第1回スクプロ講座(ページ移動編)
第1回スクプロ講座(ページ移動編)
SmartHRのプログレッシブデザイングループでアクセシビリティテスターをしている柳瀬と言います。
今回は6月12日に行われた同じプログレッシブデザイングループ所属で私の上司でもある辻勝利(つじかつとし)さんのもとで行われた第1回スクリーン・リーダープロフェッショナル養成講座(スクプロ講座)について報告していきたいと思います。
*第2回以降、スクリーン・リーダープロフェッショナル養成講座の事は「スクプロ講座」と略称で表示していきます。
辻さんは弊社のアクセシビリティスペシャリストであり、またNVDA日本語チーム代表でもあるスクリーン・リーダーの第一人者になります。
これから続いていく(予定)の養成講座は私だけでなく色々な方にも有意義な情報になると思い、初めてになりますが会話形式で記事にしてみました。
※今回はスクリーンリーダーのNVDAを使用しています。
目次
はじめに
ページ内を移動してみよう
Googleドキュメント内で便利な機能を覚えよう
さいごに
今回のまとめ
はじめに
辻:それではスクリーンリーダープロフェッショナル養成講座ということで、よろしくお願いします。
柳瀬:よろしくお願いします。
辻:yanaさんはスクリーンリーダーは最初にPCトーカーを学習してこられたそうですね。
柳瀬:そうですね。1年ほど障害者職業訓練校でPCトーカーを使用していました。
辻:SmartHRではPCトーカーとNVDAを使用しているわけですが、どっちのスクリーンリーダーにも良いところがあって、もちろん悪いところがある。必要に応じて使い分けることが出来ればいいなと思います。
ページ内を移動してみよう
辻:それでは課題を出します。まずはこれをみてもらえますか?じゃらん、絶対喜ばれる!鹿児島県のお土産18選!地元民「人気ランキング」&編集部おすすめ
辻:この中にかるかん饅頭があるのですが、かるかん饅頭がどこで買えるのか探してもらえますか?
柳瀬:わかりました。
移動して探す。
辻:今どのようにして移動しましたか?
柳瀬:Hキーを押して見出しを移動しながら内容を聞いていました。
辻:そうですね。見出しを移動して探すのも方法の一つです。見出しが少ないページだとあまり問題ないのですが、最近の記事は見出しがたくさんついています。見出しがたくさんついていると見やすいじゃんと思うかもしれませんが余計な情報にも出くわします。その時に効率よく移動できる方法が、ランドマークを使う方法になります。ランドマークというのは実はあんまり種類がないんです。
辻:ランドマークはDキーで移動することが出来ます。Shift+Dでトップページに移動してもらえますか。Shiftキーを付けることで前に戻ることが出来ます。最初にバナーランドマークがあります。バナーランドマークというのが大体ページのロゴとか大きな見出しにあたる部分。ランドマークを移動すると大抵メインランドマークという所に記事の本文が来るようになっています。その下の補足情報のランドマークは記事のフッダー部分が当たることが多いです。ランドマーク移動で簡単に目的の場所に移動することが出来ます。これはNVDAだけではなくPCトーカーでも使用することが出来ます。では、メインランドマークで移動してみてください。
移動して探す。
辻:移動したらNVDAキーとAを押してください。そうすると全文を読んでくれます。Ctrlキーを押すと停止します。Ctrlキーとは別にもう一つ止める方法があってShiftキーでも止めることが出来ます。Shiftキーで止めるともう一度Shiftキーを押すと続けて読んでくれます。
柳瀬:これは使い分けると便利ですね。
辻:そうですね。ただスクリーンリーダーで読ませるときの注意としてとにかく読み上げをしっかりと聞くことなんですよ。最近のスクリーンリーダーのユーザーの方に多いのがページの一部を聞いて難しいことが出てくるとCtrlで止めちゃう方が多くて。そうすると、もしかしたら聞いていると目的の情報が入っているかもしれない。途中で読み上げを停止することで目的の情報を探すことが出来なくなるっていうことがあったりするので、少し面倒でも読み上げはしっかりと聞くようにしてください。
柳瀬:わかりました。
辻:そして、かるかん饅頭を探す方法として「かるかん」という言葉を検索してもらおうと思います。これはNVDAを使用している場合はNVDAキーとCtrlキーとFで検索することが出来ます。まずひらがなで検索してみましょうか。
かるかんと入力
辻:そうするとかるかん饅頭の記事に移動すると思います。これはあらかじめ探している言葉がはっきりしている場合は便利なんですよ。これを利用すると開いているページ内に探している言葉があるのかないのかがすぐわかるので探すスピードが速くなります。
柳瀬:なるほど。
辻:検索結果が多い場合はNVDAキーとF3を押してみてください。そうすると次の検索結果に移動します。Shiftをつけると前の検索結果に戻るって感じです。これも便利な機能だと思いますので是非覚えてみてください。
柳瀬:ありがとうございます。
Googleドキュメント内で便利な機能を覚えよう
辻:では次はGoogleドキュメントのアクセシビリティテスター朝会の議事録に移動してもらえますか?
移動する
辻:移動したら、まずはフォーカスモードになっているか確認してください。NVDAキーとspaceです。
ピッと音が鳴る
辻:Ctrl+Altを押しながらN、Hと素早く押してもらえますか?
柳瀬:点字サポートが有効になりましたって言いますね。
辻:それだとちょっと遅いんですよね。もう少し素早くN、Hと押してみてください。
辻:Nはネクスト、次へという意味でHはヘッディング、見出しという意味合いなので次の見出しへということになります。
辻:ちなみに前へ戻るときはCtrl+Altを押しながらP、Hを素早く押すということになります。
柳瀬:Pは少し押しづらいですね。なれるまでに少しかかりそうです。
辻:そうですね。覚えるまでに少し時間はかかるかもしれません。
辻:GoogleドキュメントではHでの見出しレベルでの移動が出来ないんですよ。そのため、Ctrl+Alt+N、Hで移動する必要があるんです。
柳瀬:そうなんですね。
辻:でも、それだとすごく時間がかかるじゃないですか。
柳瀬:そうですね、指も疲れますね。
辻:これはGoogleドキュメントの作り手がしっかり作っておかないといけないんですが。先頭に行くと06/01と日付を言うじゃないですか。この06/01は共通で06/02とどんどん続いていきます。そうすると何がいいかっていうと、Ctrl+Fで検索することが出来ます、
柳瀬:なるほど
辻:ためしに12日に飛んでもらえますか。/12と打ち込んでみてください。
辻:12日まで飛べたら参加者の所で柳瀬さんの所に行ってください。行くことが出来たら、出席のチェック欄をCtrl+Alt+Enterでチェックしてください。
柳瀬:Ctrl+Altが必要だったんですね。前に自分でやってみても駄目だった理由が分かりました。
辻:では今度は5日の共有事項を調べてもらっていいですか?
柳瀬:はい、わかりました。移動できました。
辻:移動は大丈夫ですね。これでGoogleドキュメントで覚えてもらった内容が特定の日付に移動する方法で、検索を利用した/の後ろに二桁の数字を入力するやり方とチェックボックスをON,OFFする方法、見出し間を移動する方法を覚えてもらった感じになります。
辻:ちなみに、こういう方法の一覧はないのかと思いますよね?ショートカットの一覧はですねGoogleドキュメントの中でフォーカスモードにしたままCtrlを押したまま/を押してみてください。ショートカットダイアログがありまして、この中に書いてあるんですけど、フォーカスモードを切ってもらって(NVDAキー+space)移動してもらうとヘルプセンターですべて見るというリンクがあります。このリンクを開いて、このページをブックマークしてもらうとすぐに使えて便利です。
柳瀬:確かに分からなくなった時にすぐに使えて便利です。
さいごに
辻:という感じで、手が釣るような動作をしていきましたが今日はこの辺にしておこうと思います。何かわかりづらかったことはありますか?
柳瀬:そうですね、分かりづらかったことはなかったです。でも普段あまり使わないショートカットキーが手になじむまで時間がかかるかもしれません。
辻:あぁ、おっしゃる通りですね。なんというか格闘ゲームの操作に似ているところがありますね。
柳瀬:コマンド操作みたいなやつですね。
辻:そうやっぱり、自分が普段使用している中で便利だと思ったら覚えなくても気づいたら使用しているんですよ。今日覚えなくてもこれから使用していく中で便利だと感じたら覚えていってもらえるといいと思います。
柳瀬:ありがとうございます。
辻:来週はフォームを弄り回してもらおうと思います。
柳瀬:はい、分かりました。よろしくお願いします。
辻:はい、では今日はありがとうございました。
柳瀬:ありがとうございました。
今回のまとめ
1 ホームページ内の移動はHの見出し移動でもできるが、Dのランドマーク移動の方か簡単に移動できる
2 スクリーンリーダーの読み上げは最後までしっかりと聞くようにして、目的の言葉を聞き逃さないようにする
3 調べたい言葉がページ内にあるかどうかCtrl+F素早く調べることが出来て、移動することが出来る
4 NVDAキーとAで連続して読むことが出来、Ctrlでストップ。Shiftで一時停止することが出来る
5 GoogleドキュメントではHでの見出し移動が出来ないため、Ctrl+Alt+N、Hで見出しを移動することが出来る。またP、Hで戻ることも出来る
6 チェック欄をチェックするときはCtrl+Alt+Enterでon、offが出来る
以上になります。
私も今までスクリーン・リーダーの読み上げを聞くときに途中で止めてしまうことが多々あったので少し気を付けなければと思いました。また、どちらかというとWordをメインで使うことが多かったのでGoogleドキュメントでの操作はとても勉強になりました。
これからもスクリーン・リーダープロフェッショナル養成講座は続いていきます。
次はフォームの回を紹介しますのでよかったらぜひ見に来てください。
辻さんもnoteで有益な情報を発信されているので、URLを貼っておきます!
Katsutoshi Tsuji
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