良い嫁にはなれかったシングルマザーが新規事業の立ち上げに挑戦する理由②
人生の転機
しかし、大きな転機が私を待ち構えていました。それが、離婚でした。幸い、離婚後も現職に残ることができたのですが、ひとりで子どもを育てていくというのは想像以上に大変で、何より、とてつもないプレッシャーがのしかかりました。
上手くいかない仕事や子育てのストレスをつい娘にぶつけてしまう日も数え切れないほどありました。一昔前よりシングルマザーは珍しくないとはいえ、シングルというだけで、世間から厳しい目や哀れみの目で見られることもあり、人生が楽しくなかったんです(このあたりのエピソードはまた後日)。「きっと、シングルマザーを取り巻く環境は昔からそれほど変わっていない。だったら、私が変えるしかない。」そう思い立ったのが、2017年の秋でした。
新規事業ビジネスコンテストへの挑戦
思い立ってからは、あっという間でした(進藤へ手紙を書いた時もそうでした 笑)。社内で開催されている新規事業ビジネスコンテストに挑戦することを決め、準備を始めました。とはいっても、自分のために使える時間は、子どもの就寝後しかないため、毎日、2~3時間ずつ、自分の睡眠時間を削って進めました(あの時は毎日寝不足でした 汗)。それでも、「娘の笑顔を見るため」という新たな思いができていたので、続けられたんだと思います。
もちろん、ビジネスコンテストなので、数回の審査を通過しないと事業化は決定しません。でも、あの時は何故か自信がありました(誰よりも準備に時間と思いをかけた自信があったので、こんなところで落ちてたまるかという精神でした)。実際、一次審査に続き、二次審査で合格を告げられた時は、嬉しさ半分、「やっと始められる」という安堵感が半分でした。
立ち上げ準備から現在に至るまで
最初の3ヶ月間は検証期間として、事業設定が正しいのか、顧客の真のニーズはどこにあるのかを探るための時間として過ごしました。
当初はシングルマザーと子どもたちが参加できるイベントや遊びの場を提供していこうと様々な企画をしていました。これは私自身が離婚して間もない頃、責任感や不安、後ろめたさなどから子育てに自信を持てず、周囲との接触を絶っていた時期があったからです。同じような悩みを持つママと子どもの笑顔が溢れる場をつくっていきたいと思っていました。実際にいくつかのイベントを実施し、参加いただいたママたちからは高い満足度と感謝のお言葉をいただき、活動の意義を見出すことができました。
一方で、シングルマザーを取り巻く環境の問題に気づくこともできました。それが、情報格差と時間格差です。シングルマザーは家事、育児、仕事をすべて一人で担っている人が多く、自分のための時間を確保することすら難しい場合があります。また、まだまだ存在するシングルマザーへの偏見から、自分の置かれている赤裸々な状況を他人に話すことができず、SOSを出せないシングルマザーは多いのです。こういったシングルマザーの悩みを解消するために、WEBを利用したサービスやコミュニティが必要なのではと気づきました(正式なサービスリリース時には、改めてお知らせさせていただきます!)。
最後に
ここまで、拙い私の文章にお付き合いいただきありがとうございました。「シングルマザーが新規事業立ち上げ」なんて偉そうなこと言っていますが、ここにくるまでにたくさんの苦悩がありました。意外と他人の目を気にするほうなので、「昔の友だちが見たら、なんて思うだろう?」とか、「保育園のママ友が知ったら、子どもに影響あるかな?」とか今でも思っています。それでも、誰かが声を発することで、見えてくる世界や変わる世界があると思っています。
そのために、私だからできることを少しずつ発信できればと思っています。