ドイツの病院の話。
こんにちは、モフです。
ドイツの介護施設で働いています。
私は頻繁に色々な病院に行っています。
誰かの参考になればと、私の経験をここに記しておきます。
【病院の探し方】
まず、産婦人科を除くすべての病院を、私はこのサイト(アプリ)で見つけました。
Doctolib
https://www.doctolib.de/
病院の予約がオンラインですべて完結。
予約の変更もオンラインで可能です、最高!(差し迫った予約の変更やキャンセルは流石に電話or直接行ってしないといけません)
私は電話が大嫌いです。日本語でも嫌いです。だからこのアプリには本当に助かっています。
ただし、選べる病院が限られます。多分すべての病院がこのアプリを使っていない。そして人気の病院はオンラインで予約を取るようにできていない。
なので私は直近で空いててオンライン予約ができるところから選びました。選択肢めっちゃ減るし、家から遠かったりするけど、オンラインで全て終えられるストレスのなさには何も勝てない。(※個人の意見です)
【Hausarzt / 家庭医】
病院に行きたい人がまず通る難関、家庭医。
大体混んでるし、何を基準に選んだらいいかわからないし、今特に病気じゃないから行く理由もないし…
とか言ってるといざ行きたくなった時に困る、それが家庭医。
だって予約なしで見てくれないですからね。一見さんお断り。
友達はそんな感じで家庭医を見つけておらず、いざ病気になった時にKrankschreiben(病欠申請に必要な紙)が手に入らず、職場で病欠扱いになりませんでした。
私は色々な理由で絶対に病院に行かねばならず、早くから家庭医を見つけていました。
特に行く用事がない人の場合、とりあえずどっか見つけて予約して顔出して、顔見知りになっておくようです。そうすると次の予約が取りやすいし、予約なしで行ってKrankschreibenとか書いてもらえるそうな。(私の家庭医はそう言っていた)
私の家庭医は家から遠いです。「なんでこの家庭医使ってんの?笑」と別の病院で言われたこともありましたが、とにかく受付の人が優しい。先生も優しい。小さくてアットホーム。
ドイツの病院って、受付の人が最悪なことが多い印象。先生たちはみんな優しくていい人なのに、受付が最悪!みたいな口コミとかよく見ます。
私の家庭医の受付、まず患者を呼ぶときに下の名前で呼んできます笑 嫌な人は嫌かもですが、私はそういうの大好き。
受付2人と先生1人、合わせて3人でやってるめっちゃちっちゃい家庭医ですが、ちょい町外れにあるからなのか、いつ行っても混んでない。予約がめちゃ取りやすい。予約なしでもほぼ待たされない。
また受付の男性の方は趣味エンジニアらしく、私は元エンジニア。話が合うところがあって、すぐ仲良くなり、行くとまず2人で世間話をして先生を待つ。笑
そんな暇なの?大丈夫??と思うが、マジで先生が来るまで受付に戻らない。
なお先生は予防接種する時、必ず子供用の可愛い絆創膏を貼ってくれるのだ。リンゴとかドクロマークとかの…🍎☠️
クマみたいにデカくて柔道しそうな声の低い強面先生。その先生が何も言わず、真面目に可愛い絆創膏を貼ってくれるのだ。
バスに30分揺られて、遠いけどいつも家庭医に行くのは楽しみ。(行かないほうがいいんだろうけど!)
【Frauenarzt / 産婦人科】
ドイツの産婦人科は、先生が女の人であることがめっちゃ多い。日本よりはるかに多い。とっても助かる。
産婦人科は友達オススメのところに、直接突撃して初診の予約を取りました。(電話は何が何でもしたくない…)
オススメなだけあって、初診突撃でも大変優しく丁寧に予約を取ってもらえました。ここも受付の人が優しくて◎
初診当日。めっちゃ明るい部屋で、カーテンや仕切りもなしに、先生とタイマンで上も下も触診される。さっぱりしすぎてて恥ずかしさゼロ。
ピルを半年分もらうのに27ユーロ?くらいかかります。日本でもらってたときは1ヶ月分でそれくらいしてたから、そりゃ日本では普及しないよなと思う。高すぎ!
私は生理が激重で、日本にいる時から生理痛で会社を休むような人でしたが、ピルで人生変わりました。神。
【Gastroenterologie / 消化器科】
ドイツに来るちょっと前、潰瘍性大腸炎であることが診断されたので、定期的に大腸検査を受けねばならなくなったこの身。
最もお世話になっており、最もドイツの公的健康保険の恩恵を受けている科です。
この病院は1番慎重に選びました。といってもアプリの少ない選択肢からw
セカンドオピニオンを受けていないからあれだけど、現状満足しています。先生たちもとても親切。
でもちょっと(いやかなり)びっくりしたのが、大腸の内視鏡検査を受ける時の雑さ。
日本にいた時は、検査当日の朝早くから病院に行き、テレビを見させてもらいながら午前中ゆっくり下剤を飲んで腸をきれいにし、午後から検査。麻酔ありだったので、術後目覚めるまで病院でそっと寝かせておいてくれました。(2時間くらいで自動的に目が覚める)
※地元のど田舎の病院です。都会だと忙しいしこんな神対応じゃないかも…
一方ドイツ、自分で病院に来るまでに下剤を飲んで腸をきれいにしておかねばならなかった。
貧乏なのでもちろんWG(シェアハウス)住みです。当時は精神的に狂ったシェアメイトと住んでいたので、トイレを私1人が占領するなんてことは許されず、日本人で一人暮らししている友達の家を朝から借りに行きました。(彼女はちょうど仕事で出る時間だったので、気兼ねなくトイレを使わせてもらえた…🙏超感謝)
多分ここまでは日本でもあり得ることでしょう。
検査の時間になり、オペ室?で横になる。右に看護師、左に先生がスタンバイ。
看護師さんは麻酔を持っており、先生は内視鏡の先を持っていました。
もちろん先に麻酔されると思いますよね?
同時だったんです。
いや、先生の内視鏡の方が早かった。
私は麻酔もかかっていないのにおしりから内視鏡を刺され、大変驚き、困惑しました。
え!まだ看護師さん麻酔打ってないけど!!とか思ってる間に、麻酔が打たれて効いたようです。その後のことは覚えていません。
そして術後。目が覚めるまで待ってくれたりなんかしません。
強制的に叩き起こされて、自分で着替え、休む部屋まで行くよう指示されます。
いやまだ半分寝てますよ!全然普通に歩けないし!!
めっちゃよろよろしながら更衣室へ行き、着替え、なんとか休憩室のベッドにたどり着いたものの、ベッドに上がれない………(ドイツ人サイズなのか?高い!!!)
およそ全身麻酔をかけた人間に対する対応だとは思えません。
そしたら、近くで家族が休んでいるのを見ていたアラブ系のお母さんが助けてくれました。
なんなら彼女たちが帰る時、私にチョコバーを握らせてくれました。なんて優しいのお母さん…スタッフなんて素通りだったのに……
そんなこんなでお母さんに感謝していたら、先生に叩き起こされる。
「やあ!どう?!起きてる??!!調子どう????!!!」
めっちゃ元気。いやまだこちら朦朧としてます。
私がギリ起きているのをいいことに、その場で検査の結果を聞かされる。
「病状は進行してなくてめっちゃいい感じ!このままいこうね!薬出しておくからね!じゃ!!!」
指でグーサインして去っていく先生。
雑すぎん?いやいいけど、結果よかったしいいけど……
さらに、麻酔をした場合1人で帰ってはいけないので、付き添いとして友達を呼んでいた。
友達には病院の閉まるギリギリに来てと言っていたので、ギリギリまで待っていたら、帰る帰る。まず先生が帰る。看護師が帰る。受付の人たちが帰る。残るは掃除婦。掃除婦と私だけが残された病院………
これには笑えた。なんか、面白いねドイツ!いね、ゆるくて!最高!!だから私はここが好きなのだ。
…ちなみに、内視鏡検査もタダです。公的保険に入っていればタダ。すごくない??!
毎日飲む薬も、3ヶ月分で10ユーロ。
日本にいた時、1ヶ月分で2000円くらい払ってた気がする。内視鏡検査は2万円くらいだったかな?
ほんと〜〜〜に助かる。公的保険様様🙏🙏🙏
【Zahnarzt / 歯医者】
最近行き始めた歯医者。
直近で予約を取れるところが、先生が全員外国人(シリアらしい)のところだった。
同じ外国人として尊敬するし、親近感湧くし、評判いいし、噛み合わせが専門って書いてあるからいいなと、そこにした。
先生は多分3人いて、みんなシリア人。
受付と歯科衛生士さんはみんな、ドイツ人。
すごくない?日本で見たことない。
ここはドイツなのに、病院で1番ヒエラルキーの高い人が外国人で、その下に現地人がいる。客層を見ていたら、半分以上外国人だけど、ドイツ人も結構来ている。(ドイツ語の訛りで判断しているので正確さは保証できない)
私の担当の先生は、昔日本人の知り合いがいたそうで、日本が好きだと。とっても良くしてくれる。予約も横入りさせてくれたw
ドイツに来てAusbildungして先生になったそうな。すごいなぁ。ドイツ人の同僚とも難なく会話してるし。私なんて同僚の言ってること100%わかんないときめっちゃあるよ。予測変換して返事してるよ。
雑だな、と思ったのは、まず歯科衛生士さんによっては紙エプロンをつけてくれないことw
マウスピースを新しく作るために歯形を取ったのだが、最初の人はエプロンをしてくれなかったので、服の上にめっちゃ歯形のクズが落ちてたwww
あと、日本だったら絶対なるべく顔に(服にもだけどw)歯形取るあのなんか固まるグミみたいなやつがつかないようにしてくれますよね?
めっちゃ付けられます。めっっっっっちゃ。
もう、歯形取るのが優先だから、きれいな歯形が取れるようにすごい角度で手を突っ込んでくるし、口の周り全部あのグミだらけになる。
どうすんのこれ?って思ってたら、鏡と濡らした紙ナプキンを渡された。
自分で取るシステムねwほんですごい付いてるから取るの時間かかるのよww
ここまではまだ笑えたが、なんとその後、2回も歯形を取り直しにいくことになった。
歯形は病院からラボに送られ、歯型を元にラボがマウスピースを作って返送してくるようだが、なんとラボから「歯型を失くしちゃったのでもう一回取って送ってください」と連絡が来たのだ。それも2回!
取り直し1回目、私はなぜ今日また歯型を取っているのかよくわかっていなかった(病院からあまりちゃんと説明がなく、でもまあいいかと身を任せていたw)が、2回目でハッキリ病院から謝られた。
病院のせいじゃないし、ラボの奴らが直接ここに来て謝るべきだろと思ったが、今すぐ新しいマウスピースが欲しいのでとりあえずまた歯型を取った。
再来週マウスピースを受け取れる予定になっているが、もしまた失くされていたら絶対に病院を変えようと思う。(ここまで全部タダなのが不幸中の幸い…)
ドイツ人の友人曰く、全く普通でない、異常なミスだとのことw
病院側は「ラボは働きたくないみたい…」とか言ってたけど、ストライキってこと?ハンガーストライキならぬ、紛失ストライキ???
ドイツの労働者の権利が強い文化は好きだが、さすがに勘弁してほしい。
【HNO-Arzt / 耳鼻咽喉科】
„Hals-Nasen-Ohren-Arzt“ の略でHNO-Arzt(ハノーアーツト)と呼びます。
喉-鼻-耳-病院ですね。
私は耳垢が溜まりやすい体質で、日本でも病院で取ってもらったことがあります。
汚いと思われるかもしれませんが、溜まりすぎて耳を塞ぐんです。なんか、自浄作用で掃除しなくても出ていくとか言いますよね?それが出て行かないんです。
日本にいた頃、耳掃除のしすぎで2回ほどひどい外耳炎になりました。病院で「耳掃除をするな」と言われたのでその通りにしていたら、ある日片耳が聞こえなくなりまして。
突発性難聴?!と思って病院に駆け込んだら、耳垢のたまりすぎです、と掃除されました。でもちゃんと症状に名前があって、なんか診断書に書かれたのを覚えています。
しすぎると耳が痛くなるし、しないとしないで耳が塞がるしな…とかやってたらやっぱり耳がおかしくなりました。
今度は耳鼻科か…とアプリを開く私。どんだけ病院行くねーん!
耳鼻科は常に混んでて全然予約が取れません。私は家庭医で「緊急です」みたいな紹介状を書いてもらったにも関わらず2件たらい回しにされ、やっと予約が取れたところは1ヶ月先でした。
予約当日、担当医はロシア語が母国語の方のようでした。(ドイツ語の訛りから判断しています)
日本であれば処置する際、何科であろうが、絶対に痛くないように、傷つかないようにしてくれますよね?
耳なんて特に繊細だし。
めっっっっっちゃ痛かった。
耳垢とられる時、叫びました。部屋に響いてました。先生は「我慢してね我慢〜!」と笑っていました。鬼?
絶対耳の奥傷ついたよね?!とか思ってたら、軟膏をつけたガーゼを両耳に入れられ。
「このまま20分入れといてね」と先生。
いや聞き取りづらいんですが。
私「時間まで待合室にいてもいいですか…?」
先生「え、いや帰っていいよ笑笑」
聞き取りづらい耳のまま、受付で処方箋と次の予約を受け取り、聞き取りづらい耳のまま、歩いて帰りました。いや危なくない?!
日本の常識が全く通じない、それがドイツ。
いかがでしたか?
ドイツの病院デビューに怯える、か弱き日本人の背中を押すような記事になっていれば幸いです。
質問などあればコメント欄にどうぞ。
ではまた!
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