特別な夏休み
今年の夏休みは短い。学校のプールも花火大会も中止。海水浴にも行けず、旅行もできない。
授業日数を確保するためだ、感染を防ぐためだ、今年は我慢だ、特別な夏だから。
テレビで偉い人たちが繰り返す。周りの大人も繰り返す。
そうじゃないだろって、ボクは思う。
なんだかんだ言って、大人は夜な夜な飲み歩いてるじゃないか。あっちこっちに出かけてクラスターの原因になってるじゃないか。突然、学校が休校になった時も同じだった。結局、割を食って我慢を強いられるのは、いつだってボクら子どもだ。
でも、負けたくない。理不尽な我慢を強いられてるボクらだからこそ、気づくことだってある。
友達から遠ざけられて、それでも感染を広めまいと律義に我慢して孤独に耐えてるからこそ、人の大切さ、尊さが身に染みる。
本当に大切な、本当に尊いことって何なのか。気づくことができたんだ。
そういう意味で、特別な夏なんだ。