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『アメリカンギャングスター』と パフ・ディディのこと
パフ・ディディ、いま世界中を騒がしていますね。
「大物ラッパー、プロデューサーが性的人身売買?」
その前に、「アメリカン・ギャングスター」という映画をご存知でしょうか?
良い人の役が多いデンゼル・ワシントンが麻薬犯罪組織のボスを、ラッセル・クロウが麻薬取締官を演じた映画です。
デンゼル・ワシントン演ずるところのフランク・ルーカスは、60〜70年代にヘロインの密売で鳴らした実在する犯罪組織のボスです。
ルーカスは、ベトナム戦争下、ケシの産地、東南アジアからヘロインを直輸入して財をなしました。
映画の中で、戦死したアメリカ兵の棺の中にヘロインを隠しアメリカに運び入れる場面が描かれていました。
さすがの麻薬捜査官も、戦死者の棺を開けて調べる、なんてことは出来ないだろうという、人間の心理を突いたビジネス手法でした。
パフ・ディディは、幼い頃父親を亡くします。
退役軍人の父親は、引退後、麻薬ビジネスに手を染めていて、商売敵だかに殺されたそうです。
軍にコネがあるニューヨークの麻薬ディーラー。
正にフランク・ルーカスと同年代に活躍した同業者。
えっと顔見知り?
パフ・ディディは、音楽ビジネスで大成功し、大金持ちになります。
ラップもイマイチ、踊りも下手という評判ですが、ビジネスにおける嗅覚は大変優れていたのですね。
しかしマムシの子はマムシ。
お天道さまに恥ずべきことを親子二代でやっていたわけです。
父親はディディが赤ん坊の頃亡くなったということですから、直接影響を受けたわけではないでしょうが、なぜ同じ轍を踏むことになってしまうのか。
そして今、やりたい放題だった、金も権力も持っていた大物が、次々と告発されてしまう背景にはなにがあるのでしょう?
p.s.
超大物ラッパーでプロデューサーのJay-Zは、この映画にインスパイアされて、アルバム「アメリカン・ギャングスター」を制作。
彼は、パフ・ディディの友人であり、自身もその昔、東海岸の麻薬ディーラーでした。