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「マルカン大食堂の奇跡」に大感謝の話


昨日仕事終わりに眠れなくて読み始めたのがこちら。


マルカン大食堂、岩手では知らない人がいないくらい有名ですよね。
2016年6月7日に閉店したマルカンデパートの6階にある、580席もあるレトロな雰囲気の、お箸で食べるでっかいソフトクリームが人気の、あの大食堂。

建物の老朽化や耐震の問題で閉店せざるを得なくなったこのデパート、「なんとか大食堂だけでも残したい!」と、花巻の人たちが存続に向けて奮起したわけです。
この本は、閉店が決まった時から大食堂復活までの、マルカン大食堂を残すために戦ってきた人たちの物語。


***

大学の頃、マルカンに行ったことがなかった私は閉店の噂を耳にして驚いた。
「まだあのソフト、食べてないのに!!」と焦り、
勢いで車を飛ばして花巻へ行った記憶がある。
それから「小友さんという人が存続を検討中らしい」と知っていたものの、詳しくは知らないままでいた。
この本に書いてあるようなことが起こっているなんてつゆ知らず、
「復活したんだー!すごい、また行けるね!」とかなり外側から喜んでいた。
まさか自分が花巻にいるなんて、その時は全く思っていなかったから。


花巻にきて1ヶ月、かなりたくさんの人との出会いがあった。
そしてここで出会う人たちはみんな、不思議と惹きつけられるような魅力を持っている。その人のペースに巻き込まれる、と言ったほうがしっくりくるかも(笑)
優しくて、驕ってなくて、でも芯が強い。みんな自分の色を持っていて、集まると「ここで色混ぜたら面白いね」みたいな雰囲気がある。なんていうんだろう、うまく言葉にできないけれど、今まで感じたことのない空気。あとみんな、いろんなことを面白がっている人たちだし、カラッとしてる。いい意味で!
確実に、「花巻の空気」がそこにはあって、私は今それを一生懸命吸って、体になじませている。普通に呼吸ができるようになってきたのも感じる。


それでもまだまだ花巻のことを知らなすぎるなと思って、
本棚にあった「マルカン大食堂の奇跡」を手に取った。
なんとなく概要は知っているけど、一応読んどかなきゃ、と軽い気持ちだった。

序盤は、花巻がどういう町か、マルカン大食堂の概要などについて書かれていて、ふむふむと読んでいたのだけれど、そのあと「閉店の噂が流れ」るところから怒涛の復活に向けた活動祭りが始まって、ページを読み進める手が止まらなくなった。

たくさんの人が「自分にできることはないか」と始動していき、たくさんの人が出会い、奇跡が次々と生まれていく。うねりをあげて人を巻き込みに巻き込んで、復活する。そこに綴られたそれぞれの出来事と熱い思いは、まるで私がその時に居合わせているかのように臨場感のあるもので、一気に読み終えてしまった。


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読後に、まず納得した。
「あぁ、この出来事が今の花巻の空気を作ってたんだ」と、納得した。
これほどの奇跡を起こした人たちがいる花巻という町に、私はいるんだなあと、
何もしていないのに誇らしい気持ちになった。うれしくなった。


「大食堂の復活がゴールじゃない。10年、20年とその先もこの大食堂が人々に愛され、残っていった時に、この復活が成し遂げられたことになる」という言葉が心に残った。マルカン大食堂はやっぱり花巻のシンボルだ。全国各地にファンがいるし、何より市民に愛されている。こんな素敵なことある?最高だね。

価値のあるものを残したい。そのために立ち上がった人たちの行動力とスピード感ある動き、そして巻き込み力!もうあっぱれすぎる。拍手喝采。かっこよすぎる。

そして克明に事実をしっかりと記録し、価値あるものを残したい全ての人に役立つようにとこの本を書き上げた北山さんのかっこよさ。

かっこいい人たちばっかりで涙出るわ。
ここに来れて本当に良かったなと、この本を読んでさらに思う。
マルカン大食堂を残してくれた皆さん、そしてそれを残そうとしてくれた皆さん、そして私を花巻に読んでくれた福田さん、本当にありがとうございますです。


そしてなんと、このマルカン大食堂復活の実話を元にした映画の制作が決まったそうな。私がアシスタントをさせてもらうことになっているデザイナーの菜摘さんの話が元になっているそうで。初めて菜摘さんにあった時に、その魅力に一発で心を射抜かれた。こんなに「この人になりたい!」と思った人はいない、くらいの人。
映画見るのが楽しみ!



また長くなっちゃったけど、
どんな奇跡があったかは、ぜひ本を読んでみてね。
大切なものを、価値あるものをこれから先も残していきたいと思う人は全員読んでほしい。そうじゃなくても、読んだら走り出したくなるよ。


おやすみ〜




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