シャッター商店街
いまや日本全国どこだって、石を投げればシャッター商店街に当たるんじゃないだろうか。シャッター通りとも呼ばれる。不況の象徴だ。
だが、都会のど真ん中、例のウイルス感染者が突出して増え続けているその街のシャッター商店街は違う。
地方のそれ同様、人影は皆無、閑古鳥が鳴く。
だが、どの店も大繁盛だ。
「超高性能で特殊で特別な能力があります」。何の変哲もないシャッターを、そんな触れ込みで売り始めたからだ。
どんなシャッターだって、ウイルスを完全遮断するなんて無理。でも、その商店街は人の心理に巧みにつけ込んだ。不安な時は何かにすがりたくなるもの。「さらば、ウイルス」。そんなキャッチコピーで畳みかけ、グングン売り上げを伸ばしている。
景気に振り回されてきた彼らによる、人心を振り回す大逆襲。
シャッターは飛ぶように売れている。
人と人の距離も、どんどん離れていく。
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