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scoop_kawamura
化石になったトーキョー
ある朝、目が覚めると、東京の全てが化石になっていた。
スカイツリーも浅草寺も山手線もレインボーブリッジも。当然、生活も経済も立ちゆかなくなる。都会に入り浸っていた住民はUターン、Iターンを余儀なくされ、人影は消えた。
最初は田舎暮らしを嫌がった人たち。が、住めば都とはよく言ったものだ。必要な情報はスマホですぐ手に入る。暮らし向きは慎ましくなったが、身近に自然があふれ、空気は美味しい。クラスター発生の心配も無用。
「なにげに東京より心地よくないか?」
「これがホントのニューノーマル?」
みんな、そう思い始めた。
「はっ!」
ここで夢は覚めた。夢の主は、ある極秘プロジェクトの幹部だった。
「やっぱり、ここまでやらなきゃダメか……」
一極集中は限界を超えている。だから都市が破滅する前に化石化してしまい、遺跡として後世に残す。
残酷なようで、ある意味、東京愛に満ちたプロジェクトが進められている。