マイペースを保つこと
私の娘(小1)はとってもマイペースだ。
小学校の個人懇談では
「〇〇さんは、ちょっとボーッとしていることが多くて、おーいと声をかけるとハッとなって周りを見渡して追いつこうとすることが多いですね。」と言われる。
習い事の先生にも
「〇〇ちゃんは、とにかくゆっくりで始めるのに時間がかかります。もう少し色んなことをスピードアップできるといいと思います。」と言われたりする。
私もことあるごとに「早く」と言う。
あまりにもゆっくりなので、「早く」✕5回言ったりする。早口言葉みたいに。
「ちょっと待ってぇ。」とそれなりに急いでいる風に見えるのだが、まったく時間は短縮されていないように感じる。
あんまり言い過ぎると、むしろ焦ることで凡ミスが増えてしまい余計に時間がかかる。
娘はある習い事をしていて、小学校から帰ると比較的すぐに出発しないといけない。
娘は、学校から帰ってくるのもゆっくりなので、そのせいで正味15分ぐらいの間に手洗い・うがい・着替えをしてからおやつを食べるという娘にとっては難しい行程をこなす羽目になる。
結局、いつもおやつに残された時間は5分ぐらいだ。
だけど、この5分を娘は全力で楽しむ。
録画してあるお気に入りのジブリなどの映画を鑑賞する。今は鬼滅の刃の時もある。
それを観ながら幸せそうにお菓子を頬張るのだ。
出発までに5分しかないと思うと、私は習い事に遅れやしないかハラハラしつつ、「早く早く」とマイペースな娘を急かしては、毎回イライラしていた。
しかし、どうやら娘には「え?5分もあるの♡?」なのだ。
先日のこと。
例によって出発まで残り10分でおやつを食べ始めた娘。
ハラハラしつつもいつもよりわずかに時間があるので、急かさずに見守ってみた。
娘はソファに座り、完全にくつろいで「借りぐらしのアリエッティ」を観ながら幸せそうにおやつを頬張っている。
私ならば出発まで10分であれば、そんなに悠長にお菓子は頬張れない。とりあえず口に詰め込み、モグモグしながら出かける準備をすると思う。
結局、娘は全く時間というものを気にすることなく10分の間におやつを食べ終えた。
満面の笑みで「はぁ幸せ…」と言い、「じゃ、いこっか。」とのこと。
要は心の持ちようなんだなぁ。
10分しかないと思えば、味気ない10分。
10分もある(娘の場合は意識もしていない可能性がある)と思えば、至福の一時になるのだ。
私は初めて、娘は偉大かもしれない、と思った。
見習おう。