見出し画像

最強の二人(Intouchables)

80年代にありましたね。
同じ題の【The Untouchables】というギャング映画。

アル・カポネ(デ・ニーロ)と警察の攻防を描いた、ブライアン・デ・パルマの映画。

1975年、『ゴッドファーザーPart2』で、若き日のヴィト・コルレオーネを演じ、アカデミー賞を受賞したロバート・デニーロは、1981年には『レイジング ブル』のボクサー役で、再びアカデミー賞受賞。(肉体改造俳優 第一号?)
1987年の『アンタッチャブル』の頃には押しも押されぬ名優で、ギャング役(大物)といえばこの人だった。(小物はジョー・ペシ😬)

この映画でのアンタッチャブル(触れられない、不可侵)とは、ケヴィン・コスナーが率いる捜査チームの名称でもある。
彼らは、様々な障害や圧力に屈しない。「無敵」という意味でのアンタッチャブル。

一方、アル・カポネもアンタッチャブルな存在。
重職にある人間たちを買収し、暴力という恐怖で人を縛る、「触っちゃヤバい奴」という意味のアンタッチャブル。

➖➖➖➖➖➖➖

さて、フランス映画の『Intouchables』は、全く趣が違う。
首から下が不随の大富豪と黒人介護士の交流を描く、とってもイイ映画だ。

この映画のintouchableは、いろいろな意味を内包していると思う。

主人公の障害者フィリップは、妻を亡くしていて、パラグライダーの事故で重度の障害者となる。
大富豪であるから、家に執事も秘書も料理人も看護師も居る。
しかし、反抗期の一人娘のことは放任、イライラして頑なである。

彼は、自分の周りに壁を作ることで自分を守っている。
そう、他人に障害者として扱われたくない。
バリアーは彼を「触れられない(アンタッチャブル)者」にしている。

彼の介護士になった黒人のドリスには複雑な家庭環境がある。
疲れて仕事から帰ってくる貧しい母親、幼い弟妹、ワルのパシリをさせられているティーンエイジャーの弟…
彼自身、失業中で、軽犯罪歴もある。
彼は社会から冷遇される下層民(アンタッチャブル)なのだ。

二人はだんだん心を通わせて行く。フィリップの友人がドリスの経歴に言及し忠告しても、フィリップは聞き入れない。
「彼は私を障害者扱いしないからね。」と言う。

ドリスは、様々な困難にも関わらず、明るさ、気ままさ、優しさ、真っ当さ、柔軟な思考を持っている。
そんなドリスは、フィリップにとって、得難い、無比(アンタッチャブル)の存在となって行く。

そして全く異なる出自の二人の間には、疑う余地のない聖域(アンタッチャブル)が生まれるのだ。

➖➖➖➖➖➖➖

この映画『intouchables』の邦題が、『最強のふたり』…😑

『最強のふたり』ねえ…
最強って聞いただけで、別の図が浮かぶよね。


これだよ、コレ❗️

因みに、ドイツ語の題名は、
『Ziemlich Beste Freunde』
Beste Freundeは親友、Ziemlichは、かなり、とか すごく。
二人の関係を「親友」と言い切るのもアレだし、ziemlichを付けることで、
『ほぼ親友』、『かなりのところ親友』という感じか?
ちょっと苦しい…?

映画の題名を訳すのは難しい。
文学的なオリジナルをそのまま訳すと「❓❓❓」になってしまうことがままある。
どんな映画なの?

だからと言って、雰囲気で命名しようと「追憶」とか「追想」とか使うと、今じゃどれがどれだか分からなくなってしまった。

『愛と追憶の日々』 母と娘の愛の話
『追憶』男女の愛のすれ違い
『追憶の森』自殺男たちの出会い
『追想(1956)』ロシアの皇女アナスタシアの愛
『追想(1975)』復讐譚
・・・・・・・

勝手に題名で内容を説明するのも止めた方が良い。

何故『As Good As It Gets』が『恋愛小説家』になる⁉️
映画が始まる前に、色々知りたくないんですけど。
「小説家が登場して恋愛❤️する」とかいう情報、要らないから。

犬、カワイ

じゃー訳してみろ!と言われても困るけど、
「色々あったけど、今のこの状態、最高じゃない?」って意味でしょう?
『今が最高』『これ本望』とか?
さらにひねって、
『曇りのち晴れ』?

こんな事をごちゃごちゃ考えていると、どうでも良くなって、『最高のふたり』とかに落ち着いちゃったりするのかもね。🙄


いいなと思ったら応援しよう!