【二重影】 闇蜉蝣 楽曲解説
2022年2月18日にiTunes Store限定でダウンロード販売が開始された慟哭〜doukoku〜の2ndフルアルバム『二重影』の収録曲2曲目「闇蜉蝣」について解説したいと思います。
ちなみに「闇蜉蝣」は「やみかげろう」と読みます。
さぁ記念すべき2ndフルアルバムの入り口を開けて最初のボーカル曲です。そんな曲だからアルバムの世界の道標となるべく、アルバム制作初期段階の時期に作られたのだろう、と想像する人もいるだろうが、実はそんなことはない。むしろ終盤である。
実のところ、この時期は中々自分の中で確固たる感情や創造を上手く昇華出来ないでいました。つまり、お恥ずかしいことに作曲スランプというやつです。
慟哭〜doukoku〜のことを考えすぎるが故に慟哭〜doukoku〜の曲が作れない、という円環に入ってしまって、あーでもないこーでもないの一人禅問答が始まりました。
正確に言えば「今現在の慟哭〜doukoku〜にとって相応しく、良いと思える楽曲が作れない」といったところでしょうか。とにかく良い楽曲が出来ない。そしてアルバム制作時間が刻一刻と過ぎていく。そういった時の流れの中で「一旦、原点を思い、そして今自分がやりたい慟哭〜doukoku〜ロックをやってみるか」とふと過る。
そこから何とか絞り出したのがこの「闇蜉蝣」です。意外と難産だったのです。
しかし難産だったとはいえ、その後の経過は良好。母子共に健康。全体の骨組みが出来て、隆介さんからも「かっこいいじゃん」と言われ、じゃあいけるだろうか、と思って進行していくと意外とすんなり完成してしまった。不思議なものである。
なんとかなるものですね。円環に嵌まり込んでしまったと思っていたが、それは螺旋だったようです。回りはしましたが進みました。
ここからは楽曲の中身の話。
今回のアルバムは「ダーク、デジタル、攻撃的」といった方向性で制作していたので、「闇蜉蝣」もこの3つの要素を全面に押し出す楽曲にしようと思い、作曲しました。
相変わらず僕らしいダークシンセから始まり、文哉作曲だろうなとすぐわかるようなギターリフにクワイヤーシンセが畳み掛けるイントロ。この辺りは制作していた時から心地好い。
骨組み段階ではサビの歌メロは完成していたのですが、Aメロの歌メロが未完成であり、僕が悩んでいたところに隆介さんが手伝って考えてくれて、その結果、より深みある世界観が出来上がりました。
ちなみに「闇蜉蝣」というタイトルは隆介さんが考えましたが、僕も元々「異形物の誕生と共存」というような世界やイメージを抱きながら曲を制作していたので、概ね合っているタイトルになった気がします。
この曲は元々シンセドラム主体の楽曲にしようかと考えていたのですが、先ほどお話した「原点を思い、そして今自分がやりたい慟哭〜doukoku〜ロックを」との感情にて、シンセドラムから生ドラム系の音へと変更し、生バンドで映えるようなダークロックへと仕上げていきました。
2番Aメロや2番のサビ後のリズムや展開は正直楽しい。ライブでも観客が楽しんでくれていますが、演者も演奏してて楽しいです。
「今自分がやりたい慟哭〜doukoku〜ロック」と考えたので、今後もライブでは積極的に披露していきたい楽曲の一つです。
アルバム『二重影』のトップバッター、最初のボーカル曲として相応しい曲になったと自負しています。
難産の果てのこの出世頭。憎まれっ子世にはばかる。