ネタは無限にある[2]− 専門学校の生徒たちの反応で分かったプロとの差(新人ライターさんもぜひ試してください)
前回「ネタは無限にある[1]− それこそ宇宙のハナシ」の続きとなるエントリー。
これまでのライティングセミナーでもお話していて、実は特別なものではない。
https://note.com/fumizukiroman/n/n6bfa63523bf3
とはいえ、新人とプロとの差を体感するヤツではある。
某ビジネス系専門学校の講師兼任のとき、生徒さんに執筆のクセをつける習慣、ネタ探しのコツとして出した〝課題〟がありました。
それは「毎朝、はじめに目にしたものについて毎日400字で書け!」というもの。
いまならWebを意識して、1200字を目安にしたい。
もちろん〝毎日〟なので、次回の講義まで一週間は続けて書いていただく。
いきなりの結果なのだが、全員が〝時計〟について書いてきた。
いまの時代なら〝スマホ〟だろう。
そして、2〜3日目から「もう書けません」と嘆いてきた。
おいおい!
時計について書くだけで、3本も書けないのか?
ここ数年でやってきたライティングセミナーでは、こんな風に考えている。
1日目は「時計に起こされた」とか体験的なものが多くなるのは当たり前として、問題は2日目以降。
そこで、実際に多くの生徒さんの思考が止まっていた。
おいおい!
時計というテーマで発注されたら、書くこといろいろあるでしょ。
はじめは、時計の思い出、日々の付き合い方。
例えば「はじめて買った時計」「我が家の時計は5分遅れ」など。
これだけで、数本は書ける。
たぶん、ここからがプロの仕事で。
時計といわれれば、即徹底的にリサーチとなり、時計の歴史、デザイン、トレンド、未来の時計……工業製品とか文化的な流れもあれば。
著名人が好んできた時計、時計にまつわる感動エピソードなど。
そもそもSEO的な書き方もアホほどあるやろし。
隠れたエッセイストの鬼才・ブラックマヨネーズの吉田敬氏なら「時計、なんでアイツら回ってるんやろ。秒針は誰やねん。長い針も忙しいけど、俺は短い太い針。まわりを見ながらボケるタイミングを待つ」と書くかもしれない。
つまり、生徒さんたちはひとりとしてリサーチをしていなかったのです。
結果として、自分のなかの思い出と知識だけで書いていた。
自分の〝引き出し〟はそのままでは、書くことに限界がある。
しかし、図書館で〝時計〟の本を一冊を手にするだけで、何本も書ける。
あらためて〝時計〟について調べることで〝引き出し〟は調べるだけ増えていく。
もちろん専門学校の課題なので、お金にはなりません。
しかし、いうまでもなく〝財産〟にはなるわけで、得しかない。
よくWebライターの新人さんが〝得意分野がない〟とかいってるけど、得意分野なんてカンタンに手に入れられるのではないか。
これについては後日また深堀りするとして……。
練習だと思って〝時計〟について書くのはどうでしょ。
★ただ書いてもらうだけというのも申し訳ないので、先着3名さんまで編集者的チェックいたします。書く場合は「メディアの種類とターゲット設定」も記載してくださいまし。
次回は、さらなるネタ探しとアイデア出しについて、個人的にもアップデートしたい。