日本に生まれて
よかった。
と思ってしまう、瞬間。
それは、温泉に入っているとき。
抗えない。
先日、ワンオペ続きに繁忙期に子どもの感染症で疲弊を通り越して軽めの屍になっていた。
事前に有休申請していたが、
いそがしいしやっぱり働こうかなという誘惑を何とか振り切って、近所の銭湯に行ってきた。
銭湯とはいえ、温泉もあり、休憩スペースもある小ぢんまりした健康ランドみたいなお湯やさん。
折しも、外はわずかながら雪。
絶好の温泉日和。
のんびり身体にと髪を洗い、お湯へ。
はぁ〜〜最高かよ〜〜。
しかし、気になるけど相容れないあいつの存在が気になる。
世の中をとにかく整わせているあいつ、
サウナだ。
追加料金なくサウナと利用できるが、今まで利用したことはない。
なぜかって?
熱いからだ。
熱いし、水風呂も怖い。
水風呂に肩まで入ってる人も、なんか怖い。
そうして避けていたが、せっかくの休みでたっぷり時間もある(5時間コースだもん…)で入ってみようかなと重い扉を開けた。
やっぱり熱い。
初心者は5分くらいらにしましょう、と書いてあったので、ほう…たった5分でよいのかね?と思ったけど
限界3分だった。
そして水風呂に入る勇気もさらさらなく、手桶で水をすくい膝下に申し訳程度にかけたのみ。
一応、これが重要という外気浴も形ばかり体験してはみたものの
「これでほんとに整うんか?」
「交感神経を活性化して血圧上がるとか逆に身体に悪いのでは?」
と懐疑的。
しかしまだ時間がたっぷりあり(あとたっぷり4時間半ある)、
貸切状態だったので人目を気にせず、弱気に3〜5分で出たり入ったりを繰り返す素人サウナー。
そのうち、サウナでの5分が短く感じられるようになり、身体の中が温かくなってきた。
こうなったらワンチャン水風呂行けるのでは?と思い、冷水で汗を流してから思い切って腰まで入ってみた。
ひっ、ひぇ〜〜〜!気持ちいい〜〜!!
しかも水風呂も温泉の源泉(冷たい)なのでなんか沁みる〜〜!
冷たさに慣れてきたらそろそろと肩まで入ってみた。
ふわぁ〜!
水風呂入ってる人ってただのク●イジーな人だと思ってたけど、全然違ったわ。これはこれでアリ。本当にスミマセンッした!
普段生身の体で冷たさを直接感じることないなぁ、とか、冷たいからこそ、身体の中のあたたかさを感じるというか、おおお、なるほど〜!
新たな感覚に毛穴が逆立ちつつ(寒いから)
外気浴の椅子に座ると、
と…ととのう〜!!
って心の中で呟いちゃったよね。
これ抗いがたく整っちゃう感じわかる。
厳密には、「向こう側」みたいなのにはまだお招きされてない。まだお前には早いって扉閉じてるの。
でも「その世界」があるなってことは実感としてわかった。
そして熱めの露天風呂に入ると
日本に生まれてよかった〜〜〜!!!
が湧き出てしまった。温泉だけに。
冷たかった身体がお湯の温度に馴染み、身体の中からあたたかさが還ってくる。自分と外界を分けていると思い込んでる体の輪郭なんて溶けてなくなり、分子の寄り集まりが私を構成してるだけで、死んだら還り、またちがう何かになる。たまたまいまこの形なだけ。宇宙からみたら地球の構成物の内側だよなぁ、なんて、思考までヤバいくらい整いはじめた。
これはクセになるわ…。
温泉を今までよりももっと身体を使って体感できる。
ととのうととのわないは置いておいたとしても、温めて冷ましてを繰り返すとゆっくり長く入浴できて、結果的にすごく温まる。
結局1時間半近くお湯に入れて大満足。
その後は水をガバガバ飲んで、
普段ひとなでで済ませているお肌の手入れも丁寧にして、
髪をちゃんと乾かして(日常ではいつも生乾き)、
休憩スペースでゆっくり読書。
ほんと来るたびにまたすぐ行こうと思うんだけど、結局限界近くなるまで我慢してしまい、自分を労れないの、ちゃんと意識したいなと。
願わくば、「向こう側」ものぞいてみたい。