サードキャリア

人生100年時代。

普通なら65歳で会社勤めは終わる。

そして、セカンドキャリアが始まる。否、始めなければならない。

多少なりとも蓄えのある人なら、趣味をよすがに小遣いを得て、少しでも生活を潤そうと試みる。そうでない人は、社畜時代と変わらず働き続ける。雀の涙ほどの時給、日給をバイトで積み上げては消費する繰り返し。

でも、10年ちょっとすれば、そんな暮らしも頭打ち。頼るべき老老介護のあてもない。

すると、サードキャリアが始まる。否、始めなければならない。

人は知力の限りを尽くして長寿と健康を手に入れた。そのなれの果てがこれ。世の中は先細り、若者の数も年金の額も減りゆく。老人は死ぬまで稼ぎ続けなければならない。

ゆっくり余生を過ごしたい。

それは、もはや、夢物語。

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