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福音派的キラキラ教会生活

 聖書は新改訳2017と聖書協会共同訳と口語訳の3冊持ち。iPhoneとiPadに入れたYouVersionで通読管理をしている。普段教会に持っていくのは新改訳2017。教会がそれを採用しているから。礼拝説教はiPhoneで録音しながら、iPadにApple Pencilでメモを取る。週の半ばにスタバの窓際の席で、ホイップクリーム多めのカフェモカを飲みながらそれを聞き直すのが習慣だ。BGMは専らヒルソング。

 賛美が大好き。ヒルソングやプラネットシェイカーズなど海外のクリスチャン・バンドをよく聞く。自分の教会はヒルソングも一部取り入れているが、「教会福音讃美歌」からの選曲が多い。もちろん良い曲もある。しかしどうにも古くさい。賛美チームのミーティングの度に新しい曲を導入するよう牧師に進言しているが、「年輩の方々が歌いづらいから」と断られ続けている。それはそうだが、若い世代のことも考えてほしい。正直不満だ。

 賛美チームではピアノを担当している。愛機はローランドのLX706。新品で36万円のデジタルピアノ。自分のチョイスだが、購入費はもちろん教会の負担。だって礼拝で使うのだから。最高の神様を賛美するのに、安い楽器を使っちゃ失礼でしょ? チーム構成はエレキギター2本、エレキベース、ドラム、シンセサイザー、メインボーカル1人にコーラス3人。PAは2人でローテーション。照明とスモークに1人。練習は土曜の夜と日曜の朝にそれぞれ2〜3時間ずつ。みんな技術レベルが高くて概ね満足しているが、しょっちゅう誰かが休むので、なかなか理想通りの構成にならない。休む理由は帰省やら家の用事やら。「疲れたから」なんてのもあるが、正直甘いと思っている。技術レベルが高くても、まだまだ霊的レベルが低いのだ。神様を賛美して礼拝するのは最高の栄誉なのだから、何かを犠牲してでも出席すべきだ。そういう自分は一度もピアノ奏楽を休んだことがない。だってピアノが抜けてしまったら、賛美にならないでしょ? 自分は皆が賛美に集中できるように、犠牲を払っているのです。

 賛美礼拝はいつもiPhoneで録画し、一番良いところを2分程度、1080pでツイッターとフェイスブックとインスタグラムに毎週上げている。他にもスタバで撮った聖書とコーヒーの写真や、LX706の譜面台に置いた書き込みだらけの楽譜の写真、礼拝堂の中央壁面の十字架の写真、説教壇の天板に前任牧師が刻んだ「常に十字架を見上げよ」の文字の写真などを定期的に上げている。フォロワー数はそれぞれ500程度。もっと伸ばしたいが、上○教会みたいな「この世」に迎合したネタに走りたくない。ちなみに他教会の奏楽奉仕者のアカウントは(特にピアノ奏者のアカウントは)、見ると嫉妬してしまうのでミュートしている(そこが自分の弱さだと自覚している)。

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 毎朝5時に起きて30分ディボーションする。それから15分間祈る。すると聖なる気持ちで仕事に向かえる。昼休憩中はYouVersionで通読。トイレでしばし祈る。同僚たちの「この世」の話題には入らない。彼らが救われ、真理に目が開かれるよう切に祈る。午後はそんな憂いと共に過ごす。5時に終業すると真っ直ぐスタバへ。キャラメルマキアートを低脂肪ミルク、シナモン追加、キャラメルソース増量で注文する。聖書を読みながら1時間、職場で付いた「この世」の汚れをきれいに洗い流す。もちろんBGMはヒルソングのワーシップだ。

 今後も賛美の分野で神様に仕えていきたいと思っている。できれば「この世」の仕事はさっさと辞めて、賛美一本で生きていきたい。オリジナルの曲を作ってレーベルを立ち上げることはできないだろうか。一時期のレイン○ーミュージックやリ○のように、全国の教会で歌われる賛美を広めることができたら、自分の、いや神様の栄光が現されるに違いない。それで収入が得られれば一石二鳥だ。それで全国を回ってコンサートなど開ければ一石三鳥ではないか。福音派的キラキラ教会生活の夢は広がる。

※あくまでも界隈のクリスチャンが持つイメージを総括して香油を振りかけ、幻を煮詰めたフィクションです。


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