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Xmas 懐かしの映画観賞 (その1)『世にも怪奇な物語』1967

3部からなるオムニバス形式の映画だ。

元ネタはエドガー・アラン・ポーの怪奇譚。
どれもキラ星のような監督が撮っている。

第一話
【黒馬の哭く館】
ロジェ・ヴァディム監督

この監督は世紀のプレーボーイでもあった。
ブリジット・バルドーもジェーン・フォンダも元妻。
カトリーヌ・ドヌーブとの間にも子供がいる。

この映画には、当時の妻ジェーン・フォンダが弟のピーター・フォンダと出ている。

初めて観た時は、子供だったから気が付かなかったが、コレ、全編ジェーン・フォンダ讃歌‼️

ストーリーは、放蕩生活を送る我儘な伯爵令嬢ジェーンが、男爵ピーターに袖にされたのを恨んでピーターの厩に放火させ、愛馬を助けようとした彼は焼死してしまう。
その後、忽然と現れた黒馬にジェーンは魅せられてしまう…

ストーリーはどうでもいい。
極端に面積の少ない衣裳でお城を歩き回るジェーンが映し出される。

コレや!
コレもや!細すぎず太からず。 ジェーンはワークアウトビデオも有名。

常にヘソ見せで歩き回るジェーン。
戸外でも。寒くないのか?

もしくは、まつ毛バサバサのお顔のアップ。

そんなに良いと思っていなかったジェーン・フォンダ、今見るとすっごく綺麗❗️

監督は、美しいジェーンの肢体を美しい背景(城、森、草原、海辺)で撮りたかっただけかも。


第二話
【影を殺した男】
ルイ・マル監督
ブルック・シールズの「プリティ・ベイビー」や「死刑台のエレベーター」、「さよなら子供たち」などの監督。

ポーの元ネタは「ウィリアム・ウィルソン」。
自分のドッペルゲンガーに会った者は死ぬ、という典型的なドッペルゲンガーもの。

主演は、この間亡くなった世紀の美男アラン・ドロン。
ウィルソンは子供の頃からやりたい放題のワル。
イタズラ程度でなく、犯罪行為を平気でやる。
嗜虐趣味あり。

眉間の皺がトレードマークの美男

彼の犯罪の抑止力になっていたのが、同じ顔、同じ名前のもう一人のウィリアム・ウィルソン。

もうとっくに顔バレしてるのに仮面なんか付けてる
善玉ウィルソン

ワルいことをしていると、どこからともなく現れて邪魔する。

イカサマでカードゲームに勝ち、負けた女を鞭打つアラン。
打たれるのは豪華どころブリジット・バルドー。
猫目が印象的な彼女は、負けて金が払えず、ドレスを剥かれて背中をピシーりピシーりと打たれる役だ。

コレは原作にまあまあ忠実。

第三話
【悪魔の首飾り】
フェデリコ・フェリーニ監督
ポーの原作は「悪魔に首を賭けるな」。

冒頭、ローマ空港に降り立ったアル中の俳優の目からの光景なのか、あるものはどぎつく強調され、あるものは平坦な紙に描かれたような人物たち。
全てが赤っぽいスクリーンの向こう側にあるようだ。

アル中俳優はテレンス・スタンプが演じる。
「コレクター」の変質者役が似合う、目がピカーン🌟と光る人。

短い時間もキチンと座っていられない重度のアル中

原作は、賭け事が好きな男が、「悪魔に俺の首を賭けてもいい。」と言い、負けて悪魔に首を取られてしまう話。

映画では、賭けに負けたから首を取られる、という悪魔との契約はキレイに無くなっている。

アル中主人公の目にだけ見える白い鞠で遊ぶ白い服の女の子。
それを彼は悪魔だと言う。

夜更けに出口の無いローマの町を酩酊状態でフェラーリで走り回った主人公は、真ん中が崩落した道路に出る。

そこにはあの少女が居た。

主人公はそちらに向かってアクセルを踏む。

道路の切れ目で通行止めのロープが軋みながら揺れている。
ロープの真ん中には血と思しきものがついている。

白い鞠が跳ねながら転がって来て、主人公の首のところで止まる。

少女がその首を拾う。

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三作の中でフェリーニの「悪魔の首飾り」の評価だけがやけに高い。
原作は、悪魔が首を拾うシチュエーション以外無視。
映像の魔術師と呼ばれたフェリーニは、幻想的な映像だけで他を凌いでしまった。

付け足し
あの酩酊状態のアル中俳優に車の鍵を渡したのは誰か?
中折れ帽にサングラス(夜なのに)、コートを着た男だ。
悪魔の使い魔的なアレだったのか?













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