物の値段
様々なものの値段が上がり、人々の値段に対する考え方やそれに対して臆する姿勢、値段とは。について考える事が増えた。10円上がったから買わないとか30円上がった。高いとか。そういった風潮が腑に落ちない。(自分の店のことではない) 日々テレビをつけても値上げしたメーカーの商品を伝えている。
自分で言うのも説得力はないが私はお金持ちではない。かといって安いから良いと思って物を買う人ではない。お金がなくともずっと使うものやサービスに対して対価を支払うべきお店には妥協なくその価値に対しての対価を支払うようにしている。
安いフライパンを買って1年で焦げ付くようになり、また買い換えるのが嫌だからだ。それだったらあと1000円出せば買える長持ちをするフライパンを買うし、1000円のランチだろうが1500円のランチだろうが、気持ちよく食事が出来るのであれば2000円のランチだって良いと思っている。自分でお店を始めてから考え方が変わり、普通だったら避けるような価格帯の物に大きな価値と満足感がある事を知り、そこに対して渋る事がなくなった。
ただ高いお金を出せば全てが素晴らしいかと言えばそうではないこともある。でも良いことの方が多いと まだ38年の人生だが感じている。それにどうだろうか。例えばいつも買っている醤油が100円値上がって、多くの人が買わない選択をした時にそのメーカーが潰れてしまったりその商品が無くなったりする恐れがないとも言いきれない。それに仕方ない値上げであって、例えば原材料の高騰であるのだからそれで買わないのはいかがなものか。儲けようとして値上げしているのとは訳が違う。逆に応援すべきであると思う。
このように、値上げに対してシビアである我が国日本であるが、他先進国に比べたらまだまだ安い訳で、贅沢極まりない。何なら吉野家とか松屋とか1杯1000円でも良いから働いている人の時給が1800円とか2000円になっても良いのではないかと思っている。値段だけを見て高いと思ってしまうけれど、その背景に何があるのか大いに考える必要がある。
普段手を出さない価格帯のホテルに泊まってみるとか、普段払うことのない価格の食事をしてみるとか10万円のコートを買ってみるとか20万円の靴を買ってみるとか、まずやってみないことにはどれだけ素晴らしいことでどんな感動があるのか分からない。もしかしたら出す意味がないことを知る事になるかもしれないし、どちらに転ぶかその人次第。少なくとも僕は初めて10万円の服を買った時に、お金を出す意味を凄く感じたし高い服ってこんなに素晴らしいのかと感動しました。全てがそうではないと思いますが色々挑戦して失敗することが自分のマネーリテラシーを上げていくのかなぁと思っています。
ここまで書いていたら高いものが良い!みたいな文章になっていて、なんか違うなぁと思って追記している。今だに値上げせずに出し続けている田舎の中華料理店の500円のラーメンだって大好きだし、650円で食べれる定食だって大好きだ。安くて良いものも沢山ある。多分今回自分がここに書きたいのは値段の整合性を見極めて出すべき物には惜しみなくお金を出そうっていう事なんだろうと思う。自分で書いていてよく分かっていない。値段だけ見て決めない。それがその値段だと納得したら取引が成立する訳であるので、値段と価値をしっかり見極める事が大事なのかなぁと思います。色々なものの見方を変えるのも意識して。
偉そうになんなんだ本当に。
おわり。