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【新】今の親が知っておきたい、新しい「子育ての原則」

自分で考えられる子どもを育てる
教育の世界に「2020年問題」が迫っている。2020年度に文部科学省が実施する、学習指導要領の改訂、そして大学入試制度の改革のことだ。
その中身を一言で表すなら、「自分で考え、表現し、判断できる子どもの育成」。従来の教育制度が、教師から与えられる知識の理解度を測ることに比重を置いていたとすれば、新たな学習指導要領では、単に知識を増やすだけではなく、それを実生活の中で活かす方法を考えることが重視される。
そのため学校教育の場では、教師による一方通行の授業から、生徒自身が主体的に参加する「アクティブラーニング」と呼ばれる形態の授業が増えると予想される。
同時に、学校教育の一つの到達点である大学入試についても、「センター試験の廃止」が断行される。
新たに始まる「大学入学共通テスト」では、マークシート式のセンター試験とは異なり、国語・数学で記述式問題が導入される。また英語科目では、従来の「聞く」「読む」に加え、「話す」と「書く」も試験項目に加えられ、より実社会での運用を視野に入れた出題がなされる。
数十年にわたり続いてきた学校制度が根底から変化する、「大改革」のタイミングに我々は立っている。
輝きを失う「旧来のエリートコース」
その背景にあるのは、言うまでもなく、社会が変化するスピードの増加である。
「あと10〜20年で、49%の職業が機械に代替される可能性がある」「2011年にアメリカの小学校に入学した子どもの65%は、今は存在しない職業に就く」──こうしたデータを持ち出すまでもなく、現在からは想像もできないことが起きる未来を生き抜く能力が、これからの子どもたちには求められる。
当然、いい中学、高校からいい大学に入り、いい企業に就職するといった「旧来のエリートコース」は、もはやその輝きを失っている。今の「いい企業」が、数年後にも同じように「いい企業」である保証はどこにもないからだ。
教育改革実践家の藤原和博氏は、「僕らや今の親世代が信じてきたエリートコースは、もう目指すべきところではない」と述べる。
では、これからの子どもにはどのような力が必要で、親世代は、どのような子育てを試みればいいのか。今回の特集では、これからの教育を誰よりも考え、実践してきた人物を取り上げながら、子育てのヒントを探っていく。


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