【気になるのは女子がどう感じるか】前作は見てなくても大丈夫!『マッドマックス:フュリオサ』で描かれた未来の地球は、宮崎駿監督とリンクしてた
数時間前に見てきたので、さっそく速攻レビュー。
とにかくシリーズで最もメッセージ性が強かった。
熱狂的ファン満載なので、ついつい気遅れてしまう伝説的シリーズだけど。
これ、前作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015年)の前日談にもかかわらず、前作は見なくても問題なし。
知っておいほうがいい〝予備知識〟についても、かるく解説します。
もちろんまったく知らなくてもいい。
ひとりの〝人間〟としてアホでなけれは向きあえる佳作だ。
■ 荒れ果てた世界のなかで、唯一の天国にいた少女フュリオサが誘拐
される
舞台となるのは、核兵器がつかわれた第三次世界大戦後のこの世界。
かつて緑豊かだった大地は荒れ、いうまでもなく文明もほぼ消滅。
食料だけでなく、水も燃料もない荒れ果てた世界。
世の中は暴力によって支配されていた(宗教もあるよな)。
あれ、どっかで聞いたことがあるな?
…とピンときたら大正解、すでに周知の通り『北斗の拳』そのまんま。
国民的マンガ『北斗の拳』は、この『マッドマックス』へのオマージュからきてる。
ほんで、そんな世界唯一といってもいいらしい、緑も水も食料もある〝緑の国〟から、とある少女が誘拐された。
それが主人公のフュリオサ。
追いかけるオカン。
このオカンがめちゃめちゃ強い。
荒くれどもの巣に単独潜入して、娘を救出……。
その後の展開は劇場にて!
ようは、荒れ果てた世界で〝緑の地〟を探す暴力支配者たちの物語ともいえる。
ようは荒れてんだよ、地球も人々も。
■ フェミニズム = 超ジェンダーレスを容赦なく描いたのがスゴイ
前作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015年)は、脇役だった今作の主人公フュリオサをはじめ、女性陣のあり方で〝新フェミニズム映画〝として世界的に高評価やった。
その公開から約9年。
女性が〝女性らしからぬ〟活躍を見せる映画は、イマドキ珍しくない。
とはいえ、まだまだ〝オンナ〟を使った、匂わせシーンも少なくなく、勘違いしているのはオトコだけ。
そのなか、性別関係なく実力があれば這い上がれる。
その一点のみで、主人公フュリオサは〝自らの夢の実現〟を目指すわけで。
日本ドラマみたいな、制作サイドから「男性キャラを女性に変えて」とか「恋愛要素入れて」なんて、まったくなし。
あいかわらずのジェンダーレスぶり。
ネタバレなのであれですが、そのなかでの〝匂わせ〟演出もスゴイのですわ。
ギリあれなヤツがあるのよ。
■ ここに注目!『マッドマックス』シリーズで、最もメッセージ性が強かった
ネタバレになるので、ちゃんと書けないけど。
いま現在、人類は戦争とか温暖化問題とかいろいろ〝課題〟あるやん。
この物語のなかでは、それら全部に負けちゃってて、なにも残ってない世界。
おいおい、このままだったら、この映画と同じ未来が待っているよ。
そんなメッセージをわたくしは受けとった。
ほんで。
あんま比較されないけど、宮崎駿氏初演出アニメ『未来少年コナン』の懲りない人類たちも思い出した。
一度文明世界が滅んだあとの物語なんて、世界設定は『マッドマックス』シリーズとほぼ変わらない。
この監督である、ジョージ・ミラー氏は今年79歳。
宮崎駿監督より若めだけど、御大にして、この狂気を描くとはトンデモない感性で、クリエイターとしては、ジョージ・ミラー監督のほうがいまも進化中で〝落ちつていない〟と感じるのは、自分だけではないだろう。
そんな彼がはじめて戦争や環境問題について、真っ向から語っていたので驚いた。
なんか宮崎駿化してきた。
そのなか、ジョージ・ミラー監督は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』から派生したストーリーとして、もう1本撮りたいと語っている。
もし『マッドマックス:フュリオサ』が大コケしたら、それも夢と消える。
それは無念。
かつてアクション表現でトンデモない演出をみせた宮崎駿監督。
このままほっといたら、ジョージ・ミラー監督が『もののけ姫』みたいな物語を、アボリジニ民で描くのではないかと感じている。
それはそれで楽しみだけど、今作で故郷オーストラリアについて語っているインタビューもあり、
■ 劇場でのエンディングロールの小ネタ
・マックス・ロカタンスキーの役名表記が〝マッド・マックス〟になってた。
・エンディングロールにて「TikTok Driver」という肩書が…。
・スタッフに、山田って日系人いた。
これら再確認のためにまた見に行こうと思う。