人関係の悩み

2.保健室の企画・運営

  • 年間企画、予算管理

  • 研修立案(企画、資料作成、外部講師連携)

  • 産業医&総務&CHROとの打ち合せ

  • 健康経営優良法人認定を意識した施策

  • ストレスチェックや健康診断によるデータ分析

  • 仕事と介護の両立支援に向けた相談体制作り

  • 障害者雇用に向けた準備

3.EAPコンサルティング

  • リワーク施設との連携

    • 休職者へリワーク施設提案、見学同行

    • リワーク施設の担当者と三者面談

  • 復職支援

    • 休職前〜休職中、復職後の定期面談

    • 生活記録表のチェック

    • 復職後の働き方の提案と受け入れ先の調整

  • 精神疾患や発達障害を抱えるメンバーへ働き方の提案と支援

  • 各自治体(精神保健福祉センターや地域福祉支援センター)の案内とその連携

  • マネジメントコンサルテーション

4.企業の内製化支援(外部EAPとして)

  • 相談室を開設するのためのアドバイス

  • プレゼンテーション

  • カウンセリング支援

  • 勉強会開催

5.ハラスメント相談窓口

  • ハラスメント相談対応

  • 被害者のメンタルケア

6.両立支援の取り組み

  • 治療中のメンバーの復帰時の支援と受入れ先提案

  • 介護中のメンバーの業務整理支援と提案

7.ゆめみ保健室認知向上のための活動

  • 次の項目にて詳細紹介↓

ゆめみ保健室の活動を発信した

中小企業にメンタルヘルス対策をすることの重要性とその理解をして欲しいという思いから、ゆめみ保健室の名前を広げようと考えました。
活動内容を紹介します。

活動その1:SNS(X、LinkedIn、note)の発信

X(旧Twitter)は当初、会社名をふせて公開。フォロワー数が3,000人を超えたところで会社名、本名、そして「ゆめみ保健室」を公にしました。

X(旧Twitter)の投稿は毎日2回以上

活動その2:メディア掲載で取り組みを発信

  • 日経BP「未来コトハジメ」

  • 日本マンパワー「キャリアのこれから研究所」

  • EMCA機関誌Cor(こる)表紙と特集に掲載

EMCA機関誌Cor

活動その3:セミナー登壇を積極的に受けた

今年はセミナー登壇の依頼が増えました。
Xのフォロワーさんから「いつもポスト見てます!」と言っていただけることも増えました。

人事図書館「組織を変える物語」にゆめみメンバーと登壇、
人事界隈の方々が多く参加してくださいました!
キャリアコンサルタントとEAPメンタルヘルスカウンセラーのダブルホルダーとして、活動内容や導入事例など発表
(ゆめみCHRO室の太田とリカレント新宿校にて)
株式会社Rodinaさん主催のウェビナーに登壇、
休職者対応や産業医連携、リワークを利用した実例を発表

この業界の給料水準をあげたい思いで年収をアップした

人の支援をするこの業界で働く人たちが安く扱われていることも知りました。良くないことだと思いながらも、私自身が自分の価値を把握していないことに気づきました。そこで会社に年収アップを提案。
ゆめみ保健室の業務内容の例がなく、業務内容が被る業種の年収を徹底的に調べました。EAP会社、メンタルクリニック、カウンセリング単価、産業保健師、企業内の健康管理室の社員募集要項など。
私の業務内容とピッタリ一致しているものはなかったのですが、市場価値と比べてみると750万円ぐらいもらっても良さそう。提案は通りましたが来年は800万円が目標です。流れで年収を公開しましたが、私の業務内容に対する評価として指標になればいいなという思いがあり公開しました。

2025年のゆめみ保健室

先週、2025年度のスケジュールを策定しましたが、来年もゆめみ保健室は元気にフル活動!
特にキャリアの悩みがメンタル不調になることも多いため一次予防の一環としてキャリア研修の強化とポジティブメンタルヘルスへの取り組みを行いたいと思っています。そして引き続き相談室を作るお手伝いをし、「ゆめみ保健室の暖簾分け」を続けていきます!

最後に…
私は医療福祉職ではありませんが、職場のメンタルヘルス領域を担う人たちは業種違えど皆仲間だと勝手に思っています。それがTOMHに選考された理由だと思いますし、お互いの知見を交換し相乗効果が生まれることを切に願っています。
それで思い切って今回、産業保健アドベントカレンダーの仲間に入れてもらいました!

最後までお読み頂きありがとうございました!

いいなと思ったら応援しよう!